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“環境貢献事業の創出”に向けて、今NECが取り組むべきことは何か(環境ダイアログ)

Dialogue

近年、グローバルで「環境」をキーワードにした政策や投資が急激に増加する中で、環境貢献事業の創出に向けて、NECが今取り組むべきことは何か、有識者のみなさまと意見交換を行いました。
サプライチェーンを含めたリスク管理強化の重要性や、成長の鍵となる、未来を先取りしたグローバルでのビジネス展開と情報開示、社会資本や自然資本を維持・増幅させるサステナブルな視点を事業に取り入れることなど、今後の活動に向けて多くのアドバイスをいただきました。

「Future is Now! NECは動きます!」

  • 本ダイアログは、オンラインで実施しました。

今後の主流は“サプライチェーンを含むリスク管理”

清水 NECは2050年のCO2排出量ゼロに向け、新たに2030年の中間目標を設定した。この中には、NECグループだけでなく、サプライヤーを含めた排出量の削減活動を盛り込んでいる。

野村アセットマネジメント(株)
責任投資調査部長
今村 敏之氏

今村氏 最新の動向として、欧州ではデュー・ディリジェンス義務化法案の検討が進められている。バリューチェーン全体でESGへの対応が求められる。ビジネスでの取り組みと情報開示が重要であり、かつバリューチェーン全体でのESGリスクをモニタリングすべきである。
NECの気候変動課題におけるサプライチェーンの取り組みが、まさにこれに当てはまる。バリューチェーン全体を把握して、管理することが必要である。サプライヤーの状況把握などデュー・ディリジェンスの活動にはコストがかかるが、投資を行い、リスク管理と状況把握を通じたサプライヤーとの強固な関係構築が求められる。

喜多川氏 例えば、「EU電池指令」においては、バッテリーのサプライチェーンにおいて、素材やCO2排出量などの情報を上流から下流へ適切に伝達することが求められている。これまでサプライチェーン上で上流が優位だった「情報の非対称性」が本法令で改善されるだろう。このような法令対応の分野に、NECが得意とするデジタル技術が貢献できるのではないか。

清水 サプライチェーンでは、現状の取り組みだけでなく、もう一歩踏み込んだ対応が必要であると認識している。
サプライチェーンのCO2排出量の見える化など、我々が苦労して学んでいることを、今後多くの産業のお客さまへも提供できる価値につなげることを目指したい。

グローバルでビジネスチャンスをつかむ

公益財団法人日本生産性本部
エコ・マネジメント・センター長
喜多川 和典氏

喜多川氏 今後のトレンドは、「脱炭素+脱物質化」である。この分野は融合し、車の両輪のように不可欠となっていくだろう。
サーキュラーエコノミー(以下、CE)は包括的な考え方であり、商品・サービスの使用や機能を最適化して管理する、“機能経済(ファンクショナルエコノミー)”が主となる。これまでのビジネスは「物売り」。これからは、省資源・省エネルギーで可能な限り長期にわたって高い使用価値を生み出す「機能売り」である。この考え方は、社会や経済における予防や保全、情報管理などを全部合わせて、デジタルを利用していくことになる。NECにとっては、さまざまなビジネスチャンスがやってくる。
一方、グローバルのトレンドと日本の現状には乖離がある。企業側はグローバルで現状を認識し、取り組む必要がある。

今村氏 すでに表明されている欧州や米国の環境に関する政策投資額は日本とは桁違いであり、海外のサプライヤーとの強固な関係構築がビジネスチャンス獲得に活きてくる。気候変動に関する欧州のグリーンディール政策では、企業側に具体的なアクションが求められており、活動の見える化が必要。早急にまとめあげ、情報を発信することで、スピード感を持って対応していると投資家から評価を得られるだろう。

NEC 執行役員常務 兼 CFO
藤川 修

藤川 NECも欧米で投資が進むCEをビジネスチャンスととらえ、ここ数年、事業探索を進めているが、日本の市場は反応が鈍い。Regulation(規制)づくりへの関与を含め、これまでNECが取り組んでこなかったことへアクションを起こしていきたい。

サステナブルな事業創出は市民感覚から生まれる

NPO法人NELIS
代表理事
ピーター D. ピーダーセン氏

ピーダーセン氏 近年のサステナビリティの動きについて、2020年代最大のキーワードは「Regeneration&Restoration(再生・修復・創生)」。このキーワードは、国際的な枠組みや政策、企業戦略においてたびたび登場する。サステナブル・カンパニーの今後の実践モデルとしては、「社会資本や自然資本を維持・増幅させる製品・サービス」や「人とコミュニティのケアや尊重」を主眼に置くだろう。NECの成長事業においては、これからサステナビリティの視点が必要となるだけでなく、競争力向上のために必要である。

藤川 事業構想の際にこの考え方を入れ、サステナブルな視点で事業をとらえているか、見える化とフォローが必要である。市場から共感を呼ぶ発信の仕方にも工夫したい。

喜多川氏 先行している欧州では、SDGsは企業感覚よりも、市民感覚で訴えるものに使われ、その先にビジネスがある。対市民へ訴求できるビジネスやサービスの創出がサステナビリティである。

今村氏 グリーンディールのような、バックキャストをベースとしたプランがすでに進んでいる。これらは一見すると短期対応に見られがちだが、投資家は、バックキャストをベースとした対応であることを理解している。先行している欧州の動きに対し、NECの具体的な計画や、保有する技術をどのように活かすのかを考え、情報発信と具体的なアクションをリンクさせていくことが重要である。

ピーダーセン氏 Future is Now. 2030年や2050年を見据えて、世界はすでに動き始めている。その変化をとらえ、例えばNECが得意とするDX(デジタルトランスフォーメーション)を使って、SX(サステナビリティトランスフォーメーション) を行うような戦略を組み込むことも重要である。

NEC 執行役員 兼 CSCO 兼
サステナビリティ推進本部長
清水 茂樹

清水 環境に関する社外評価は年々向上しているが、社会やステークホルダーの期待値がもっと高いところにあることを今回あらためて認識した。まずは、我々、経営層がしっかり理解して、取り組んでいきたい。