「誰もが病気にならない未来」を
デジタルの力で実現する
伊原 未紗
2009年入社。電子カルテシステム企画の他、国内外の企業Allianceに従事。一貫してヘルスケア関連の業務を担い、現在ではフォーネスビジュアスの海外マーケットの企画を担当。
キョウ エイ
医療業界にて製薬会社向けの電子デバイス提供・導入サポートなどを経験したのち、2023年入社。現在は、フォーネスビジュアスの海外マーケットの企画を担当。
少子高齢化の加速する日本。いまや約3人に1人が65歳以上となり、人材不足や社会保障費の増大など、さまざまな問題が社会の至るところで顕在化してきています。
人々が生涯にわたって健やかで充実した生活を営むことができる社会。その実現と、持続のため、NECはヘルスケア・ライフサイエンス事業を推進してきました。AIなどの先端技術を生かし、ヘルスケアの世界で「社会を止めない。暮らしを止めない。世界中の人々の健康で豊かな暮らしを止めない。」。そんな挑戦を続けているヘルスケア・ライフサイエンス事業部門の伊原 未紗(いはら みさ)とキョウ・エイが、事業に対する思いを語ります。
一人の健康を支えることは、社会全体の安定にもつながる
ヘルスケア・ライフサイエンス事業は「社会を止めない。暮らしを止めない。」ことに、どのように貢献していますか。
伊原:病気というのは、一人だけの問題ではありません。病気になった人を支えるために、ご家族や、地域、医療機関など、周囲のさまざまな人や組織が関わっていくことになります。そういう意味では、一人ひとりの健康的な暮らしを実現することは、それを取り巻く社会の安定や豊かさにもつながってくるとも言えるのではないでしょうか。
「社会を止めない。暮らしを止めない。」そのためにも、私たちはライフスタイルサポートの仕事を通じて、「誰もが病気にならない未来」の実現を目指していきたいと思います。
「誰もが病気にならない未来」とはどういったことでしょうか。
キョウ:日本のみならず、世界中で高齢化が進んでいる現在、医療サービスを受ける人が増えることで、さまざまな問題が噴出しています。特に医療費や介護費の増大は大きな課題で、将来的には現行の社会保障制度ではまかないきれなくなる可能性も想定されます。
そこでいま注目されているのが、「病気になってから治療する」ではなく、「病気になりにくい体を作って健康を維持する」という「予防医療」の考え方です。将来病気にかからないように対策をする「予防医療」が浸透していくことで、高齢化社会における医療問題の解決にもつながります。私たちヘルスケア・ライフサイエンス事業部も、通院や介護を要さない健康寿命の延伸をサポートし、人々が健康的な暮らしを送ることができる社会を実現したいと考えています。
血中タンパク質検査で疾患を予測し、生活改善を後押し
伊原さんとキョウさんが担当しているNECグループの新規事業「フォーネスビジュアス」について教えてください。
キョウ:採血した少量の血液から膨大な種類のタンパク質を測定して、将来、病気にかかるリスクを可視化するサービスです。AIを活用し疾患ごとの発症リスクを予測するとともに、発症リスクを下げるための生活習慣改善のご提案もさせていただきます。対象となる病気は肺がん、認知症、心疾患、腎臓病で、今後も対象範囲を拡大していく予定です。
「フォーネスビジュアス」を広めていく上で、現在どのような課題がありますか。
キョウ:私と伊原はAPACを中心とした海外マーケットの営業を担当していますが、まだ病気や怪我をしてから治療するという考え方が主流です。健康診断の制度が普及している日本でも、「予防医療」はそれほど浸透していません。
フォーネスビジュアスの価値をご理解いただくため、予防医療に対する理解の促進が必要だと思っています。
まずは「予防医療」を浸透させていくことが大事ということですね。
伊原:それだけではありません。一般的に予防医療の検査は公的保険の対象にはならず個人負担となるため、費用負担の面で万人にご利用いただける状況にはないというのも事実です。認知症に罹患する人を減らしたいという思いがあったとしても、一部のお金を持っている人にしか受けられないサービスにとどまっていては意味がないですよね。
だからこそ、今後フォーネスビジュアスを社会に浸透させていくために必要なのは、「仕組み」や「仕掛け」を作っていくことだと思っています。例えば、健康経営を目指す企業に福利厚生の一環としてフォーネスビジュアスを導入していただく、といったような感じです。アプローチ先として考えられるのは、予防医療を推進することで経済的なメリットを期待できる組織や団体、例えば医療機関、保険会社、自治体などです。どこに可能性があるのか市場調査を進めながら、社会的課題を解決すると同時に、新たなビジネスモデルを構築していくことが、私たちの目下の課題となっています。
世界中の人々の健康的で豊かな生活を止めないために
NECはヘルスケア・ライフサイエンス領域において「live as you あなたを知り、あなたらしく選ぶ」というコンセプトを掲げています。この言葉には、どういった意味が込められていますか。
伊原:「live as you」は、当社が2030年に向けた「NECが目指すヘルスケアビジョン」で掲げたコンセプトです。「本人だけでなく家族や医療に関わる人にとって、一人ひとりにあなたらしく生きてほしい」という思いが込められています。
どういう思いを持って現在の仕事に取り組んでいますか。
伊原:私はNECに新卒入社して、一貫してヘルスケアに関わる仕事に携わってきました。生活の身近にある「医療」という領域に関われるのは大きなやりがいを感じますし、一人ひとりの健康的な生活を支える「フォーネスビジュアス」は、ヘルスケア・ライフサイエンス領域が掲げる「live as you」というコンセプトにも合致する事業で、大きな誇りを持って取り組めています。
キョウさんはいかがでしょうか。
キョウ:作り話みたいなのですが、私がNECに入社したきっかけはフォーネスビジュアスです。転職先を探していた時に、私の身近な友人が大病を患ってしまい、病気が発覚した時にはもう施せる治療がないという状況でした。ショックを受け、医療に関していろいろと調べていたところ、フォーネスビジュアスというサービスがあることを知りました。
もちろん、それが自分の仕事になるとは思いませんでしたが、たまたまフォーネスビジュアス事業に携わる人材をNECが募集していて、これは運命だなと感じ、迷いなく応募しました。
自分の信じるソリューションを提供できるというのは、大きなやりがいですね。
キョウ:フォーネスビジュアスは新規事業でもあるので、毎日が新しい挑戦の連続です。大変なことも多いですが、先輩の伊原をはじめ、チームのメンバーがサポートしてくれるので、本当に感謝しています。
組織ができたばかりなので、各人の裁量が大きいというのも、いまのチームの特徴ですね。自由度が高く、仕事のスタイルも個々人で違いますが、向いている方向はみんな同じ。フォーネスビジュアスの良さを世界中に広めていくという使命感はチームで共有できていると思います。
伊原:これからもチームで思いを一つにしながら、デジタルを活用したヘルスケアで世界中の人々の健康的な暮らしを止めない、という挑戦を続けていきたいと思います。
世界中に押し寄せる高齢化の波、日本は既に超高齢社会(65歳以上の人口が総人口に占める割合が21パーセント超の社会)を迎えています。私たち思いは、「社会を止めない。暮らしを止めない。世界中の人々の健康で豊かな暮らしを止めない。」こと。デジタルの力で、一人ひとりが健康的に過ごせる未来を見据えています。