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村田機械株式会社様


リアルタイムな物流を支える「自動倉庫システム」
IoTによる次の進化を見据えてSDNを採用
- 業種:
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- 製造・プロセス
- 業務:
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- 物流
- 製品:
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- ネットワーク/SDN
- ネットワーク/LAN/WAN
- その他
- ソリューション・サービス:
-
- SDN
- ネットワーク/企業ネットワーク
事例の概要
課題背景
- IoT活用によって自動倉庫システムのさらなる進化を目指したいが、映像などのトラフィックが急増しても、最も重要な搬送機器などの制御系通信に遅延などの影響を与えてはならない
- SDNのスキルを習得して、IoTやデータ活用を目指す顧客の要望に柔軟・迅速に応えられる総合的な体制を作りたい
成果
高度な可用性と耐障害性を実現
SDNは、GUIを通じてネットワーク構成や通信の状態を可視化して、迅速なトラブルの原因究明が可能。また、自動で障害箇所を迂回して通信を継続させることもでき、高い可用性と耐障害性を実現する
IoT活用のインフラとして大きな可能性
カメラやセンサなどのデバイスの通信は、最も重要な制御系通信とは論理的に分割することが可能。映像などのトラフィックが急増しても、他の通信に影響を与えないネットワークを実現できる
自社拠点でのチャレンジを通じてスキルを習得
ショールームも兼ねる自社の倉庫のLANをSDN化。様々なチャレンジを行って成果を実証し、顧客に提案していく。また、自社のメンバーにノウハウを蓄積することで、ネットワークインフラも含めて顧客が目指すIoTやデータ活用に応えられる体制作りを目指す
導入ソリューション

SDNを採用して、用途ごとに論理分割することで、映像トラフィックなどが急増しても制御系通信に影響を与えない構成を実現。IoT活用に向けた様々なチャレンジに取り組み、その成果を顧客に展開していく考えだ。
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事例の詳細
導入前の背景や課題

情報通信制御開発本部
技術部 システム開発グループ
グループリーダ 課長
谷本 好史 氏
ネットワークが高度化する物流のボトルネックに
ロジスティクス&オートメーション、半導体工場の搬送保管、搬送制御などのシステム、さらには工作機械、繊維機械、制御機械などの事業を通じて、工場や物流拠点の進化を支えている村田機械様。「急速に進展する技術動向をしっかりと追い、有効なものは検証を行いながら、自社の製品やソリューションに適用することで、高度化するお客様のニーズに応え続けています」と同社の谷本 好史氏は話します。
中でも「自動倉庫システム」は、30%近い国内シェアを誇る同社の主力製品の1つです。商品の保管、仕分け、ピッキング、荷揃えなど、一連の倉庫業務を自動化するとともに、カメラやセンサなどのデバイスを駆使して倉庫作業の効率化を支援します。
「『頼んだモノが翌日には届く』ことが当たり前になるほど、現在の物流はリアルタイム性を高めています。そのため、システムには自動化と共に、止まらない高度な可用性や耐障害性などが求められます。サプライチェーンやお客様のビジネスを止めてしまう出庫停止は、あってはならない事態です」と同社の丹羽 正樹氏は言います。
しかし、可用性や耐障害性の点で懸念となっていたのがネットワークです。
独自プロトコルを用いて通信していた時代とは異なり、現在の設備はIP化が進んでおり、自動倉庫システムは、LANによって接続されるようになっています。このLANのトラブルが、物流のボトルネックになるケースが散見されるようになっていたのです。
「LANケーブルを間違って挿してしまい、ループ障害が発生して、ネットワークが止まってしまったといったケースです。様々なモノをつなぐネットワークは、軽微な間違いも大きなトラブルに発展しやすいという特徴があります。トラブル全体に占めるネットワーク障害の割合がそれほど多くないことから経験も少なく、障害の原因切り分けや究明に時間がかかってしまうことがありました」と同社の浅野 邦彦氏は説明します。
選択のポイント
IoT活用のインフラとして大きな期待を寄せる
そこで、村田機械様が目を付けたのがNECのSDNソリューションです。
SDNは、GUIを通じてネットワーク構成や通信の状態を可視化できる上、障害発生時には自動で障害箇所を迂回して通信を継続させることができます。また、そもそもループ障害が発生しないなど、高い可用性と耐障害性を備えています。
加えて同社には、単に可用性と耐障害性の課題を解決するだけでなく、自動倉庫システムの次の進化を促すネットワーク技術を採用したいという強い思いがあったこともSDNを採用する理由となりました。
「具体的には、IoT活用のインフラとしての可能性です。お客様の声からも、カメラやセンサを駆使して、自動倉庫システムのさらなる自動化や効率化を進めてほしいというニーズの高まりを感じます。しかし、これら映像データやセンシングデータのトラフィックがどんなに急増しても、自動倉庫システムの大動脈である『制御通信』を遅延させたり、停止させたりすることは絶対に許されません。その点NECのSDNソリューションは、仮想ネットワーク(VTN:Virtual Tenant Network)によって、用途ごとにネットワークを論理的に独立させ、他の通信による影響を最小限に抑えられます。また、予期せぬ障害発生時も、最も重要な制御信号の通信を自動迂回させて通信を継続するなど、止まらないネットワークを実現できます」と谷本氏は強調します。
NECのSDNソリューションが、決して止めてはならない鉄道などの社会インフラや金融機関、そして、工場やプラントのインフラとして数多く採用されていることも高く評価。これまでの取引の中でNECに対して感じていたITベンダーとしての誠実さとこれらの実績が大きな信頼感につながったといいます。
導入後の成果

村田機械株式会社
L&A事業部/犬山事業所
技術部
課長
丹羽 正樹 氏

L&A事業部/犬山事業所
技術部
主任
浅野 邦彦 氏
自社の物流拠点で成果を検証。ノウハウを蓄積し顧客に提案していく
村田機械様は、今後、自動倉庫システムの最適なネットワークとしてSDNを組み合わせ、顧客に新しい提案を行っていきたいと考えています。そのための第一歩として、まず同社のショールームも兼ねる、新設の「ムラテック・グローバルパーツセンター」にSDNをインフラとする自動倉庫システムを構築しました。
「新しいパーツセンターは、私たちの事業の重要拠点であると同時に、お客様に最新技術や製品を展開する場でもあります。ここでSDNの特長を活かした様々なチャレンジを行い、成果を検証しながら、お客様にSDNの有効性をご理解いただきたいと考えています」と丹羽氏は言います。
例えば、30メートル上にある棚をカメラでモニタリングして、正確な棚の占有量や荷物の状況を見える化する、入庫時と出庫時の画像をAI(人工知能)で比較して誤配送を防ぐ、搬送機械の稼働状況を把握して予防保全に役立てるなど、様々なアイデアがすでに実装、あるいは検討されています。
「将来、どこまで機能が追加されていくかわかりませんが、SDNならネットワークを柔軟に変更・拡張していける。そのことも大きなメリットです」(丹羽氏)
さらに同社のメンバーが、このようなチャレンジを通じてSDNに関するスキルを習得することで、同社のビジネスが拡大することにも期待が高まっています。
「先に述べた通り、お客様も自動倉庫システムのさらなる自動化と効率化や、倉庫の稼働データの収集・分析など、IoTやビッグデータ活用に大いに関心を持っています。そのためにネットワークも一緒に設計、構築してほしいというご要望をいただくことも増えています。SDNに関するスキルを蓄積し、さらに我々のノウハウを付加して倉庫システムとしてより使いやすく進化させていくことで、倉庫の設備とネットワークに統合的に対応していける体制を整えたいと考えています」と浅野氏は言います。
もちろん、日々の運用を通して経験を積むことで、障害対応の面でも、より素早い原因究明と対処が可能になっていくでしょう。
「今回の一連のプロジェクトを通じて、改めてNECの技術力の高さを感じました。NECとの連携は、私たちの事業にとってとても重要な取り組みです。今後もSDNはもちろん、画像認識やAIなど、幅広い技術で私たちのビジネスの成長を支援していただきたいですね」と谷本氏は最後にNECへの信頼と期待を強調しました。
お客様プロフィール
村田機械株式会社


本社所在地 | 京都市伏見区竹田向代町136 |
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創業 | 昭和10年(1935年)7月 |
資本金 | 9億円 |
概要 | ロジスティクスシステム ・ FAシステム ・ クリーンFA ・ 工作機械 ・ シートメタル加工機 ・ 繊維機械 ・ 情報機器などの製造販売を行う。「私たちは、つねに新しい技術を創造し、お客様に喜ばれる製品の提供を通じて、社員ひとりひとりの幸せと豊かな社会の実現をめざします。」という理念を掲げ、研究・開発に積極的に取り組んでいる。 |
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(2018年6月5日)
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