石油資源開発株式会社様
利用者の操作性を損ねることなく
全社規模で機密情報を含むファイルの暗号化を実現
業種 | その他業種 |
業務 | 共通業務,経営企画,その他業務 |
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製品 | セキュリティ,ソフトウェア(その他) |
ソリューション・サービス | セキュリティ,共通業務ソリューション(文書・コンテンツ管理) |
事例の概要
課題背景
- 万一外部にファイルが持ち出されたときの情報漏えい対策が統一されていない
- 既存業務への影響を最小限に抑えつつ全社的にファイルの暗号化を推進したい
- 社員の情報セキュリティに対する意識を向上させたい
成果
暗号化により万一ファイルが流出しても情報漏えいを防止
IRM(Information Rights Management)暗号化技術を利用してファイルを保護する「InfoCage FileShell」を導入。ファイルが意図しない範囲に流出しても情報漏えいを防止
既存のシステム環境を活かしてセキュリティレベルを向上
既存のActive Directoryを活用して、暗号化したファイルの利用者情報を管理。既設のファイルサーバの運用を変更することなく、全社規模でファイル暗号化を実現
暗号化したファイルのアイコンに付く鍵マークが社員のセキュリティ意識向上に貢献
暗号化したファイルのアイコンに鍵マークが付くことにより、保護しているかどうか一目でわかるため、社員の情報セキュリティ意識向上につながった導入ソリューション
拡大する機密情報を含むファイルを「InfoCage FileShell」を使って暗号化。
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事例の詳細
導入前の背景や課題
情報セキュリティを強化するための3つの課題
石油資源開発株式会社
情報システム部長
松本 明紀 氏
石油資源開発様は、石油・天然ガスの探鉱から開発、生産、輸送、販売を中核事業とする企業です。近年では、日本国内でのガス安定供給を使命に、福島県の相馬港に相馬LNG基地を建設中で、天然ガスを活用した発電事業を計画するなど、総合エネルギー企業をめざして事業を進めています。石油や天然ガスの探鉱・開発に関わる事業において、個人情報や海外政府との契約など、絶対に外部へ洩れてはならない機密情報を多く扱うことから、情報セキュリティポリシーを策定して情報管理体制を整えるなど、さまざまな対策を講じてきました。しかし、日々巧妙化しているサイバー攻撃の脅威に対応していくために、3つの課題がありました。
「情報セキュリティポリシーに準ずる機密情報の厳密な管理が維持できていないファイルが一部残っていたこと。万一ファイルが外部に流出した場合、情報漏えいを防止できる全社統一の仕組みがないこと。さらに、不正競争防止法で定められた『営業秘密の保護』の条件を十二分に満たしたいという課題を、早期に解決する必要がありました」と同社の情報システム部長の松本 明紀氏は、ソリューション導入前の課題を説明します。
選択のポイント
操作性に優れ、業務影響が少ない「InfoCage FileShell」を導入
石油資源開発株式会社
情報システム部
運用・管理グループ長
小林 尚樹 氏
近年、標的型攻撃などの巧妙な手口が横行し、どれほど強固なセキュリティ対策を施しても100%の情報漏えい防止は困難といわれています。石油資源開発様においても、ファイアウォールやウイルス対策ソフトウェアなどを導入し、万全の入口対策を実施していましたが、万一外部へファイルが流出した際の出口対策は十分とはいえない状態でした。
「これまでは、機密情報の保護方法に統一基準がなく、アプリケーションのパスワード設定機能やパスワード付きZIP形式で保護するなど、個別の対策に頼っていました。しかし、この方法だと利用者に負担がかかるだけではなく、抜け漏れが生じる恐れがあるので、簡単かつ確実にファイルを暗号化する仕組みが必要でした」と同社の情報システム部 運用・管理グループ長の小林 尚樹氏は話します。
このような背景から、石油資源開発様では、情報セキュリティ強化に向けた機密情報管理システムの導入を検討、数社の提案の中から最終的に採用されたのが『InfoCage FileShell(以降、FileShell)』を活用するNECの提案でした。
『FileShell』は、機密情報が含まれるファイルをIRM暗号化技術を使って保護し、情報漏えいを防ぐソフトウェアです。OfficeファイルだけでなくPDF、テキスト(txt、xml)、CADなどさまざまな形式のファイルを暗号化できます。
「右クリックで表示されるメニューを選ぶだけで簡単に暗号化ができる操作性の高さ、アクセス権限をはじめとした既設のファイルサーバの運用環境を維持したまま導入でき、業務影響が少ない点を評価しました。それに加えて、NECグループ内のPC十数万台で『FileShell』を実際に利用しており、NECの情報システム担当者より運用について話が聞けたことや、さまざまな業種への導入実績が多く、信頼性が高いこともポイントになりました」と小林氏は選定の理由を話します。
導入後の成果
機密情報の暗号化を徹底できる仕組みの実現と社員の情報セキュリティ意識を向上
石油資源開発株式会社
情報システム部
運用・管理グループ
友野 健 氏
石油資源開発株式会社
情報システム部
運用・管理グループ
中島 良 氏
石油資源開発株式会社
情報システム部
運用・管理グループ
藤井 雅久 氏
石油資源開発様では、1300名を超える全社員に『FileShell』の利用を促すことで、強固な情報漏えい対策を実現されました。システム構築に携わった同社の情報システム部の友野 健氏は「『FileShell』では、暗号化したファイルを操作できる利用者の情報を登録する基盤としてActive Directoryが必要なのですが、既存で運用していたActive Directoryをそのまま活用でき、グループ設定もそのまま維持できたので導入も容易でした」と導入時の感想を話します。また、同社の情報システム部の中島 良氏は「利用者のPCにインストールが必要な『FileShell』のクライアント用エージェントの展開においては、Active Directoryによるモジュール展開方法に適した形でNECがインストール用スクリプトを作成してくれたため、利用者の操作なく、1300台を超える導入も迅速に行えました」と導入の容易さを評価します。
導入後の効果として、「全社員に機密情報を含むファイルの暗号化を終始徹底させる仕組みが整えられたことは、大きな成果です」と同社の情報システム部の藤井 雅久氏は話します。「暗号化ファイルの利用においては、『FileShell』の管理画面でログを取得できることから、保護を解除するなど不正流出の予兆を察知できることも導入効果といえます。また、ログ取得を社内に周知したことが抑止効果につながっています。さらに、出張者が利用するノートPCからの社内ネットワーク接続を禁止していますが、一次的にファイルの利用権限情報をキャッシュとして『FileShell』のエージェントへ持たせることができる機能を活用し、外出先でも保護されたファイルを利用できるため、外出先での情報漏えい対策も強化できました」と松本氏。
「暗号化したファイルには“鍵マーク”がアイコンに付くため、保護されていることが認識しやすく、社員の情報セキュリティ意識の向上につながっており、これも二次的な導入効果だと考えています」(小林氏)
石油資源開発様では、今後も機密情報管理システムを継続的に活用し、社員の情報セキュリティ意識をさらに高め、より強固な情報漏えい対策の実現をめざしていく考えです。
お客様プロフィール
石油資源開発株式会社
所在地 | 東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー |
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社員数 | 1,847名(連結)、902名(単体) ※2016年3月31日現在 | |
概要 | 1995年12月、石油資源開発株式会社法に基づく特殊会社として創立。1967~1970年の間、石油開発公団事業本部に編入後、1970年4月に民間会社として再出発(設立)。2003年12月、東京証券取引所市場第一部に上場。日本を代表する石油・天然ガスのE&P(探鉱・開発・生産)企業。2018年には国内最大規模のLNG基地を操業予定。 | |
URL | http://www.japex.co.jp/ |
この事例の製品・ソリューション
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(2017年7月6日)
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