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「はやぶさ」を継ぐもの第1回 若い力がプロジェクトを支える

探査機誕生までの100分

Q:お二人はどこで打ち上げを迎えたのですか?

  • 榎原:打ち上げ時は、私も益田も相模原のJAXA宇宙研内の衛星運用室にいました。打ち上げに関わる手順書も益田がまとめており、手順書は打ち上げ日毎に変わるため、その準備をしていました。

Q:打ち上げから探査機誕生までの現場の様子を教えてください。

  • 益田:打ち上がってから、ロケットと分離される探査機誕生までの約100分は、自分の作ったコンテンジェンシー(異常時対応)のケースにならないことだけを祈っていました。「これだけ考えて綿密に準備していたんだからちゃんと動いてくれるだろう!」そんなことを思っていました。
  • 榎原:私は「絶対に大丈夫だよ」と周りに言っていました。
  • 益田:榎原さんの「大丈夫だ」に支えられた気がします。

Q:最初に「はやぶさ2」からの電波を受けた時の気持ちはいかがでしたか。

  • 益田:何も表示されていない画面がぱっと緑(正常)の数値で埋められているのを見て周りから歓声があがりました。それでも私はすべての数値が正常かどうか目を皿のようにして確認し、オールグリーンでOKだったので、心の中で「やったー!」と。
  • 榎原:改めてプロジェクトメンバー全員に感謝の気持ちがわきましたね。私は探査機が順調であればあるほど、検査をしてくれたメンバーの顔が浮かびます。本当に細かいところまで試験中に確認してくれていたからこそ、宇宙でもちゃんと動くのですから。

初期運用中の管制室の様子 後列右から二人目 シスマネ榎原初期運用中の管制室の様子
後列右から二人目が榎原


Q:「はやぶさ2」の初期運用は順調に進んでいるようですね。ここまできた気持ちはどんなものですか?特に初期運用の手順をコツコツと作り上げた益田さんは。

  • 益田:宇宙でないと試験できない項目もあるので、やってみたらまた予想もしないことが起こるんじゃないか・・・と、私は心配していた部分もあったのですが。作った苦労が報われたように順調に推移しています。
    打ち上げ後に搭載カメラで実際にサンプラホーンが伸展するのを見た時は「すごいな」の一言でしたね。背景が真っ暗なので、今まで試験で背景のある画像ばかり見ていた私にとって「本当に宇宙にいるんだなあ!」という感を強く持った瞬間です。
    イオンエンジンの立ち上げは「はやぶさ」の時にはなかなか大変だったと聞きましたが、そのことを十分lessons learned(レッスンズラーンド)※として運用手順に盛り込んだ結果、スケジュール通り初期チェックを行うことができました。

    • lessons learned(レッスンズラーンド):経験によって得た教訓
  • 榎原:Kaバンド通信系の初期チェックも順調でした。2つのアンテナのうちXバンドは金星探査機「あかつき」からのものですが、Kaバンドは深宇宙としては初めて使う周波数帯でしたので。海外の地上アンテナを使い、JAXAの方々の指導を得て予定通りやりきることがでました。
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