「しずく」コラム 地球の水を追え!
(その6)アジアとヨーロッパを結ぶ北極海航路!?
2012年5月に打ち上がったばかりの「しずく」の観測が早くも注目を集めています。
北極海を覆う海氷の面積が2012年8月、史上最速のペースで縮小を続けていることが観測されたのです。過去に北極海の海氷が最小面積を記録したのは2007年9月24日で、425.4万平方キロでした。2012年夏季は2007年と同じペースで縮小を続けてきましたが、例年ペースが鈍り始める8月になっても加速し8月24日現在で約421平方キロまで縮小しました。
生成してから1年未満の薄い氷で表面が広く覆われていたこと、また一定面積内の海氷の割合が低く、過去の同時期と比べても非常に脆い状態になっていたことなどが原因として推定されています。
北極海航路はヨーロッパと東アジアを結ぶ最短航路のうちの1つですが、海氷の状況によって運行ルートが決まるため、北極海の海氷の状況には、アジアとヨーロッパを結ぶ北極海航路を通る運行会社も注目しています。海氷は融解を続けており、「しずく」は注意深く、その状況を観測しています。