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グローバル5G 「NEC、いけるじゃないか」の手ごたえを

NEC執行役員 帯刀繭子

NECのグローバル5G戦略事業部門の執行役員に、2022年4月1日、帯刀繭子(たてわき まゆこ)が就任しました。NEC 2030VISONでめざす「自由で平等な通信サービス」の中核となるグローバル5G。帯刀執行役員に、これまでのキャリアと、これからの挑戦について尋ねました。
インタビュー後半では、ダイバーシティと女性活躍についても聞いています。

「NECの装置は壊れたことがないんだ」東ヨーロッパでの原点

――海外営業がキャリアの大部分を占めています。グローバルビジネスで得たものは何ですか。

世界で訪問した国は、およそ40か国にのぼります。1990年代には旧ソ連から独立した東ヨーロッパで営業していました。事業が民営化されたばかりで、活気に満ちていた時代。電話やテレビなど、通信網のすべてをNECが担った国もありました。
印象深い思い出があります。ポーランドのワルシャワ中心部にある電波塔にNECがかつて納めた装置があるときいて、訪ねた時のことです。
少し警戒しながら出てきたベテランの管理人さんの表情が、NECと名乗ると一変。満面の笑みでこう言いました。
「ここで働いて20年。3つの国がそれぞれつくった装置の番をしているが、NECの装置だけは一回も壊れたことがないんだ!」
私たちは世界に安定した通信技術を届けることができる。この仕事をやっていてよかった。その誇りを胸に、今もやっています。

――通信サービスは今も進化しています。

情勢が不安定な国からの発信も、リアルタイムで受けられるようになっています。報道が規制されても、個人の発信で情報は世界をめぐります。人と人がつながるのを止めることはできない。こうした基盤づくりを私たちが手伝うことの重要性を、最近より強く感じるようになりました。

Open RAN市場拡大へ スピードと実績をもって

――グローバル5Gの成長市場として、さまざまな基地局製品をオープンに組み合わせられるOpen RANが注目されています。NECの強みは何ですか。

NECの最大の強みは、100か国以上にリーチしてきた実績です。海外通信事業では50年近くの歴史があります。新興企業はこのネットワークをまだ持っていません。
さらに、自社の製品を売るだけではなく、他社製品も組み込んだネットワークの全体設計ができるなど、付帯サービスの部分でも協力して価値を提供できます。マルチベンダー環境でも動くことを保証できるのです。アライアンスの実績も私たちの価値の一つです。
一方で、通信は品質と安定性重視なので、お客様である通信事業者は新しい技術の採用に慎重です。技術力を先方の技術者だけに理解してもらっても、交渉は進みません。NECと組めば、お客様の暮らしがどう良くなり、どんな未来が描けるのか。ストーリーに共感してもらうことがカギになります。

――昨年はボーダフォン、テレフォニカなどのグローバル通信事業者で5G基地局装置の採用が決まり、海外展開も進みました。

Open RAN市場でトップポジションを目指すための準備段階の年でした。今は一部試験的な規模での採用もありますが、今後は大規模な商用ベースでの採用を目指します。そのためには、確実にデリバリーするという実績を積まなければいけません。「NEC、いけるじゃないか」という評価を世界から得ることが、次のステップにつながります。

――2025中期経営計画(中計)で、2030年にOpen RAN市場でグローバルシェア20%を獲得することをめざしています。この目標にどうアプローチしますか。

現時点で携帯電話の基地局市場は海外3社だけで約8割のシェアを握っており、NECのシェアはマイノリティ。2030年のOpen RAN市場シェア20%は高い目標です。
この目標に向かうには二つのポイントがあります。一つは市場をつくること。Open RAN市場は今後大きく伸びていきます。今ある市場の陣取り合戦をするのではなく、新しいお客様を獲得し、市場を広げます。
もう一つは、スピードです。Open RAN市場においては、NECはある程度は先行しています。先行者利益があるうちに、どれだけのスピードで陣地を広げられるか。
そのためには体制の強化、技術獲得、パートナーの増加、新技術開発、M&Aなど様々な戦略があります。今は目標から逆算してマイルストーンを設定しています。

執行役員就任 「この日を待っていた」先輩からのメール

――2025中計では「人・カルチャーの変革」も重点テーマになっています。NECの生え抜きの女性としては初の執行役員です。反響はありましたか。

私自身、女性ということをほぼ意識せずに仕事をしてきたんです。若いころは、「女性だからゲタをはかされたのかな」と昇進をポジティブに受け止められないこともありました。
でも今回の執行役員就任で、社内外から200通以上のメールをいただき、あらゆる世代の方から祝福の声が届きました。3分の1は女性で、先輩からも多く寄せられました。「この日を待っていた」と。
驚くと同時に、感謝の気持ちでいっぱいになりました。先輩たちが壁を乗り越えてくれた、その努力の積み重ねの上に生かされていることを、実感しました。

――グローバルでビジネスを経験してきたなかで、ダイバーシティについてはどう考えますか。

多国籍チームの方が交渉はうまくいくと思っています。もっといえば、国籍だけでなく、人種やジェンダーなど多様性を持ったチームの方がよい、ということです。チームの中に多様性があれば、暗黙の了解なんてなく、あさっての方向からポン、と意見が出てくる。ちゃぶ台返しもあります。それが思いもよらないアイデアのもとになり、推進力になります。

座右の銘、というほどではありませんが、“Connect the Dots”という言葉が好きです。直訳すると点と点をつなぐ、という意味ですが、私はこうとらえています。多様性のあるメンバーをつないで、アイデアを生み出し、人々をつないでいく――。
そして、私たちのグローバル5Gで、世界をつなぐ。挑戦を続けていきます。

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