函館市病院局 市立函館病院様
スマートフォンでナースコール対応の効率化を実現
電子カルテ連携や内外線通話などの機能も集約
業種 | 医療・ヘルスケア |
業務 | その他業務 |
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製品 | 統合型システム,LAN/WAN,IPテレフォニー |
ソリューション・サービス | ネットワーク(スマートデバイス活用),ネットワーク(コミュニケーション),ネットワーク(無線LAN) |
事例の概要
課題背景
- 従来のシステムで現場の不満となっていた端末の順次呼び出しを改善したい
- 患者からのナースコールに対して、より迅速かつ適切な対応を実現したい
- 看護師が携帯する複数の端末を1台に集約したい
成果
ナースコール・スマートフォン連携システムにより、端末の一斉呼び出しを実現
病棟ごとに看護師が持つスマートフォンにナースコールが同時に通知されるようになり、看護師間にあった業務負荷の偏りが平準化された
スマートフォン画面の表示情報で患者への適切な対応、事前の準備が可能に
患者氏名、離床センサーと連動したカメラ映像がスマートフォンで確認でき、患者の状況を推察した対処の準備ができるようになった
現場で用いる各種機能を1台のスマートフォンでカバー
ナースコール連携に加え、電子カルテ連携、内外線通話、カメラドアホン連携などの機能を1台のスマートフォンで利用でき、看護現場の機動性、業務効率が向上した導入ソリューション
拡大するUNIVERGE ナースコール連携ソリューション(Application Platform for Healthcare)
- ※13病棟、550床
- ※スマートフォンは約130台
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事例の詳細
導入前の背景や課題
ナースコールの順次呼び出しや複数端末の携帯が現場の不満に
函館市病院局 市立函館病院
医療情報企画課
課長
船木 千春 氏
1860年(万延元年)に北海道初の病院「箱館医学所」として創立した市立函館病院様は、「函病(かんびょう)」の愛称で市民に親しまれる地域医療の中核拠点であり、道南エリアの救急医療を支える基幹病院の一翼も担っています。
2000年にJR五稜郭駅にほど近い現在地に新病棟を建設。その後も病院機能の強化・拡充を図るべく、医療設備や施設の増強に力を入れてきました。しかし一方で、院内のネットワーク、電話システムや入院病棟のナースコールシステムなどの業務用設備は、移転時から更新されることなく、老朽化とともに性能・機能面の課題も明白になっていきました。
「例えばナースコールシステムでは、看護師が持つPHS端末を順次呼び出す仕組みだったため、看護師ごとの業務負荷に偏りが生じたり、コールに迅速に対応できなかったりする場合がありました」と、医療情報企画課 課長の船木千春氏は語ります。また、入院病棟の看護師は、ナースコール用PHSに加え、院内連絡用のPHS、電子カルテ連携システム(NEC製の「MegaOakアシスト らくらく看護師さん」)用のPDAと複数の端末を携帯しなければならないことも負担になっていました。
選択のポイント
電子カルテ連携を前提にした相談がナースコール連携システムの提案へ発展
函館市病院局 市立函館病院
医療情報企画課
副看護師長
小山 智也 氏
業務系システムの更新を検討し始めたのは2013年でした。電子カルテ連携システムの継続利用を前提条件として、電話やナースコールも含めた新たな環境について、医療系情報システムを納入していた地元SI会社でNECの販売パートナーでもある株式会社エスイーシーに相談。そして、同社とNECネッツエスアイから提案されたものが、NECのコミュニケーションサーバ「UNIVERGE SV9500」を基盤とし、ナースコールとスマートフォンの連携を実現する「UNIVERGE ナースコール連携ソリューション」でした。
当時発売されたばかりの先進的なシステムに対して、船木氏は、「長年使い続けたレガシーな仕組みとは歴然とした性能差・機能差に驚き、これなら現場のニーズに応えられると感じました」と語ります。
約200名の看護師を集めて実施したデモも好評を博しました。医療情報企画課 副看護師長の小山 智也氏は、「参加者から『すぐに使いたい』『早く導入してほしい』といった声が多数上がりました」と、そのときの様子を振り返ります。
利用現場の高評価も得て、2013年秋には正式採用を決定。院内ネットワークの更新後に計13の病棟に順次システムを導入していく計画を立てました。ところが、システムの品質面に課題が見つかり、その修正を待たなければならなくなりました。「ナースコールは患者にとっていわば命綱ですから、100%の安定稼働を確認できるまで先に進むわけにはいきませんでした」と船木氏は話します。
また、小山氏は、実際のシステム導入作業に関して「病室内の機器設置も必要だったので、病室の工事日程に合わせて患者に別室に移っていただいたり、システムの入れ替えでナースコールが使えない時間帯には人で対応できるよう人的体制をしっかり整えたりしました。私自身も現場に立ち会い、作業進捗を常時確認していました」と、万全の体制で切り替えを進めるため、手間と時間が必要であったことを明かします。
こうした課題を解決し、2015年5月に全病棟への展開を完了。新システムの本格運用がスタートしました。
導入後の成果
一斉呼び出し・氏名表示でより迅速・適切な対処が可能に
ナースコールに連携するスマートフォンは約130台導入され、病棟に勤務する看護師に配布されています。
病床でコールボタンが押されるとスマートフォンが一斉に呼び出され、画面には患者の氏名も表示されます。「手の空いている看護師が迅速に対応できるため、看護師にあった不平等感や精神面の負荷も解消されたと思います」と、小山氏は話します。離床センサーと連動するカメラも導入し、見守りが必要な患者の状況をスマートフォンの映像で確認できるため、緊急時にもより迅速かつ適切な対応が取れるようになりました。
スマートフォンに電子カルテ連携、内外線通話、さらにカメラドアホン連携の機能を集約したことで、複数の端末を使い分ける必要もなくなり、機動性や業務効率の向上も実現されています。
また、従来の院内連絡用PHSは、通信事業者のサービスを利用していたため利用料がかかっていましたが、新システムでは、スマートフォンも既存のPHS端末も内線網にすべて収容したことで、通信費の削減効果も生まれています。
将来的には、PHSを継続利用している医師や一般職員も含めた院内全体でスマートフォンを活用していく構想も描いています。とはいえ、端末台数を大幅に増やすには導入コストやシステム容量の制限などがハードルになります。船木氏は、「あくまで長期的な視点での構想ですが、ベンダー側にもコスト低減やシステムの改善などに力を入れて、早期に実現できるよう協力してほしい」と、期待をかけています。
カメラドアホン連携で来訪者対応もスムーズに
営業担当者の声
株式会社エスイーシー
情報処理事業本部
産業ソリューション事業部
営業部
プロジェクトリーダー
相田 紘人 氏
お客様と当社は電子カルテシステムや院内ネットワークなどの構築・運用で長年のお付き合いがありましたが、電話システム、ナースコールをご提案したのは今回が初めてでした。函館市内で一番の規模を誇る病院様に、スマートフォンにさまざまな機能を活用できるトータルソリューションをご提供させていただくことでお客様に貢献できたことは、今後の自信につながっています。
NECネッツエスアイ株式会社
東日本支社 北海道支店
函館営業所 営業所長
齊藤 肇 氏
「UNIVERGE ナースコール連携ソリューション」をご採用いただいた国内で初めてのプロジェクトで、導入前には様々な課題が出てご迷惑をおかけしてしまいました。それでも、お客様から多大なご協力をいただいたことで、導入から運用開始へとこぎつけることができました。患者が入院している病棟でシステム更新を行うのは容易ではありませんでしたが、この点についても、現場作業がスムーズに行えるようきめ細かな配慮をしていただき、深く感謝しています。
お客様プロフィール
函館市病院局 市立函館病院
所在地 | 北海道函館市港町1丁目10番1号 |
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代表者 | 木村 純 院長 | |
創立 | 1860年(万延元年) | |
病床数 | 668床(2014年4月1日現在) | |
概要 | 北海道初の官立病院として発足から約150余年の歴史を誇る北海道の基幹病院の1つ。診療科目は30科を有する。救命救急センター、災害拠点病院、地域がん診療連携拠点病院、エイズ診療拠点病院等々、多数の機関指定を受けている。2015年2月に運航が始まった道内4機目のドクターヘリの基地病院でもある。 | |
URL | http://www.hospital.hakodate.hokkaido.jp/ |
※UNIVERGEは、日本電気株式会社の登録商標です。
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(2016年12月12日)
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