株式会社タカラトミー様
グローバル展開を見据え基幹システムをクラウド化
事業継続性の向上、運用負荷の軽減で戦略領域に注力
業種 | 製造業 |
業務 | 物流,経営企画,営業・販売,共通業務 |
---|---|---|---|
製品 |
|
ソリューション・サービス | クラウド,サービス(アウトソーシング) |
事例の概要
課題背景
- グローバル事業の強化のため、基幹システムをはじめとするICTシステムをグローバルに統合していくことが求められていた
- 運用作業を効率化し、情報システム部門の人員をより戦略的な業務にシフトさせたいと考えた
- 基幹システムをオンプレミス環境に設置していたが、水害などによるシステム停止のリスクがあった
- 急激にシステム負荷が高まる年末などの繁忙期にあわせ、柔軟に拡張できるICT基盤が必要だった
成果
グローバル事業を加速するIT環境を構築
クラウドとハウジングを利用して、まず国内における販売・会計・物流といった基幹システムを統合。今後5年間で約20%の運用管理コストの削減を目指す。グローバル事業の強化に向けて、より戦略的な領域にリソースを割ける環境が整った
事業継続性を向上
安全・安心なNEC神奈川データセンターにシステムを設置したことで、水害など、万が一の災害時にも止まらない基幹システムを実現。事業継続性を向上できた
需要に応じて柔軟にリソースを増減可能
クラウドに移行したことで必要な時にリソースの増強が可能になった。クリスマスなどのある年末の繁忙期や、ヒット商品が出た際のシステム負荷の高まりにも迅速に対応できる導入ソリューション
お問い合わせ
本事例に関するお問い合わせはこちらから
関連資料ダウンロード
関連資料をダウンロードいただけます
事例の詳細
導入前の背景や課題
グローバル事業に相応しいITシステムを目指す
株式会社タカラトミー
執行役員 経営企画室長
兼 システム企画部長
兼 連結総務人事室長
沓澤(くつざわ) 浩也 氏
ともに大手玩具メーカーであるタカラとトミーの合併によって誕生したタカラトミー様。「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」といった定番商品のほか、近年は情報付加価値の高い玩具の提供に注力してきましたが、現在、さらなる成長を見据えて、グローバル事業の強化に取り組んでいます。
これまでもアジアを中心にグローバル事業を手掛けてきた同社ですが、さらに事業のグローバル化が進めば、それを支えるITシステムにも変革が求められます。
「当社の海外営業拠点は、アジア、北米、欧州などに広がっていますが、現在は各地域が個別にシステムを運用している状況です。運用管理やコストの観点からも、それらを統合し、より効率の良いシステムを構築していかなければなりません。各エリアのITマネージャーとコミュニケーションをとりながら、次世代システムの構築を検討しています」とタカラトミーの沓澤 浩也氏は語ります。
その最初の一歩として、同社は日本国内で運用しているシステムの全体最適化に着手しました。また、同時に視野に入れたのが事業継続性の向上です。同社のシステムが設置されている東京 葛飾区の青砥事業所は、海抜の低い地帯に位置しています。災害リスク回避の観点からも、早急な対策が必要だと考えていました。
選択のポイント
短期間でマイグレーションをやり遂げる高い技術力に期待
株式会社タカラトミー
経営企画室
システム企画部
課長
錦織 央行(ひさゆき) 氏
このような背景のもと、同社が掲げたのがクラウドの積極的な活用です。「事業継続性はもちろん、グローバル事業を支えるにふさわしいシステムを実現していくには、クラウドは欠かせないと判断しました。柔軟性や接続性といったシステム上の要件だけでなく、運用などに割く人員やコストは最小限に抑え、より戦略的な投資や業務にリソースを集中させる必要があるからです」と沓澤氏は言います。
このクラウドの活用を前提とするシステムの全体最適化プロジェクトのパートナーに選定されたのがNECです。
まず、「NEC Cloud IaaS」という信頼のできるクラウドサービスを提供していることが選定の決め手となりました。
NEC Cloud IaaSの提供拠点であるNEC神奈川データセンターは、立地や設備はもちろん、NECの技術を駆使して安全・安心を追求しています。「実際にデータセンターを見学しましたが、入退場時の厳しいチェックに非常に驚きました。これならシステムを預けて安心だと実感しました」と錦織氏は話します。
また、段階的にクラウドに移行できる提案も魅力的だったといいます。
今回の対象システムの中には、サーバ更改時期がまだ数年先のため、現段階ではクラウドには移行せず、既存サーバをそのまま使いたいというシステムもありました。それに対し、NEC神奈川データセンターであれば、NEC Cloud IaaSとハウジング環境の両方を備えており、更改まで猶予のあるサーバなどは、暫定的にハウジング環境に移行させ、その後、段階的にクラウドに移行するというアプローチも可能になります。
「しかも、両環境の間はLANで接続され、リアルタイムにデータ連携させることが可能。クラウドとハウジングが異なるデータセンターに分散していると、WAN経由でデータのやり取りを行わなければなりませんが、NECの提案なら安全かつ高速にデータ連携させることができます」と錦織氏は言います。
さらに、NECのインテグレーション力も採用を後押ししました。
今回、移行の対象とした主要なシステムにSAP ERPがありましたが、クラウドに移行するためにUNIXからWindows環境にマイグレーションしなければなりませんでした。「移行期間は6カ月しかなく、周辺システムとの連携環境も考慮しながら、短期間で確実に移行をやり遂げる技術力を求めました。この要件に応えてくれたのはNECだけでした」と錦織氏は話します。
導入後の成果
国内システムの全体最適化を終え、将来の礎となる第一歩を印す
予定通りの短期間で移行プロジェクトは完了し、NEC Cloud IaaSではSAPの販売管理、ハウジングサービスでは会計、物流などのシステムが稼働しています。「堅牢かつ安全性の高いNECのデータセンターに移行できたことで、事業継続性の観点でも安心感が高まりました」(沓澤氏)。
移行に当たっては、NECの提案を受けて、仮想環境におけるリソース割り当ての最適化、これまでシステムごとに個別に構築していたバックアップ環境の統合など、運用面やコスト面での効率化も追求しています。「短期間でのマイグレーションや周辺システムとの連携も含め、こうした提案を受けることができたのも、単にクラウドサービスを提供しているだけの事業者ではない、NECならではの強みだと感じました」と錦織氏は話します。これにより、同社は20%の運用管理コストの削減を達成できると考えています。
また、クラウドならではのリソース拡張の柔軟性も大きなメリットとなっています。
「玩具業界は、クリスマスなどのある年末の繁忙期に販売システムの負荷が増大します。また、商品がヒットし、システム負荷が急激に増大する場合もあります。従来、オンプレミス環境でシステムを運用していた時は、あらかじめ多めにリソースを準備したり、システムのレスポンス低下を受けて、急ぎリソース拡張の作業を人手で行ったりしていました。一方、現在は必要な時に、すぐにリソースを増強することが可能。実際、クラウド利用開始後の繁忙期には、レスポンスを低下させることなく運用することができました。NEC Cloud IaaSには、CPUの使用率が増大した際にアラートを上げる機能もありますから、対応が遅れる心配もありません」(錦織氏)。
このように同社は、NECのサービスを活用して国内システムの全体最適化を実現。グローバル事業を支えるシステムを実現するための大きな一歩を踏み出しました。今後は、ハウジングサービスを利用しているシステムについても段階的にNEC Cloud IaaSに移行させていく計画です。
「最適なシステムを実現していくために、まだまだ長い道のりが続きます。とはいえ、スピードをなにより重視するトップの要請に応えるべく、できるだけ早期にゴールへと到達しなければなりません。そのためにも、NECにはビジネスパートナーとしての継続的な支援を期待しています」と最後に沓澤氏は強調しました。
お客様プロフィール
株式会社タカラトミー
所在地 | 〒124-8511 東京都葛飾区立石7-9-10 |
|
---|---|---|
設立 | 1953年1月17日 | |
資本金 | 34億5953万円 | |
従業員数 | 連結2,086人 単体490人(2015年3月31日現在) | |
概要 | 「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」といった親子二世代、三世代に愛される多くの定番商品をはじめ、キャラクター、話題商品などを提供する総合玩具メーカー。アナログとデジタルを融合した新時代の玩具など、年齢、性別を問わず、世界中の人々が楽しめる商品開発を積極的に続けている。 | |
URL | http://www.takaratomy.co.jp/ |
この事例の製品・ソリューション
お問い合わせ
本事例に関するお問い合わせはこちらから
関連資料ダウンロード
関連資料をダウンロードいただけます
(2016年3月9日)
関連事例
