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NECのサステナビリティ経営

NECは、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現に向け、さまざまなステークホルダーのみなさまと対話・共創しながら、社会課題の解決に貢献する事業活動を推進しています。また、法令遵守や企業倫理の徹底のほか、社会や環境に負の影響を与える可能性のある活動のリスク低減にも積極的に取り組んでいます。

ESG視点の経営優先テーマ「マテリアリティ」の取り組みをとおし、リスクの最小化と提供価値の最大化を図り、将来の財務パフォーマンス向上やSDGs達成への貢献にもつなげていきます。

サステナビリティ経営のあゆみ

NECの歴史は、日本初の外国資本との合弁企業として誕生した1899年に始まります。創業者 岩垂邦彦は、世界の一級品をお客さまにお届けし、アフターサービスまで責任を持って行う会社になるとの思いで「ベタープロダクツ・ベターサービス」をモットーに、電話機、交換機などの通信機器を提供しました。

その後、1950年代にはコンピュータ開発に着手し、1977年、当時の会長 小林宏治が米国アトランタで開催された「国際通信展インテルコム77」で、「C&C(コンピュータと通信の融合:the integration of computers and communications)」という新しい構想を提唱しました。

このとき小林は、この「C&C」の目指す姿を次のように語っています。

「C&C」の目指す姿

  • 21世紀の初めには「いつでも、どこででも、誰とでも」お互いに顔を見ながら話ができる
  • そのときはすべての技術、つまり通信、コンピュータおよびテレビジョンは統合される
  • そのような世界中に広がる通信システムに発展途上国が参加できるように援助することも重要である

この姿は、パソコンや携帯電話、インターネットが広く普及した今、技術的には実現しています。一方、世界中の人々がいつでも、どこででも、誰とでもつながるようにしたいという思いは、2015年に国連加盟国193カ国が採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」が目指す「誰一人取り残さない」にも通じており、今もなお、世界中が取り組んでいる課題です。

2013年には、NECに対し、お客さまや社会から期待される価値が、私たちの技術や製品そのものから、価値を生み出すコトに変化していることを受け、「2015中期経営計画」で、社会にとっての価値を創出する社会価値創造型企業への変革を宣言しました。そして翌2014年には、この変革に向けたブランドステートメント「Orchestrating a brighter world」を発表しました。さらに、2019年に創業120周年を迎えたことを機に、制定から10年以上経過したNEC Wayの体系を社会の変化・要請をふまえ、役員から従業員に至るまで、一人ひとりが自らの行動様式を変える指針とすべく、あらためて整理しました。取締役会での決議を経て、2020年4月に発表したNEC Wayは、会社の存在意義や行動原則と個人とのつながりをシンプルに示しています。

NEC Way

NEC Wayは、NECグループが共通で持つ価値観であり、行動の原点です。企業としてふるまう姿を示した「Purpose(存在意義)」「Principles(行動原則)」と、一人ひとりの価値観・ふるまいを示した「Code of Values(行動基準)」「Code of Conduct(行動規範)」の4つの要素で構成されています。

NECグループの役員から従業員に至るまで、一人ひとりがNEC Wayの価値観と自分の価値観とを照らし合わせ、NEC Wayとの重なりや共感を確認していく活動を推進しています。このNEC Wayを起点とした活動をとおし、自分らしい働き方や自身の役割の再認識、インパクトのある年間目標の設定など、日常の業務での実践につなげています。

毎年、当社の創立記念日である7月17日(祝日にあたるときはその前後日)に「NEC Way Day」と銘打ったイベントを開催しています。「NEC Way」を私たち一人ひとりがあらためて考え、その実践をとおしてNECグループ一体で創造していく社会価値や向かうべき未来について、議論と理解を深める機会になっています。

NEC Wayのロゴ

Purpose

NECのPurpose。Orchestrating a brighter world。NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します。

NECグループの存在意義は、人が生きる、豊かに生きることを念頭に置いて、さまざまなステークホルダーと共創しながら、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造することにあります。そして、一人ひとりが持てる能力を十分に発揮できる社会、気候変動などのグローバルな環境課題をも乗り越えられる持続可能な社会の実現を目指します。

この考え方はSDGsが目指す「誰一人取り残さない」と方向性を同じくしています。また、ICTにはさまざまな課題に対応できるポテンシャルがあることから、生体認証、AI(人工知能)、5GといったNECが持つ先端技術を活かしたNECのR&D力、実装力を強みに、お客さまをはじめとする多様なステークホルダーと対話・共創することで、SDGsのすべての目標に少なからず貢献できると考えています。

Principles

NECグループは以下の3つの原則で行動します。

  • 創業の精神「ベタープロダクツ・ベターサービス」
    NECグループは、ある時点のベストでとどまることなく、お客さまや社会にとってより良い製品・サービスをいつまでも追求し続けます。
  • 常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重
    NECグループは社会価値創造型企業として、社会から信頼される存在であり続けるため、組織全体として常にゆるぎないインテグリティの精神(高い倫理観と誠実さ)を持ち、人権を尊重することを決意します。
  • あくなきイノベーションの追求
    NECグループの行動の原動力はイノベーションの追求にあります。ここでいうイノベーションは、技術開発にとどまりません。さまざまなステークホルダーのみなさまと共創しながら、昨日より今日、今日より明日、社会も会社も良くなることを追求していきます。

Code of ValuesとCode of Conduct

社会価値創造に向け、役員から従業員に至るまで、一人ひとりがとるべき能動的・自発的なふるまいをCode of Valuesで規定しています。

加えて、Principlesでも謳っているインテグリティの具体的な指針が「NECグループ行動規範」(Code of Conduct)です。このどちらが欠けても、Purposeを全うすることはできません。

サステナビリティ経営基本方針

NECは、NEC Wayに基づき、以下の基本方針でサステナビリティ経営を推進しています。

事業をとおした社会課題解決への貢献

NECは、Purposeで、事業活動をとおして安全・安心・公平・効率という社会価値を創造することを謳っています。持続可能な開発目標(SDGs)が掲げる「誰一人取り残さない」と、Purposeで謳う「誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指す」は方向性を同じくしています。

また、Purposeを具現化するために、NECの進む道筋や事業の方向性を可視化したものがNEC 2030VISIONです。NECではこのNEC 2030VISIONを、自社の財務パフォーマンスを向上させるだけでなく、正の社会・環境インパクトをもたらすことのできる事業運営、事業創出に活用していきます。

NEC 2030VISION ページへのリンク

リスク管理・コンプライアンスの徹底

Principlesの「常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重」の実践に向け、従業員のみならず、お客さまや社会への影響にも配慮したリスク管理とコンプライアンスの徹底を最優先に取り組むことを事業活動の大前提にしています。また、「NECグループ行動規範」(Code of Conduct)の冒頭で、高い倫理観に基づいた誠実な行動をとることを求めています。

「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野における10原則をふまえた企業活動を求める「国連グローバル・コンパクト」に2005年に署名し、定期的に自己評価していることもこの取り組みの一環です。

ステークホルダー・コミュニケーションの推進

さまざまなステークホルダーとの対話・共創は、お客さまや社会の本質的な課題や私たちへの期待を知り、信頼関係を築くための重要なプロセスです。Purposeに掲げる「Orchestrating a brighter world」の“Orchestrating”には、こうしたステークホルダーとの対話・共創を進めていくという思いを込めています。またこれは、SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」にも通じるものです。

サステナビリティ経営推進体制

NECのサステナビリティ経営は、経営企画、IR、人事、総務、人材開発、コンプライアンス推進、経営システム、環境、CS、品質、調達、コミュニケーションといったコーポレート部門や、研究所、ビジネスユニットおよび国内外のグループ会社と密接に連携しながら推進しています(下図参照)。さらに、お取引先と連携した取り組みも進めています。

不確実性の高い時代において、ESGへの取り組みがより一層企業の将来財務に影響を与える要因となり、サステナブルな社会への具体的なコミットを企業に求める動きがグローバルで加速していることなどを受け、2021年4月にNECのサステナビリティ推進の専門組織として、サステナビリティ推進本部(現 サステナビリティ推進部)を新設しました。また同年、CFO(チーフフィナンシャルオフィサー)およびサステナビリティ推進に携わる担当役員に対して、サステナビリティに関する社外有識者から諮問していただくサステナビリティ・アドバイザリ・コミッティを新設しました。

サステナビリティ経営推進のための重要事項は、経営会議、事業戦略会議、リスク・コンプライアンス委員会などで随時役員および関連部門の責任者間で議論しています。また、討議もしくは承認された事項をサステナビリティ推進役員が取締役会において定期的に報告し、取締役会がそれを監督しています。なお、社内取締役の役割定義書に、NEC Wayの実践をベースとした全社の組織開発・人材開発、ESG視点の経営優先テーマ「マテリアリティ」を明記するとともに、役員の業績評価KPIにも織り込み、取り組みを推進しています。

NECサステナビリティ経営推進体制の図zoom拡大する
NECサステナビリティ経営推進体制
  • *1
    CHRO(チーフヒューマンリソーシズオフィサー)
  • *2
    CLCO(チーフリーガル&コンプライアンスオフィサー)
  • *3
    CFO(チーフフィナンシャルオフィサー)
  • *4
    CSCO(チーフサプライチェーンオフィサー)