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Oracle Cloud Infrastructureのマルチアタッチ機能を利用したHAクラスターを構築してみました(Windows/Linux)

CLUSTERPRO オフィシャルブログ ~クラブロ~

はじめに

Oracle Cloud Infrastructure (以降、OCI)で、CLUSTERPROを使用したHAクラスターの構築を試してみました。

CLUSTERPROはクラウド環境で提供されるインスタンス(OCIではコンピュート・インスタンス)の冗長化を実現できます。
CLUSTERPROのクラウド環境における動作実績一覧は popupこちらを参照ください。

また、OCIのBlock Volumeにて、複数のコンピュート・インスタンスにアタッチできるMulti-Attach(マルチアタッチ)機能が公開され、CLUSTERPRO Xによる共有ディスク型のHAクラスターを構築できるようになりました。
今回はBlock Volumeのマルチアタッチ機能を利用した、共有ディスク型のHAクラスターを構築してみます。

この記事の内容

1. OCI上におけるHAクラスター環境構築

CLUSTERPRO X の新バージョンである、CLUSTERPRO X 4.2 ではOCIに対応した専用リソースとして、Oracle Cloud仮想IPリソース(以降、ocvip)が追加され、OCI上でのHAクラスター構築が容易に行えるようになりました。
ocvipを使用することで、フェールオーバーまたはグループの移動が発生しても、クライアントはインスタンスの切り替えを意識することなく、業務を継続することが可能となります。

その他のCLUSTERPRO X 4.2における機能強化ポイントについては popupこちらを参照ください。

2. Block Volumeのマルチアタッチ機能とは

Block Volumeのマルチアタッチ機能により、インスタンス間でBlock Volumeを共有できます。

これまでは、共有ディスクのように複数のコンピュート・インスタンスに接続されたディスクとして扱うことが出来ませんでした。
しかし、これからはBlock Volumeのマルチアタッチ機能により、Block Volumeを共有ディスクのように扱うことが可能となります。
CLUSTERPRO Xによる共有ディスク型クラスターでは、ミラーディスク型クラスターのようにI/Oデータの同期に伴う書き込み性能の低下が発生しないため、I/O性能が重視される環境において選択肢の1つとなります。

このようなメリットが存在するBlock Volumeのマルチアタッチ機能ですが、Block Volume内のデータの一貫性を保つためにはアプリケーション側で書き込み順序を保つ必要があります。
もし書き込みの制御を行わず複数のコンピュート・インスタンスからデータの書き込みを行った場合、一見データは正常に書き込まれているように見えますが、実際にはファイルシステムを破壊している、といった状況が発生することが考えられます。
そのため、CLUSTERPRO Xのディスクリソース(共有ディスク制御用リソース)のようにデータを書き込めるインスタンスを制御する等の対策が必要となります。

3. 共有ディスク型のHAクラスター構成

今回は、東京リージョンの環境に「共有ディスク型のHAクラスター」を構築し、ディスクリソースによりマルチアタッチしたBlock Volumeを制御できることを確認しました。

本構成では、2ノード構成の共有ディスク型クラスターを構築し、共有ディスクの制御を行うディスクリソースによりマルチアタッチ機能を有効化したBlock Volumeのアクセスインスタンスの切り替えを行います。

構成は以下の通りです。

HAクラスターの構成

Block Volumeは両ノードからアタッチされた状態ですが、ディスクリソースの制御によりディスクリソースが起動しているノード(図の場合は現用系Server)のみでアクセス可能な状態となっています。
待機系ServerからはBlock Volumeの参照、書き込みができません。

現用系Serverに障害が発生した場合は、待機系Serverにおいてディスクリソースが起動され、待機系ServerからBlock Volumeの参照、書き込みが可能な状態となります。

業務アプリケーションへのアクセスにはOracle Cloud仮想IPリソース(ocvip)が制御する仮想IPアドレスを指定することで、どちらのノードで起動しているか意識する必要なくアクセスすることが可能です。

4. 共有ディスク型のHAクラスター構築手順

基本的にCLUSTERPRO Xのマニュアルに記載の共有ディスク型クラスターの構築手順と同様です。

詳細な手順は、HAクラスタ構築ガイドを参照ください。

【参考】
  • Windows > クラウド > Oracle Cloud Infrastructure > CLUSTERPRO X4.2 向け HAクラスタ構築ガイド
  • Linux > クラウド > Oracle Cloud Infrastructure > CLUSTERPRO X4.2 向け HAクラスタ構築ガイド

さいごに

今回は、OCIでBlock Volumeのマルチアタッチ機能を使用して、共有ディスク型のHAクラスターを構築してみました。
OCI上で、共有ディスク型のHAクラスターを構築したいご要望がある場合は、是非お試しください。

本記事の構成をご検討の際は、CLUSTERPROのpopup試用版を用いて検証した後、ご提案・構築ください。

お問い合わせ

本記事に関するお問い合わせは、popupお問い合わせ窓口までお問い合わせください。