株式会社三井住友銀行様
膨大な「お客さまの声」を瞬時に分析・見える化
お客さまの期待を上回るCS向上活動を推進
業種 | 金融機関 |
業務 | 経営企画,マーケティング,その他業務 |
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製品 | その他 |
ソリューション・サービス | ビッグデータ |
事例の概要
課題背景
- お客さまの声は年間35,000件にもおよび、人手でその内容をタイムリーに把握することは難しかった
- お客さまのご意見・ご要望を分析する際、内容別に分類する作業に膨大な労力がかかっていた
成果
分析の効率化
膨大なお客さまの声を分析し、的確に要約・分類できるため、内容の把握が速やかに
分析の高度化による新たな知見獲得
ご意見・ご要望の時系列の推移や細かな課題まで把握できるため、価値あるサービス提供が可能に導入ソリューション
「お客さまの声分析ソリューション」の活用イメージ拡大する
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事例の詳細
導入前の背景や課題
年間35,000件におよぶ“お客さまの声”を人手でタイムリーに把握するのは限界に
株式会社三井住友銀行
品質管理部
副部長 斉藤 晃一郎 氏
日本を代表するメガバンクの一つとして、社会・経済の発展に大きく貢献する三井住友銀行様。“お客さま本位”を徹底すべく、本店・各支店が一丸となってサービス価値の向上に取り組んでいます。品質管理部が推進する顧客満足度(CS)向上活動もその一つです。
「全国の営業店やお客さま窓口の担当者は、日々寄せられるご意見・ご要望を『お客さまの声DB』というデータベースに入力し、品質管理部がそれを一つひとつチェック。その上で重要度の高いものや改善要望の多いものなどを抽出し、サービス改善に役立てています」と同行の斉藤 晃一郎氏は説明します。
株式会社三井住友銀行
品質管理部
CS品質向上グループ
部長代理補 渡邉 瑛子 氏
「お客さまの声DBのチェックでは、同じ内容のご意見・ご要望の増加を見逃さないようにするため、毎営業日、全件に目を通し全容を掴む必要があります。その際、件名だけでは内容が分からないこともあり、得たい情報にたどりつくまで中身を読み込んでいます」と同行の渡邉 瑛子氏は説明します。
寄せられるご意見・ご要望は、多い時で1日に約200件、年間35,000件にもなります。それを約10名のスタッフ全員が一通りチェックし、気になったご意見・ご要望があれば商品別などのテーマで区切って詳細に分析します。「日々、このチェック・分析を他の業務と並行して行っています。お客さまの声の分析は、当部の重要なミッションではありますが、かけられる時間には限界があります。そのため、もっと効率よく、お客さまの声を精査し、ご意見・ご要望をタイムリーに把握したいと考えていました」(渡邉氏)。
選択のポイント
膨大なテキストデータを分析し、高精度に要約・分類できる点を評価
株式会社三井住友銀行
システム統括部
情報活用推進室
室長代理補 土屋 勝也 氏
お客さまの声をよりタイムリーかつ的確に把握するには、どうすべきか――。そこで同行が採用したのが、NECの「お客さまの声分析ソリューション」です。
これはNECが独自開発したテキスト含意認識技術をベースに、膨大なテキストデータを分析して新たな価値を創出するソリューション。文中における単語の重要性、主語や述語など文の構造まで考慮した上で分析し、内容の要約と分類を行います。「お客さまの声が、どのような業務やサービスに対する申し出なのかを即座に把握できる上、人手で1件ずつ行っていた分類作業の効率化につながります」と斉藤氏は評価します。
NECの実績と信頼も導入を強く後押ししました。「既に当行では、本ソリューションのベースとなるテキスト含意認識技術を活用したNECの情報ガバナンス強化ソリューションを導入しており、分析精度の高さに不安はありませんでした。さらにNECは、コンサルからシステム構築、運用、改善までトータルにサポートしている点も魅力です」と同行の土屋 勝也氏は語ります。CS向上という終わりのないテーマだけに、今後も進化を重ね、長期にわたってサポートしてもらえると判断したことが重要なポイントとなりました。
こうしてパートナーに選定されたNECは、早速、上流工程からコンサルティングを実施。お客さまの声からビジネス課題をより広く把握したいという要望に対して、ゼロベースでその枠組みを三井住友銀行様と一緒になって考えていきました。その過程の中で、テキスト情報の要約と分類の仕組みを企画。今回のお客さまの声分析ソリューションの構築につながりました。
導入後の成果
さらなるCS向上のために分析の効率化・高度化を実現
同ソリューションの導入により、三井住友銀行様は様々なメリットを実感しています。その一つが「分析の効率化」です。以前は件名やキーワードをもとにお客さまの声を確認し分類する形でしたが、同じ件名やキーワードでも内容がまったく異なる場合もあります。例えば「ATM」というキーワードでは、操作性の改善を求める要望もあれば、手数料の引き下げを求める要望もあります。
「今では内容が的確に要約・分類されるので、求めているご意見・ご要望にすぐにたどり着けます。より多くのお客さまの声を把握できるようになりました」と渡邉氏は満足感を示します。
メリットのもう一つが「分析の高度化による新たな知見の獲得」です。一定期間内にどのようなご意見・ご要望がどれだけあるのか、あるいはご意見・ご要望の内容がどのように変化しているのかの時系列での推移を長期間遡って確認できるようになったことで、社内に提言すべきテーマの検討において、的確かつ迅速な情報の把握が容易になりました。例えば、窓口手続用の各種書類に関するご要望もその1つ。短期間では上位のご要望にはならないものの、長期間に遡って確認すれば一定件数あがっていることがわかり、早急に対応すべき事項だと判断できます。つまり、業務品質やサービス品質の改善に向けたPDCAサイクルを、より適切かつスピーディに回していくことができるのです。
「今後はSNSなどの外部データも活用し、より幅広いお客さまの声の収集・分析を図りたいですね」と話す土屋氏。さらに行内への情報発信にも積極的に取り組み、CS向上活動を強化していく考えです。
NEC担当者の声
コンサルからSIまでのトータルサポートで経営改革を支援
NEC ビッグデータ戦略本部
事業開発グループ
主任 土田 正明
「お客さまの声分析ソリューション」はNEC独自で世界No1(※)のテキスト含意認識技術をベースに、お客さまの“生の声”を解析し、新たな価値を創出します。ニーズに合わせて、WebやSNS、基幹系/勘定系システムなどと連携することも可能です。このように技術だけでなくNECの総合力を活かし、上流工程におけるコンサルティングから高度なSI作業までトータルにサポートできることが特長です。
行内に寄せられるお客さまの声をどう活用すればCS改善活動を的確・迅速に進められるのか――。ソリューションの提供にあたり、三井住友銀行様と議論、仮説立案、トライアルを行いました。この工程を妥協なく行ったことが「お客さまの声分析ソリューション」の完成度を高める上で大きな役割を果たしたと思います。NECとしても、多くの知見やノウハウを習得でき、大変感謝しています。
ビッグデータの期待が集まる中、お客さまの声を製品・サービスの改善につなげ、競争力強化を考える企業が増えていると思います。今後は、同ソリューションを軸に、多様なチャネルへの対応、新たな価値創出を支援するための分析機能の強化を行い、顧客企業の経営改革を支援していく考えです。
- ※2011年度に米国国立標準技術研究所(NIST)主催のTAC2011にて開催されたテキスト含意認識の評価タスク RTE-7(英語)において、メイン、サブの両タスクで第一位を獲得、2012年度に国立情報学研究所(NII)が主催のNTCIR-10にて開催されたテキスト含意認識の評価タスクNTCIR RITE-2 Exam Search(日本語)で第一位。
お客様プロフィール
株式会社三井住友銀行
本店 | 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 |
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設立 | 2001年4月 | |
資本金 | 1兆7709億円 | |
業務粗利益 | 1兆6343億円 | |
総資産 | 154兆7241億円 | |
預金額 | 91兆3377億円 | |
貸出金 | 68兆2743億円 | |
従業員 | 2万6416人 | |
事業概要 | 三井住友フィナンシャルグループの一員として預金業務、貸出業務、商品有価証券売買業務、外国為替業務など多様な金融サービスを展開する。 | |
URL | http://www.smbc.co.jp/ |
- ※お客様のご所属、プロフィール等の情報は、2015年7月1日取材当時のものです。
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(2015年7月1日)
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