ECサイトの構築だけでは成功の可能性は低い
事業部門とIT部門が両輪となりオムニチャネル戦略を駆動
もう1つ不可欠なのが、事業部門とIT部門、さらにはITパートナーとの連携です。
ECサイトはもちろん、オムニチャネルのサービスには、リアル店舗とECサイトで在庫や顧客情報を共通化したりするために、POSシステム、顧客管理、販売管理、在庫管理、さらには、メール配信、SNSサービスなど、様々なITシステムを連携させる必要があるからです。つまり、事業部門が描くオムニチャネル構想を、IT部門がしっかりと理解し、ITベンダーやシステムインテグレーターなどと共にITシステムに落とし込む必要があるのです。
「ビジネスが再定義されれば業務も変わります。業務のインタフェースとなるITシステムには、新しいビジネスモデルの枠組みを構築し、新ビジネスを現場に根付かせるという側面もあります」と永原氏は話します。
加えて、ITシステムに求められる要件も高度化します。特に顕著になるのがインフラの信頼性と拡張性です。オムニチャネルが進めば、ECサイトをはじめとするITシステムの停止は、そのままビジネスそのものの停止、機会損失につながります。そのため、高度な信頼性は不可欠の条件となります。
特にECサイトは、Webニュースに取り上げられただけで一瞬にしてシステム負荷が数十倍に高まるなど、リソースの予測が困難なビジネスモデルです。想定以上に負荷が高まると、システムのレスポンス低下、停止につながるおそれがありますが、普段から最大の負荷を想定してサーバを用意しておくのはムダが多く、利益率を悪化させてしまいます。そのため、状況に応じて、サーバリソースを柔軟に増強したり、縮退したりできるインフラが最適となります。
オムニチャネル戦略に最適な特長を持つ「NEC Cloud IaaS」
このように、ECに取り組み、ビジネスを成長させるには、オムニチャネルを見据えた戦略的な視点、さらには最適なシステムを実現するノウハウと頼りになるITパートナーが求められます。
NECは、ビジネスモデルを共に考えるコンサルティングから、実際のシステム構築サービスまでを提供。すでに、様々な流通・小売業のオムニチャネル戦略を支援しています。
その基盤となっているのが、クラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」です。
NEC Cloud IaaSは、オムニチャネルを見据えたECに最適な様々な特長を持っています。以下では、それらの特長について解説していきます。
(1)安全な立地、堅牢なファシリティ、万全な監視体制でシステムを守る
信頼性については、まず、NEC Cloud IaaSを提供しているNEC神奈川データセンターが大いに貢献。堅牢なファシリティ、二重化された電源設備、海や河川から離れた安全な立地、そして専門組織による万全の監視体制などで、システムの安定稼働に貢献します。
(2)繁忙期や予期しないピーク対応にも、クラウドなら迅速・柔軟に対応できる
また、システムの拡張性については、管理画面から、必要に応じて簡単な操作で迅速にリソースを増減させることが可能。さらに、あらかじめ「しきい値」を設定しておき、ある負荷を超えたら、自動的にリソースを追加する「オートスケール」という機能も備えています。
(3)多様なシステムを収容でき、段階的なクラウド化も可能
先にオムニチャネルを見据えてECを構築するには、基幹システムを含む様々なシステムの連携が必要になると述べました。それらすべてを一気にクラウドに移行するのは、負担も大きいと感じるかもしれません。
その点、NEC神奈川データセンターは、NEC Cloud IaaSだけでなく、ハウジングサービスも提供しており、各システムの要件に応じて、クラウドに移行するもの、ハウジングスペースでそのまま利用を継続するものを柔軟に選択可能。ひとまずハウジングスペースで運用しておき、システム更改などのタイミングで段階的にクラウド化を図るという柔軟な計画も立てられます。
クラウドとハウジングはLANでリアルタイムに連携させることもできますから、システム構築の面でも問題ありません。既存の顧客管理システムや在庫管理システムなどをハウジングでそのまま利用しつつ、ECサイトなど、新たに構築する部分をNEC Cloud IaaSで構築することができ、素早くアイデアをサービスとして具現化できます。
(4)高度なノウハウと経験を駆使して最適なインフラ設計を支援
ほかにもクラウドであれば、自社でシステムを保有し、運用をする必要がなく、新サービスの企画に専念できるといったメリットもあります。もちろん、NECであれば、システム構築の面でも、新ビジネスのアイデアを反映させたアプリケーションや各システムの連携状況、さらには顧客情報の安全を守る観点で、最適なインフラ設計を行えます。
今後もオムニチャネルは、流通・小売業の生き残りのカギを握る重要なキーワードとなるでしょう。オムニチャネルと相性のよいクラウドをうまく活用して、他社とは異なる新たなビジネスモデルを提示し、差別化を図ってはどうでしょうか。
流通・小売業のお客様がどのようにクラウドで課題を解決したのか、具体的な成果に結びつけたのかをまとめた事例集や、これからクラウドを始める方向けにクラウド活用のポイントをわかりやすく紹介した活用入門資料など、様々な資料をご用意しています。
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