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若き指揮官が語る小惑星を目指す旅のはじめの一歩

アイデア次第で燃料が節約できる

Q:3月に続いて6月には2回目のイオンエンジン連続運転を102時間。


3月と6月で60m/sの加速量というのは、そんなに大きいわけではありません。まず、最初の1年間はイオンエンジンの準備期間と位置づけ、出るべき問題は出し尽くし、完璧に動くようにする。どんなにまずい事態になってもこの1年間で修復しよう、と考えていました。ところが、何をやってもうまくいっちゃいました。


Q:ドラマは生まれなかった(笑)。9月にもイオンエンジンを追加噴射していますがこれは?


もともとの予定にはなかったのですが、12時間だけ噴きました。


Q:より精密な軌道制御のため?


というよりも化学エンジンの燃料節約のためです。イオンエンジンは噴ける方向が限定されているので、精密な軌道の微調整には向きません。通常の運用だとその誤差を化学エンジンで吸収する必要が出てきます。しかし、あえて少し遠回りさせる軌道をとり、地球に近づいたところでより正確な情報にもとづきイオンエンジンを噴くことで、その誤差をキャンセルできる方法を見つけました。イメージとしては原付きバイクの2段階右折のような感じです。


Q:ゆっくり大回りして、より安全に、燃費も良く……。飛ばしながら考えたんですか?


そうです。このアイデアを軌道計画のチームとディスカッションし、検討・検証してもらって実現できた。軌道計画のための日々の計算をしていただいているNECのチームのおかげです。


写真:JAXA 小惑星探査機「はやぶさ2」プロジェクトマネージャ 宇宙科学研究所(ISAS)宇宙飛翔工学研究系 准教授 工学博士 津田 雄一氏

Q:これで化学エンジンの燃料はどのくらい節約できたんでしょうか?


そうですね……。(PCを開いて計算を始め、しばし無言)ざっと300g位になりますね。


Q:大きめのおにぎり2個分(笑)。


それだけあれば、向こうで結構なことができますよ(笑)。

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