2010年度活動報告書
1/4
■NPO法人アサザ基金・代表理事・飯島さん思いがけず、私たちは谷津田の大切さを思い知ることになりました。今回の震災によって、各地の農業用水路が破損し田植えの水の給水が困難な状況にあります。そのような状況の中でも、森からの湧水が確保されている谷津田では稲作準備が確実に進んでいます。昔の人々が谷津田を基盤に村づくりを行なってきた理由が本当によく理解できます。多くの人々が持続可能な社会について真剣に考え始めた今だからこそ、御社とアサザ基金が協働で進めている谷津田再生プロジェクトの意義を社会に広く伝えていきたいと思います。 ■白菊酒造・廣瀬専務今年も7年目の活動が無事終了し「愛酊で笑呼」の新酒ができあがりました。去年の夏の猛暑で「日本晴」が思うように育たず、造り始めは不安でしたが、例年にない厳しい冷え込みで寒造りができ、酒質も純米らしく濃厚でコクがあり、ほどよい酸味のある香味のバランスがしっかりしている酒。と高い評価を受けました。NECの方々やそれに関わる多くの人々に「愛酊で笑呼」が愛され続けるお酒でいられるように、これからも努力を惜しまず一生懸命「愛酊で笑呼」を醸し続けたいと思っています。■地元支援者・矢野さん2010年度は猛暑と水不足、カメムシ大発生に悩まされました。それでも達人コースのみなさまのご助力もあって、やや収量が少ないものの実りを迎えることができました。地域でも米が品質低下した中で、農薬や化学肥料を使わずに2等米の評価に踏みとどまったのは嬉しいことでした。厳しい環境でも耐えた稲は力強く、たくさんの生きものたちも稲を育ててくれています。3月の震災では石岡でも大きな被害が生じましたが、田んぼは無事でした。地域も日常を取り戻しており、新年度の米作りが始められることに感謝します。メッセージ■ 7年目の活動概要とこれからの期待■ 活動の主旨と目的■ NECとアサザ基金の協働について「細くても息長く、地に脚の付いた着実な活動」を目指して開始した2010年度の活動でした。お陰様で、田植え体験からの主行事及び達人コース、ボランティアを含め970名(7年間の累計:7,750名)の方々の積極的にご参加いただき、充実した活動を実行でき、収穫した990kgのお米で新酒”愛酊で笑呼”(IT、で、エコ)2010版が720ml:1400本分もできあがりました。また、新たに牛久市上太田地区の谷津田再生にも着手し、再生前後の生態系の変化をしっかり確認するために2010年度は生物調査に注力しました。3月の東日本大震災はNEC田んぼ周辺地域にも被害を及ぼし、最後の新酒蔵出しを実施できませんでした。震災後も影響は残っており2011年度の活動が再興の障害になり、地域の皆さんの気持ちを損なうのではないかと危惧しておりました。しかし、地元からは「NECがくると活気づく」といった声もあり、却って勇気づけられました。2011年度は、震災後の地元を元気づけ、同時にNECグループ自体も元気になる、そんな活動にしていきたいと思います。ご家族やお友達と一緒にNECグループ全従業員の皆さんのご理解と継続的なご参加をお願いいたします。すべての始まりは2003年4月のNPO法人・アサザ基金さんとの出逢いからです。この協働において、最も大切にしているのは「イーブンパートナー」の関係です。両社が独自にもっている専門分野のスキルやノウハウを、活かし合いながら新しい価値を創り出していこうと考えています。また、「100年後にトキの野生再生を」という目標を共有していることも大きな要素です。荒廃していた2003年当時からは想像もできないくらい、今の「NEC田んぼ」は自然のいのち豊かなところに生まれ変わっています。これは、明確な目標と素晴らしい出逢いとの賜だと確信しています。NECグループは環境と調和した持続可能な事業体への変革を目指して、その基盤作りのために全従業員の環境意識向上を図っています。NPO法人アサザ基金殿との協業:「NEC田んぼ作りプロジェクト」は、稲作からお酒作りまでの一年を通した自然体験プログラムを提供すると共に、NECの製品や技術を活用した「ネットワークセンサー」をキー・コンポーネントとする生態系観測や生物多様性保全に対応した「環境モニタリングシステム」開発も意図したプロジェクトです。本PJ活動の中で参加者の皆さんが直接自然に触れ、その素晴らしさを感じ、収穫の悦びを分かち合うことによって「モノ作り」の原点を実感していただきます。そして、その実感が持続可能な社会創りに向けたNECグループ環境経営の推進力強化につながっていくことを目的にしています。NEC 環境推進部 「NEC田んぼ作りプロジェクト」事務局 2010年4月~2011年3月今年度の活動内容NEC田んぼ作りプロジェクトwith アサザ基金2010年度活動報告書
元のページ