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岡本 悠佳のコラム

文系でもデータ分析の仕事はできるのか

NECソリューションイノベータ
岡本 悠佳

2018年7月18日

概要

私はNECグループの中でも少数派の「文系」のデータアナリストです。就職してから10年以上経っていますので、いまさら学生時代の専攻によって「文系」「理系」と分類する必要もないのかもしれませんが、よく「文系でもデータ分析の仕事ができるのですか?」という質問をいただくので、お答えしたいと思います。

本文

これからデータ分析を始めようとしている方から「文系でもデータ分析の仕事ができますか」という質問をいただいた際は、「できるかもしれないし、できないかもしれない」とお答えしています。逆に、「理系ならできるのか」という質問にも同じ回答をすると思います。

私自身も、この仕事に従事する前までは「データ分析は理系の分野では?文系には難しいのでは?」と思っていました。しかし、実際に従事してみると、想像以上に文系的能力が求められる場面が多いことに気が付きました。もちろん、数値解析をするうえで理系的な知識は欠かせないので、「理系的な知識がなくてもデータ分析の仕事ができるか」という質問に対しては「No」になります。しかし、文系の方でも、これから理系的なことを学ぶ意欲があれば、持ち前の文系的能力を強みとして活躍することができるのではないかと思っています。

データ分析を活用したソリューションを構築するにあたり、数式やアルゴリズムを用いてデータを処理するのは、データアナリストの業務の一部にすぎません。他にも、お客様にヒアリングをして業務課題を洗い出したり、分析に利用するデータを収集したり、分析した結果を考察したり、結果をどのように業務に活用するか検討したりと、幅広いスキルが求められます。

特に、データ分析の結果の考察をしている中で感じているのは、「データに表れるのは氷山の一角で、データに表れていない部分で何が起こっているのかを想像する力が必要」ということです。この「想像する力」のベースとなるのは、一般常識や業界知識であったり、「それって変じゃないかな」という人生経験や直感であったりして、必ずしも理系的な知識によるものとは限りません。

例えば、人の生活習慣と糖尿病の発症の関係を分析した時に、「野菜をたくさん食べている人の方が、野菜を食べていない人よりも糖尿病にかかる人が多い」という結果が出たとします。直感的には「野菜を食べている方が健康になるのでは?」と思うかもしれませんが、実際にこのような傾向がでることはよくあります。この結果から「それでは、糖尿病を減らすために、野菜を食べるのをやめさせよう」という判断をするのがナンセンスなのは言うまでもありませんね。

分析結果が、一般的な知識と異なる場合は、「なぜそうなったのか」を考える必要があります。今回のケースでは、「野菜を食べている人の方が糖尿病になりやすい」という不自然な状態になっていることから、「誰かが野菜を食べるように指示しているのでは?」と推察することができます。

実際には、このようなケースでは、糖尿病のリスクがある方に対して、バランスの良い食生活をする指導が行われていることが多いです。その運用の結果が、「野菜をたくさん食べている人の方が、野菜を食べていない人よりも糖尿病にかかる人が多い」という状態として表れていたということです。このように、分析結果が、データ外で起こっている特殊な事象を反映しているというケースは多々あります。

理想をいえば、仮説を立てたり前提条件を整理したりした上で必要なデータを収集できることが望ましいのですが、実際のプロジェクトではデータ取得から関与できることは少なく、収集済みのデータを用いて分析を行うことが多いです。また、必要なデータ全てが収集できていることも少なく、限られた一部のデータを用いて分析を行うことも多いです。その場合に、「これは一部のデータに過ぎない」ということが何を意味するのか想像しながら分析を進めることが大事だと思っています。

最後になりますが、文系でこれからデータ分析を始めようとしている方の中には、やはり「数学が苦手」という意識を持っていて不安を感じている方も多いのではないでしょうか。私もそうでした。しかし、私の場合は「お客様の課題を解決する」という目的が明確になった頃から、苦手だと思っていた数学(主に統計)が少しずつ面白くなってきました。学生時代は、用途がわからずに数学の勉強をしていたため苦手意識がありましたが、数学を用いることで業務課題を解いたり、感覚的に感じていることを定量的に示すことができたりすることがわかり、今更ながら「数学ってすごいな」と思うようになりました。(このようなことを言っていますが、私もまだまだ勉強中の身です。)

今、このコラムを書いていて、ふと高校時代に英語の授業で習った”It's never too late to learn.”(学ぶのに遅すぎることはない)という言葉を思い出しました。この言葉も当時はただ丸暗記しただけでしたが、今改めて思い返すと深い言葉だなあと感じます。学生時代に選択した「文系」「理系」という分類に従って、今、自分の興味がある分野の仕事をあきらめてしまうのはもったいないです。文系でも、理系でも、きっと活かせる能力はありますし、勉強しないといけないこともたくさんあると思います。ですので、文系の方でも、データ分析に興味があれば、ぜひチャレンジしてみてください。一緒に、データ分析技術を活用して世の中を便利で面白いものにしていきましょう!

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