社会福祉法人 福音会様
顔認証システム導入により、外部侵入者対策と
ご入居者のひとり外出対策という介護施設の課題を解消
業種 | 医療・ヘルスケア |
業務 | その他業務 |
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製品 | PCサーバ,セキュリティ |
ソリューション・サービス | セキュリティ |
事例の概要
課題背景
- 認知症等のご入居者がひとりで外出してしまわないよう、職員が24時間目視で見守らなければならず負担が大きかった
- 開閉式自動ドアによる防犯は、介助者が車いすから離れないと開閉できず、作業性と安全性に問題があった
- 人員不足でデイサービス出入り口まで人を配置できず、外部の第三者に侵入されるリスクがあった
成果
ひとり外出リスクのあるご入居者を自動検知
認知症でひとり外出リスクのあるご入居者を事前に登録し、顔認証で自動検知。ひとり外出のリスクを防ぎ、職員の精神的ストレスを軽減した
車いすを押したまま自動ドアを開閉
車いすを押しながらカメラを見るだけで、自動ドアが開き作業効率が向上。職員が車いすから離れる必要がなくなり、ご利用者の安全性も確保できた
外部からの侵入リスクを防止
登録者以外ではデイサービス出入り口は開かないため、外部の第三者の侵入防止が可能に。人員を増やすことなく、セキュリティ強化とご入居者・ご利用者・職員の安全性を確保した導入ソリューション
福音会様の顔認証システム設置概要図
4台のカメラと顔認証システム導入セットを 1セット導入し、デイサービス出入り口の入退館セキュリティ強化とご入居者のひとり外出防止対策を両立
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事例の詳細
導入前の背景や課題
入退館のセキュリティとご入居者のひとり外出対策が課題
福音会
常務理事 事務局長
山内 俊明 氏
社会福祉法人福音会様は、東京都町田市野津田町で、特別養護老人ホーム「福音の家」と軽費老人ホーム「町田愛信園」、通所介護の「まちだケアセンター」を運営しています。近年、福祉施設に不審者が侵入する事件や認知症のご高齢者によるひとり外出が心配される中、福音会様はセキュリティに関する課題を抱えていました。
「当施設では、ご入居者の方々に自宅同様の心地よい生活環境を提供したいという考えから、施錠で門扉を閉ざすような厳しい入退館管理をせず、職員による見守りを励行してきました。しかし、24時間の見守りは職員への負担が大きいことが課題でした。またデイサービス出入り口は、ボタン開閉式の自動ドアで防犯していましたが、ドアを開けるたびに職員が車いすから離れる必要があり、ドアの開閉に手間がかかることと、車いすが動いて事故が起きかねないというリスクを抱えていました」と福音会の常務理事・事務局長を務める山内俊明氏は、これまでの課題を説明します。
選択のポイント
4台のカメラと1台のサーバーで入退館とひとり外出対策を実現
福音会様は、入退館のセキュリティを高めつつ職員の負担を減らし、なおかつご入居者のひとり外出を防ぐために、NECの顔認証システムの導入を決断しました。
「指紋認証などのセキュリティ対策も検討しましたが、車いすから手を放すことなくセキュアに自動ドアを開閉できる顔認証の利便性を評価しました。NECの顔認証システムは、空港などでも使われている実績があると伺い、安心して導入できると考えました。導入コストは決して安いものではありませんでしたが、入退館とひとり外出の対策を両立し、職員の負荷を軽減できるならば、納得のいく金額だと判断しました」と山内氏は、採用のポイントを話します。
福音会様では、デイサービス出入り口の表側と中側にカメラを2台設置して顔認証を行い、システムに登録した職員だけ自動ドアが開くように設定することで、外部からの侵入者を防いでいます。また、施設内の廊下と正面玄関の内部に設置したカメラを使って、ひとり外出のリスクがあるご入居者を認証、パトライトを点灯して受付職員に知らせる仕組みを構築しました。
サーバーは、受付職員が即座に確認できるよう、受付横の事務スペースに設置しています。さらに、24時間365日2時間以内に駆けつける保守サポートを利用することで、施設にIT専門の職員がいなくても安心してシステムを運用できる環境も整えています。
カメラが、ひとり外出のリスクがあるご入居者を認証すると(左)、
パトライトを点灯して受付職員に知らせる(右)
導入後の成果
ひとり外出リスクによる職員の精神的ストレスを軽減
「これまでは、認知症によりひとり外出の恐れがあると判断されたご入居者のリストを受付職員に配布し、そのご入居者が受付前を通る際に声掛けしてひとり外出を防いできました。しかし、受付職員も来客対応や事務作業などがあり、受付前を通る全員の顔を漏れなくチェックできるとは限りません。また、来園されたご家族やお見舞いの方にまぎれてしまうと確認が難しく、ご入居者がひとりで外出してしまう可能性がありました。幸いにも、これまで当施設で事故は起きていませんが、ヒヤリハット事象は何度か起きており、受付職員は『いつひとり外出を見逃してしまうかわからない』という精神的なストレスを抱えていました。しかし、今は顔認証システムがひとり外出のリスクのあるご入居者を自動で検知してくれるので、職員のストレスは大幅に軽減されたと思っています」と山内氏。
一方、デイサービスでの利用が多い出入り口は、職員が車いすを押しながらカメラに顔を向けるだけで瞬時に自動ドアが開くようになり、スムーズかつ安全な入退館ができるようになりました。顔を登録していなければドアが開くことはないので、不審者が侵入するリスクもほとんどありません。さらに、映像はサーバーに保存されているので、過去にさかのぼって確認することも可能です。
「顔認証による見守りを実現したことで、ご入居者はもちろん、そのご家族にも安心感を与えることができました。また、外部からの侵入対策は、入居者のみならず職員の安全確保という効果があります」(山内氏)
最後に山内氏は次のように今後の展望を語ります。
「先ほどお話しした精神的ストレスの軽減と併せて、安心して業務ができる安全な職場をアピールすることは、今後の人材採用にも間接的な効果が期待できます。世界一の精度を誇るNECの顔認証システムを活用し、我々も世界一のサービスを提供する介護事業者になることを目指したいと思っています」
車いすを押す職員がカメラに顔を向けるだけで瞬時に自動ドアが開くようになり、スムーズで安全な入退館が可能に
NEC担当スタッフの声
顔認証は介護の現場に最適なシステムです
NEC
パートナービジネス営業本部
主任 水野 雅也
福音会様のシステムは、顔認証によるひとり外出の見守りと入退館管理を1台のスリムサーバーで実現したことがポイントです。ひとり外出防止の見守りは、受付職員による迅速なお声掛けが重要なので、あえてサーバールームではなく事務スペースにサーバーを設置し、職員がすぐ確認できるよう配置しました。
セキュリティ向上には、指紋認証やテンキー、カード認証などいろいろな手法がありますが、介護施設では、介助する職員の両手がふさがっていることが多いので、顔を向けるだけでドアを開閉できる顔認証システムが最適だと思います。
福音会様のケースでもわかるように職員のストレスや作業負荷軽減につながり、ひとり外出防止や採用など人材面でもプラス効果が期待できるので、今後、介護の現場ではさらに顔認証システムの採用が広がっていくのではないかと考えています。
カメラの検証を重ね、お客様環境に適したシステムを構築しました
NECフィールディング
ソリューション事業部
マーケティング戦略部
主任 内藤 勝
現行のカードリーダーから顔認証システムへの移行では、トラブル時にも日常業務に影響を与えないことを優先させ、あえてカードリーダー認証を残す併用可能なシステムを構築しました。
顔認証システムでは、カメラで顔の特徴点をとらえるため、逆光など外的要因を排除することが重要です。入退管理用途では、カメラ設置場所が外光の影響を受けやすい屋外、夜間利用であったためカメラ選定や調整に難航しましたが、検証を重ね、お客様環境に適したパフォーマンスを引き出しました。監視用途では、対象者の普段の行動予測が必要なため、実際の映像を確認したり、カメラ前を何度も通過したりすることで、動線を予測し、より最適な認証率になるよう構築しています。
今後は、当社が得意とするところのリモート保守を導入し、システムの正常性をお客様に変わって24時間365日監視し致命的なシステムトラブルを未然防止する提案を実施したいと考えます。
また、顔認証システムはお客様環境に合わせた最適な調整が必要であり、これまで当社が構築してきたものとは異なる難しさがありましたが、今後更に経験を積むことでノウハウを高め、全国均一の構築・保守サービスを提供していきたいと思います。
お客様プロフィール
社会福祉法人 福音会
所在地 | 東京都町田市野津田町1932番地 |
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職員数 | 540人 |
概要 | 社会福祉法人福音会は、医療法人財団福音医療会を母体として1982年3月に設立され、翌1983年4月、町田市野津田の丘に総合高齢者施設を開園。現在は町田市に3か所12事業所、文京区に3か所6事業所、練馬区に1か所6事業所、計24事業所を運営しています。 |
URL | http://www.fukuinkai.or.jp/ |
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(2017年9月22日)
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