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NEC Missionary 野口 圭が、NECのDXを語りあう~AI~ [32:05]

音声テキスト

■はじめに

NEC Missionary
野口 圭:

NEC Missionary野口圭です。
Missionary、みなさん馴染みがないかもしれません。
Missionaryには、NECがお客様とともに描く未来、そこにかける想い、これをわかりやすく伝えていく人、そんな意味を込めています。
X Dialogue、NEC DX Innovators100、このメンバーとさまざまな視点で、これからのDXをひも解いていきます。

■Chapter1 自己紹介

NEC DX Innovator
AI ビジネスイノベーションセンター センター長
秋元 一郎:

秋元一郎です。
私は、NECでは製品開発、運用から、M&A、経営企画と幅広く経験を積んだのちにAIの研究開発、事業開発に携わるようになりました。
事業開発の中でもNEC内のソリューション開発に注力しており、今まで約300社のお客様と事業開発を行ってきました。

NEC DX Innovator
NECアカデミー for AI学長
孝忠 大輔:

孝忠大輔です。
入社以来、一貫しデータ活用に関わる業務に携わり、データサイエンティストとして流通・サービス業のお客様を中心に分析コンサルティングを提供しております。
「データサイエンスの面白さを伝えたい」「AIをどううまく活用してよりよい社会を作っていくのか」といった想いから
最近では、「NECアカデミー for AI」というものの学長もやらせていただきながら、AI人材育成に取り組んでいます。人材育成には2017年に関わり始めて約5年間取り組んできました。
国内でもいかにAI人材を育成するのかが注目されており、産官学連携で取り組んでおります。

■Chapter2 AIとは何か?

実はプロの中でも「これがAI」とは決まり切っていない多様なモノで、
「AI=知的活動のシステム」ととらえることができると考えています。

NECのAIをどう捉えているか、これは人間の五感に当てはめて考えることが多いです。
目で見る、耳で聞く、頭で考えるといった人間の行動をAIは体現します。
視覚・聴覚はAIによる画像認識・音声認識。
思考・行動はAIによる予測・最適解の導き。
または合成音声、自動運転など幅広い世界でAIが使われております。
人そのものを造るのではなく、人の五感、行動をシステムで実現していくものがAIです。

■Chapter3 AIの浸透と活用

最近一番目につくキーワードというと、DX(デジタルトランスフォーメーション)ですが、逆に「AI」というワードは数年前であればいたるところにあったが最近は見なくなってきました。これはAIが社会により浸透してきた、活用が進んできた傾向とも言えます。

身近な活用例でいうとスマートスピーカーやスマートフォンが挙げられます。人間にとってなくてはならないものとして存在しています。
事業者への活用例も増えており、NECのAI技術は事業者へ2000件以上も活用されております。
更に、NECが有する特許の数は世界で5番目、4000件以上になります。
今のNECのAIチームは10年ほど前からAIビジネスを始め、知見の蓄積、経験によってチームの専門性が高まってきました。
秋元さんは設備系やグローバル系を得意としており、孝忠さんはまた別の領域を得意としています。
その中で思い出深いエピソードは、1つ目にニュージーランドで携わったAIの事業開発で
顧客データの分析をお客様とともに高い知見で話し合うことが出来ました。
2つ目に流通サービス業のデータ活用です。現在AIが第3次ブームと呼ばれていますが、流通サービス業では比較的早くからAIを用いたデータ活用が行われていて、その1例です。様々なデータを集めて、どのように活用するのかという中で、売上に繋げるための品揃え、商品選定、廃棄の削減をAI活用し導きました。
最近では、画像認識技術を活用したキャッシュレスの買い物などAI活用をした新たなチャレンジを行っております。
こういった色々な場面でAIが使われる世の中になっていく中で、AIを学ぶ人が専門家だけではなくなっていることが現状としてあります。
AI技術の検証だけではなく、どう事業化していくかが重要であり、AI技術を実装するフェーズに入っているのかと思います。

AIの活用が進んできた要因の一つはAIの技術が非常に進歩したことだと考えています。
また専門家でしか扱えなかったAI技術が使いやすいものに生まれ変わり、我々の身近になってきていることも非常に大きな要素です。
2000年代ごろのAIブームなどを経て、社会全体の知見が蓄積され、AIに何ができて、何が出来ないのかがわかってきたことで、AIにチャレンジしやすい環境が整い拡がりを生みました。

■Chapter4 AIの特性

1つ目は、膨大なデータから関係性を導き出す、見つけ出すことに優れています。
2つ目は、人に代わり画像や音声を認識することに優れています。
3つ目は、今非常に注目されている自然言語処理という分野、文章データをAIが解析し新たな価値を導くことです。
1つ目の膨大なデータから関係性を導き出す、見つけ出すことは、データの関係性を導くうえで消費者とビジネスの二つの観点が存在します。
消費者観点としては、音楽配信やショッピングサイトが代表例としてあがる、膨大なデータからユーザーを分析し関係性を導き出しレコメンドを行うことです。
ビジネス的な観点としては、製造工程のボトルネックや不良品をつくる要因を膨大なデータから導き出すことです。
AIは様々なデータを結び付けて、どんな意味があるのか、どんな活用ができるのか導き出してくれます。
2つ目の人に代わり画像や音声を認識する機能は、ここでも先ほどと同様に消費者・ビジネスの2つの観点があります。
消費者観点の具体例としては、スマートフォンに導入されている顔認証をAIが行うことです。
ビジネス的な観点としては、工場製造ラインの検品作業にもAIの画像認識が活用されております。
AIの画像・音声認識技術はこの数年で飛躍的に進歩しております。
3つ目のAIの自然言語処理に関してですが、この数年で飛躍的に進歩しており、以前の機械翻訳は翻訳されたテキストの不自然な部分に手を加える必要がありましたが、現在はそのまま使えるぐらい自然な翻訳が可能になりました。

■Chapter5 AI技術の活用ケース

前述した通り、NECでは2000件以上のAIを活用した様々なプロジェクトを行っております。その中でAIに何ができて社会にどう役立つかという視点もあるかと思いますが、
効率化、コスト削減から新たな価値を生み出すまで、幅広い活用の考え方があります。
わかりやすい効率化の例でいうと、SDGsに関わるフードロス削減へのAI活用があります。
消費者が何をどれだけ購入するかという食品需要の予測、食品の賞味期限や購買意欲を踏まえて品揃えと廃棄品のバランス予測をし、消費者の購買傾向も分析することで、精度の高い需要予測を実現したケースになります。実際にNECのAIを用いた需要予測では約30%のフードロス削減に繋がった事例もあります。
一方でNECのことではなく、企業はAIをどのように活用すればよいのか?という声も多くあがっています。AIはいろんな捉え方をされますが、ツールとして捉えることで何が困りごとで、何を解決したいのか、どのAIを活用していけばいいのかの可能性を価値基準で考えるとよいと思います。
実際に運用していくことを想像したときには、AIシステムをつくる側と使う側が存在するため、意識することもそれぞれで変わってきます。
AIはあくまでデータを加工するツールであるため、AIシステムをつくる側は、データの特性と業務の特性を理解している必要があります。また、AIで扱うデータは様々な種類があり人に関するデータも扱うため、AIに関わる法律、倫理を知っておくことも大切です。AIが社会に浸透するとともに、人が介在する世の中での位置づけ、折り合いを考えなくてはならないからです。つまり、基点となるデータから適応する社会のことまでAIをどう運用し全体デザインを行うかが重要になります。
次はAIシステムを使う側について言及します。AIは非常に便利なツールですが、そのツールをどう扱うかが重要です。AIは様々なデータをどう学ぶかによって賢さが変わってきます。大学、高等専門学校ではAIについての学習がスタートしており、AIを扱える人材が世の中に排出されていく状況です。だからこそ今、産業界にいるメンバーもAIの扱い方を学び実用していくことが重要になります。
社会としてデザインしていくか、人とどう折り合わせていくかが本質的なところだと感じます。
AIの活用を組織として今後どう取り組むべきか、という観点で重要なのは、企業に属する個人単位でAIのリテラシーを高め、扱い方を知っていくことです。しかしAIは必ずしもうまくいくわけではありません。よって最も重要なのは、AIを活用しチャレンジを許容する、失敗を許容する組織作りだと考えています。

■Chapter6 ターニングポイントを迎えるAIの新たな可能性

AIは新しい転換期を迎えています。ある程度のAIの知識があれば自由に使いこなすことができる世界に突入していると考えています。もう少し先の話として、AIが人間の社会に意識されることなく溶け込んでいき、人の黒子のように動くことで、物事が効率化するだけでなく、新たなおもしろさを見出していける世界をつくっていきたいです。
自然言語処理で人間の考えを読み取り、音声認識、画像認識でより人を超えて世界を認識していく、そして集まったデータから規則性やどんな関係性があるのかを探してくれることで、今までにはない知見を探し、いろんな可能性を見つけ出してくれる。こういった存在になっていくと思います。現在はAIによって集約されたデータの良し悪しを人間が判断する必要もあります。なので、集約されたデータの判断をAIが担うことができれば、さらにジャンプアップできると思っています。

■Chapter7 DXにおけるAIとは?

DXという枠組みの中でAIを使わなければ損をする存在になっています。だからこそAIをうまく使いこなすことがDXの進歩につながります。
一方で、AIとはDXにおけるツールであり、データをどう加工するかがAIの本質であり、そこから生み出されるものが社会的な価値になっていくと思います。
つまりAIはDXを加速させるため必要不可欠なキーファクターです。
またDXという答えがないモノに対してAIはともに課題解決に取り組んでいけるパートナーでもあります。
NECとしてはAIを使ってお客様がよりチャレンジをしていけるように寄り添っていく、こういったことを肝に銘じていきたいと思います。

Orchestrating a brighter world
NEC

概要

『NEC Missionary 野口 圭が、NECのDXを語りあう~AI~』
DXの加速とともに、より生活に溶け込み始めているAI。
一体、AIはどんなことができて、社会にどんな価値をもたらしていくのか。
AIを活用していく中で我々はどんなことを意識していかなければならないのか。
2000件以上のAIプロジェクトを支援してきたNECのAIチームに所属し、Innovators 100でもある秋元、孝忠の2人が考えるAIの基本と活用の心得を、Missionaryの野口が紐解いていきます。
DXを加速させるアクションのヒントを得られる動画になっております。


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(2023年2月16日)