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町田市様


クラウド型防災情報システムを導入し
安定的な防災基盤を確立する
- 業種:
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- 自治体・公共
- 業務:
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- その他業務
- 製品:
-
- その他
- ソリューション・サービス:
-
- クラウド
事例の概要
課題背景
- 台風などによる甚大な災害が全国で相次いでおり、自治体における災害対策のさらなる整備が喫緊の課題となっている
- 町田市は都県境にあるという地理的条件から、豪雨時などには東京・神奈川両都県の災害に関わる情報を参照しなければならない。災害対応にあたっては複数の情報を確認し、素早く状況を把握することが必要だった
- 運用の安定性、機能の拡張性などの観点から、クラウドを活用した防災情報システムが求められていた
成果
情報の一元化により迅速な意思決定を実現
東京都、神奈川県、気象庁といった異なる情報元からの情報を一画面で確認可能に。庁外にいる職員からの情報を集約・共有でき、全庁一丸となって迅速な災害対策をサポートできるようになった
災害発生時の業務効率化を実現
東京都の防災システム(DIS)と連携させることで、災害情報の共有に関わる手続きの手間が大幅に軽減された
柔軟で運用容易なシステム基盤により機動力向上
クラウド型のサービス活用により、情報システム課による日常的なシステム運用がほぼ必要なく、他の業務に専念できる。また、職員用タブレットから、いつでもどこでもシステムにアクセスできることで、災害時の対応力が向上した
導入ソリューション


町田市の防災システムの概要。「防災情報システム」「職員参集・安否確認システム」「発令判断支援システム」と、用途、連携先、ユーザーなどが異なる3つのシステムが2018年4月に新たに導入された。
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事例の詳細
導入前の背景や課題

総務部 情報システム課 課長
黒澤 一弘氏
東京・神奈川両都県の防災情報を一元的に把握したい
近年、全国で毎年のように台風や大雨の被害が相次いでおり、被害規模も甚大化する傾向にあります。ゲリラ豪雨などによって短時間で大きな被害がもたらされるケースも少なくありません。また、首都直下地震が30年以内に発生する確率が70%と予想されるなど、地震被害のリスクも高まっています。
これらの災害が起こった際に、いかに迅速かつ的確に対応し、いかに住民たちの生活や命を守るか──。それがすべての自治体に共通する課題です。
東京都の最南部に位置する町田市様は、2012年、災害情報管理、備蓄品管理、職員の安否確認、職員参集メールの送付などの機能をもつ防災システムを導入しました。当時は、システムを庁内に設置するオンプレミス型が自治体の主流でしたが、町田市様が導入したのは、全国でもまだ珍しかったインターネット上で提供されるアプリケーションを使うインターネットASP(クラウドサービス)でした。このシステムはサーバの運用管理の負担が低減される反面、いくつかの課題もあったといいます。
「旧システムの最大の課題はレスポンスが遅いことでした。緊急時には、システムのレスポンスの遅さは致命的な判断の遅れにつながってしまいます」

防災安全部 防災課 課長
鈴木 秀行氏
そう話すのは、情報システム課の黒澤一弘課長です。また、防災安全部防災課の鈴木秀行課長は、町田市の地理的条件を反映させたシステムが必要だったと話します。
「町田市は、東京都と神奈川県の都県境に位置するため、例えば、豪雨の際に河川の水位を確認しようとすると、両都県の情報を見なければなりません。状況が切迫する中で確認に時間がかかるのは非常に不便でした。また、以前のシステムでは、市内全域の状況を俯瞰的に把握することも難しかったのです」
選択のポイント
クラウド活用により短期間での導入が実現
町田市様が、新システム導入の検討を始めたのは2016年度末です。それまで利用していた防災システムのサービスが2017年度をもって終了することになったことを受けての動きでした。また、総務省の「自治体情報システム強靭性向上モデル」に基づいた「インターネット環境の分離」を実施したことにより、レスポンスがますます遅くなったことも理由の一つでした。町田市様が特に重視されたのは、それまでの防災の取り組みが継続できること、拡張性のある柔軟な運用ができることなどだったといいます。
複数のシステムを検討した結果、町田市様が選んだのが、NECの防災システムでした。「機能が非常に充実していた」と鈴木課長は選択の理由を話します。
「災害の危険性が生じた際には、東京都の防災情報システム(DIS)に情報を送る必要があります。これまでは、市側のシステムに情報を入力した後、都側のシステムに再度情報を入力する必要がありました。それに対し、新しいシステムはDISと連携しているので、一回の入力で情報共有が可能です。ほかにも、あらかじめ設定した防災行動計画を緊急時に表示してくれるタイムライン機能や、職員の外部端末から情報を取り込む機能など、現場が必要とするさまざまな機能が搭載されていました」
マイクロソフトのクラウド基盤「Microsoft Azure」の活用によって、求めていた柔軟性、強靭性、拡張性が得られる点を評価したと話すのは黒澤課長です。システム導入が決定したのは、2017年10月下旬で、運用開始までは5カ月ほどしかありませんでした。短期間での導入を可能にしたのも、クラウドならではであったと黒澤課長は話します。
防災情報システムのほかに、災害情報を一元表示し、避難勧告が必要な推奨エリアを自動生成するなどして勧告発令をサポートする「発令判断支援システム」、気象情報や全国瞬時警報システム(J-ALERT)と連携した「職員参集・安否確認システム」も新たに導入されました。

導入後の成果
最新のシステムによって住民の生活と命を守っていく
黒澤課長は新システムの成果について、次のように話しています。
「課題であったレスポンスは完全に改善されました。運用も非常にシンプルになったので、ほかの業務に集中できるようになりました。また、職員用タブレットから、いつでもどこでもアクセスできるようになり、有事の機動力向上につながっていると実感しています」


総務部 情報システム課 主任
沖 陽平氏
同じく課題であった情報の一元的な把握が可能になったと説明するのは鈴木課長です。
「夏の台風接近時などに、防災情報システムを実運用しました。特に庁内から大きな反響があったのは、避難所にいる避難者の数をひと目で確認できる機能でした。また、システムに入力されたデータをエクセルなどに出力できる機能があるので、情報共有や報告書の作成にも役立っています」
鈴木課長は、発令判断支援システムでの情報共有に関しても「複数の情報を一つの画面上で見られるので、利便性が格段に向上しました。市内全域を俯瞰的に把握できるようになったのも大きな利点です」と話しています。
クラウドを活用したシステムは、運用の過程で細かな改善をしていくことが可能です。情報システム課の沖陽平主任は、「防災課、情報システム課、NECの共同作業によって、さらによいシステムにしていきたい」と今後の見通しを語っています。

防災安全部 防災課 主任
渡邉 聖氏
防災システムを整備する取り組みは、住民の生活と命を守るための取り組みにほかなりません。緊急時に迅速かつ正確に作動し、自治体の判断を支援し、的確な行動を後押しすること──。それが、防災システムが担う機能です。防災課の渡邉聖主任は話します。
「災害時の1分は、日常の1分とは価値がまったく異なります。行動が1分でも早くなることによって救える命があるはずです。緊急時に1分1秒も無駄にせずに迅速な災害対策を行って、住民の皆様の安全を確保するために、このシステムを有効に活用していきたいと考えています」
NEC担当スタッフの声

野田陽太郎
自治体の防災の基盤づくりを広くサポートしていきたい
現場で災害対策にあたる方々にとって本当に必要な機能は何かを、町田市様と話し合いながら標準機能を作り上げていきました。パッケージ製品ということもあり、対応が難しいものもありましたが、運用でカバーする方法をご提案するなどして導入を実現しました。町田市様の防災への意識が非常に高く、ニーズが明確だったことが、短期間の導入を可能にしたと感じています。
クラウドには、低コストかつ短期間での導入が可能であるというメリットがあります。また、近隣自治体などとの情報連携の基盤となるのもクラウドの大きな利点です。もちろん、NECはオンプレミス型にも対応できるので、お客様の環境やニーズに合わせて最適なご提案をしていきたいと思います。
これからも町田市様を引き続きサポートさせていただきながら、そこで得られた知見を他の自治体にも活用させていただき、防災の基盤づくりを広くサポートしていきたい。そう考えています。
- ※本件は、協和テクノロジィズ株式会社様と共同で提案させて頂きました。
- ※Microsoft Azureは、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
お客様プロフィール
町田市
市役所所在地 | 東京都町田市森野2-2-22 |
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概要 | 人口は約43万人で、東京都下26市中、八王子市に次いで2番目。面積は、同じく八王子市、青梅市、あきる野市に次いで4番目。東京都八王子市、多摩市、神奈川県横浜市、川崎市、相模原市、大和市の5つの自治体に隣接する。 駅前の繁華街には大型の商業施設が立ち並び、地域の中心的な商業都市として地域住民から親しまれている。また、市内や周辺には多くの子育て関連施設や大学、短大、高校が存在し、子育てのまち、学生のまちとしても知られている。 |
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(2019年2月18日)
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