株式会社川島織物セルコン様
SAPを活用した基幹システムの基盤にクラウドを採用
戦略的なIT活用に向けた環境整備とコスト25%削減を達成
業種 | 製造業 |
業務 | 生産管理,営業・販売 |
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製品 |
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ソリューション・サービス | クラウド,サービス(アウトソーシング) |
事例の概要
課題背景
- 属人的な作業や判断の介在を最小化し業務プロセスを標準化。ビジネスのスピードアップを目指した
- 従来システムのサーバが老朽化しており、保守契約の期限までに、新たな環境に移行する必要があった
- 従来システムでは、導入コストやハードウェアの運用負荷が肥大化しており、これらを削減する必要があった
成果
運用管理コストを25%削減
SAP ERPベースで構築された販売管理システムなどの基幹システムをNEC Cloud IaaSに移行。システム担当者はハードウェアの運用から解放され、将来に向けた戦略的なIT活用の企画などにリソースを割けるようになった上、クラウドサービスへの移行前に比べ25%の運用管理コストを削減できた
リソース調達のムダを解消し、拡張性も向上
従来は、ハードウェアリソースをあらかじめ余分に保有していた。現在は、必要に応じて柔軟に拡張できるため、リソース調達のムダを削減でき、ビジネスのニーズに合わせて迅速にシステムの構築やリソースの増強を行える
IT活用を支える発展性の高いIT環境を実現
BI(データ分析)、SFA(営業支援)など、今後、新システムを立ち上げる場合や、既存システムの移行が必要になった場合も、クラウドであれば容易に対応できる導入ソリューション
拡大する川島織物セルコンの販売管理システムおよびその周辺システムの概要
SAP ERPベースで構築された販売管理システム、同システムのフロントとなるオーダーカーテン受注システム、債券・債務システムなどの稼働を支えるクラウド基盤として「NEC Cloud IaaS」を採用。
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事例の詳細
導入前の背景や課題
業務プロセスの改革に伴いIT環境の見直しにも着手
株式会社川島織物セルコン
経営戦略部
情報システムグループ
上席主幹
廣田 吉紀 氏
170年以上にわたり受け継いできた「織物(ファブリック)」の技術を事業の核とする川島織物セルコン様。現在は、着物の帯や舞台の緞帳(どんちょう)、祭礼幕などを扱う「呉服・美術工芸織物事業」に加え、カーテン、カーペット、壁クロス、椅子張り生地などのインテリア商品を扱う「インテリア・室内装飾事業」を展開しています。
伝統的な技術を強みとしつつも、現在のビジネス環境における競争力を強化するため、同社は、業務プロセスの標準化や効率化に向けた様々な改革を進めています。「属人的な作業や判断の介在を最小化し、ビジネスのスピードアップやムダの削減を目指しています。ともすると、美術工芸のような分野は例外だと捉えられがちですが、標準化こそがものづくりの『鉄則』であるという理念に立ち返り、取り組みを進めています」と川島織物セルコンの廣田 吉紀氏は語ります。
この取り組みと同時に着手したのがIT環境の見直しです。具体的には、SAP ERPベースで構築された販売管理システムなど基幹システムにクラウド基盤サービスの活用を決めました。
きっかけは、既存のインテリア・室内装飾事業の販売管理システムが更改時期を迎えたことでした。以前は、外部のデータセンターに自社が所有するサーバを設置し、システムを運用していましたが、それをクラウドに移行できないかと考えたのです。
「自社でサーバを所有していると、ハードウェアにトラブルが発生した場合、担当者はすぐにデータセンターに駆け付けなければなりませんでした。頻繁ではないとしても、トラブルはいつ起こるかわかりませんから、業務上の大きな負担になります。IT部門の業務を標準化、効率化し、標準化した新プロセスを現場に定着させるためにシステムを再構築するためにも、このような負担やムダなコストは削減していかなければなりません。クラウドなら、それらが期待できると考えたのです」と同社の廣田氏は言います。
選択のポイント
NECならサービス提供から移行作業、運用までをトータルで任せられる
株式会社川島織物セルコン
経営戦略部
情報システムグループ
尾浜 哲也 氏
そこで、同社が採用したのがNECのクラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」です。
「今回の移行にあたっては、いくつかの要件がありました。限られた期間で移行を完了すること、基幹システムであるためクラウドへの移行後もレスポンスや処理スピードをキープすること、将来を見据えクラウドとハウジングの使い分けや連携が行えることなどです。数社から提案を受けましたが、NECの提案がこれらの要件に最も合致していると感じました」と廣田氏は言います。
さらに決め手になったのが安心感です。安全なデータセンターから提供されていることなどによるサービス自体の信頼性はもちろん、NECならサービス提供からシステムの移行作業、さらには移行後の運用までを一括で任せられることに大きな安心感があったのです。
「外資系のクラウドを使って提案を行ったベンダーもありましたが、窓口となるベンダーとクラウド提供事業者が異なる場合、万が一問題が起こった際に、責任の所在が不明確になることが懸念されたのです」と同社の尾浜 哲也氏は説明します。
導入後の成果
運用コストを大幅削減し、今後の発展を支える新たな基盤を実現
移行作業は無事に完了し、現在、SAPの販売管理システムとオーダーカーテンシステム、2つのサブシステムがNEC Cloud IaaS上で稼働しています。「移行の途上では、別の事業者の回線手配の関係で、当初のスケジュールを変更しなければならない場面もありましたが、NECが豊富な経験に基づき、柔軟に対応してくれたおかげで、予定の期間内で無事に移行することができました」と尾浜氏は話します。
今回、基幹システムをクラウド化したことで、同社は運用管理負荷や運用管理コストの面で成果を実現しつつあります。「ハードウェアのトラブルや運用を気にすることなく、システムの企画や開発に専念できます」と尾浜氏。廣田氏も「クラウドサービスへの移行前に比べ、システムの運用管理コストを25%削減できました。人件費も含めれば、より大きなコストメリットとなっているでしょう」と続けます。
また、従来は自社でハードウェアを用意する必要があったため、CPU、メモリ、ディスクなどのハードウェアリソースをあらかじめ多めに手配しておく必要がありました。今後は、必要な時に必要な分だけ追加していくことができるため、余剰リソースを保有する必要がなく、リソース調達におけるムダも削減できます。
さらに、戦略的なIT活用を推進していく上で欠かせない、可用性、拡張性の高いシステム基盤を手に入れることができたことも大きな成果です。
現在、同社はより積極的なIT活用を目指し、営業支援やデータ分析環境などの整備などを検討しています。「BI(データ分析)、SFA(営業支援)、生産管理と他システムとの連携など、社内にはIT活用のアイデアや要望が多数あります。クラウドなら、必要な時にこれらのシステム基盤を迅速に立ち上げることが可能。ビジネスに合わせて、柔軟に変化できる、発展性の高い基盤を手に入れることができました」(廣田氏)。
今後もNECは、NEC Cloud IaaSの提供に加え、ICTシステムに関わる様々な情報提供、活用に向けたアドバイスなどを通じて、同社の取り組みを支援していく構えです。
お客様プロフィール
株式会社川島織物セルコン
所在地 | 〒601-1192 京都府京都市左京区静市市原町265 |
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創業 | 天保14年(1843年) | |
設立 | 1938年5月 | |
資本金 | 93億8100万円 | |
従業員数 | 975名(2016年3月31日現在 連結) | |
概要 | 多くの着物ファンから支持される“川島の帯”をはじめとする呉服・美術工芸織物と、古くは明治、昭和の宮殿の内装を手掛けたインテリア・室内装飾の両事業を展開。サッシ・建材・住宅機器メーカーで構成されるLIXILグループの一員としても知られる。 | |
URL | http://www.kawashimaselkon.co.jp/ |
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(2016年5月19日)
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