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CLUSTERPRO X 5.1のご紹介~Cluster WebUIでAWS CLIのコマンドラインオプション・環境変数を設定する~

CLUSTERPRO オフィシャルブログ ~クラブロ~

はじめに

CLUSTERPRO X 5.1では、クラウド利用における機能拡充や構築・運用の容易化、セキュリティ強化、新OS・プラットフォームへの対応など多くの機能強化を行っています。その一つとしてAWS関連についてもCluster WebUIの機能強化が行われています。

本記事では、Cluster WebUIのAWS関連機能強化の内容についてご紹介します。

この記事の内容

1. Cluster WebUIのAWS関連機能強化

CLUSTERPROのAWS関連機能は内部でAWS CLIを実行しており、CLUSTERPRO X 5.0までは以下のような特定のケースにおいて環境変数設定ファイルを編集する必要がありました。

  • インターネットアクセス時にProxyサーバーを経由する。
  • AWS CLIの動作に関する細かなチューニングを行う。
  • その他、環境やシステム要件に対応するために設定変更する。
CLUSTERPRO X 5.1で追加されたAWS関連の機能強化では、このようなケースに対してCluster WebUIからのAWS CLIのコマンドラインおよび環境変数の設定を可能にしています。この2つの設定は、いずれもCluster WebUIの「クラスタのプロパティ」にある「クラウド」タブで設定可能です。「クラウド」タブには次の項目が追加されています。

  • [コマンドラインオプション]
    ー[AWS CLIコマンドラインオプション]
  • [環境変数]
    ー[AWS関連機能実行時の環境変数]

「クラスタのプロパティ」についての詳細は以下を参照ください。

【参考】
  • CLUSTERPRO X 5.1 > Windows > リファレンスガイド
    → 第2章 パラメータの詳細
     → 2.2 クラスタプロパティ
      → 2.2.18 クラウドタブ

  • CLUSTERPRO X 5.1 > Linux > リファレンスガイド
    → 第2章 パラメータの詳細
     → 2.2 クラスタプロパティ
      → 2.2.19 クラウドタブ

1.1 AWS CLIコマンドラインオプション

AWS関連機能が内部で実行しているAWS CLIについて、個別にコマンドラインオプションを設定可能です。特定のAWS CLIコマンドについてパラメータを設定したい場合に使用します。

例として、ネットワーク上の理由によりAWS CLI(aws ec2)コマンド実行時にエンドポイントに対する通信タイムアウトエラーが間欠的に発生しているケースを考えます。このケースではタイムアウト時間を少し長くするためにAWS CLIの--cli-connect-timeoutまたは--cli-read-timeoutオプションを指定することで改善されることが期待できます。

AWS CLI(aws ec2)のコマンドラインオプションとして"--cli-connect-timeout 120"をCluster WebUIで設定する手順は次の通りです。

  • 1.
    Cluster WebUIの設定モードから「クラスタのプロパティ」を開きます。
  • 2.
    「クラウド」タブをクリックします。
  • 3.
    [コマンドラインオプション]の下にある[AWS CLI コマンドラインオプション]の「設定」ボタンをクリックします。
  • 4.
    [aws ec2]の項目に"--cli-connect-timeout 120"を入力します。

AWS CLIコマンドラインオプションに表示されるAWSのサービス名とAWS関連機能の関係は次のとおりです。

■ aws cloudwatch
・Amazon CloudWatch 連携

■ aws ec2
・AWS Elastic IP リソース
・AWS 仮想 IP リソース
・AWS セカンダリ IP リソース
・AWS Elastic IP 監視リソース(Windows) / AWS Elastic IP モニタリソース(Linux)
・AWS 仮想 IP 監視リソース(Windows) / AWS 仮想 IP モニタリソース(Linux)
・AWS セカンダリ IP 監視リソース(Windows) / AWS セカンダリ IP モニタリソース(Linux)
・AWS AZ 監視リソース(Windows) / AWS AZ モニタリソース(Linux)
・AWS 強制停止リソース
・Cluster WebUI によるクラウド環境情報の取得

■ aws route53
・AWS DNS リソース
・AWS DNS 監視リソース(Windows) / AWS DNS モニタリソース(Linux)

■ aws sns
・Amazon SNS 連携

AWS CLIコマンドラインオプション設定の詳細については、以下を参照ください。

【参考】
  • CLUSTERPRO X 5.1 > Windows > スタートアップガイド
    → 第6章 注意制限事項
     → 6.3 CLUSTERPRO の構成情報作成時
      → 6.3.11 AWS CLI コマンドラインオプション

  • CLUSTERPRO X 5.1 > Linux > スタートアップガイド
    → 第6章 注意制限事項
     → 6.4 CLUSTERPRO の情報作成時
      → 6.4.19 AWS CLI コマンドラインオプション

1.2 AWS関連機能実行時の環境変数

AWS関連機能が内部でAWS CLIを実行する時の環境変数を設定可能です。コマンドラインオプション設定と異なり、すべてのAWS関連機能に共通する設定となります。

例として、Proxyサーバーを環境変数で指定するケースを考えます。HAクラスター用EC2インスタンスをPrivateネットワークに配置している時は通常NATを使用しますが、環境によってはNATではなくProxyサーバーを使用したい場合もあります。このケースに対応するために、Proxyサーバーを経由するようにAWS CLIの環境変数を設定します。環境変数をCluster WebUIで設定する手順は次の通りです。

  • 1.
    Cluster WebUIの設定モードから「クラスタのプロパティ」を開きます。
  • 2.
    「クラウド」タブをクリックします。
  • 3.
    [環境変数]の下にある[AWS関連機能実行時の環境変数]の「設定」ボタンをクリックします。
  • 4.
    「追加」ボタンをクリックし、必要な環境変数としてHTTP_PROXY、HTTPS_PROXY、NO_PROXYを追加します。

AWS CLI関連機能実行時の環境変数

注意:
  • 「AWS関連機能実行時の環境変数」と環境変数設定ファイルの両機能を併用することはできません。
  • 環境変数設定ファイルは旧バージョンとの互換性維持のための機能です。CLUSTERPRO X 5.1における環境変数の新規設定には「AWS関連機能実行時の環境変数」の使用を推奨します。

環境変数が影響するAWS関連機能は次の通りです。

・AWS Elastic IP リソース
・AWS 仮想 IP リソース
・AWS セカンダリ IP リソース
・AWS DNS リソース
・AWS Elastic IP 監視リソース(Windows) / AWS Elastic IP モニタリソース(Linux)
・AWS 仮想 IP 監視リソース(Windows) / AWS 仮想 IP モニタリソース(Linux)
・AWS セカンダリ IP 監視リソース(Windows) / AWS セカンダリ IP モニタリソース(Linux)
・AWS AZ 監視リソース(Windows) / AWS AZ モニタリソース(Linux)
・AWS DNS 監視リソース(Windows) / AWS DNS モニタリソース(Linux)
・AWS 強制停止リソース
・Amazon SNS 連携
・Amazon CloudWatch 連携
・Cluster WebUI によるクラウド環境情報の取得

AWS関連機能実行時の環境変数設定の詳細については、以下を参照ください。

【参考】
  • CLUSTERPRO X 5.1 > Windows > スタートアップガイド
    → 第6章 注意制限事項
     → 6.3 CLUSTERPRO の構成情報作成時
      → 6.3.12 AWS 関連機能実行時の環境変数

  • CLUSTERPRO X 5.1 > Linux > スタートアップガイド
    → 第6章 注意制限事項
     → 6.4 CLUSTERPRO の情報作成時
      → 6.4.20 AWS 関連機能実行時の環境変数

なお、CLUSTERPRO X 5.0までの環境で環境変数を設定する場合は環境変数設定ファイルを編集する必要があります。編集方法の詳細は過去記事のpopupAWS上でProxyサーバーを利用したHAクラスターを構築してみました(Windows/Linux)を参照ください。

まとめ

今回は、Cluster WebUIを使用したAWS関連機能実行時のコマンドラインオプションや環境変数の設定方法についてご紹介しました。CLUSTERPRO X 5.0までと比較してより設定が容易になっていますので、設定が必要となった時にご活用ください。

CLUSTERPRO XのホームページからCLUSTERPRO X 5.1のフル機能が使えるpopup試用版の利用申し込みができますので、利用検討中の方は是非お試しください。

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