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世界初の快挙! 小惑星の姿を明らかに
~「はやぶさ」のイトカワ観測に貢献したNECの技術~

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Science 2006年6月号表紙

2006年6月、イギリスのNatureと並ぶアメリカの科学雑誌Scienceの表紙を「はやぶさ」が撮影した小惑星イトカワの画像が飾りました。この号は「はやぶさ」による観測成果の論文が6本も掲載された特集号でした。
小惑星というと固い一枚岩を想像しますが、1990年ころから、さまざまなサイズの岩石がゆるやかに集まり、多くの隙間があるラブルパイル(がれきの山)構造ではないかという仮説がありました。
この仮説を世界で初めて実証したのが「はやぶさ」です。
実証にはNECの様々な技術が貢献しました。
「はやぶさ」に搭載されたカメラの画像とレーザ測距装置LIDARによる計測でイトカワの3次元形状があきらかになり体積を求めることができました。また降下時や周回観測によって重力が測定され、そこから求められた質量(重さ)を用いて密度を割り出すことができました。こうした観測データの解析から、平均密度が1.9g/cm3という低密度であることがわかり、イトカワが人類の初めて目にする「ラブルパイル」小惑星であることが裏付けられたのです。

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2011年8月号表紙になったイトカワの微粒子画像
クレジット:JAXA

「はやぶさ」の偉業達成に貢献した当社の技術者は、論文の共著者としてScience誌に名前を載せています。
さらに2011年、「はやぶさ」が持ち帰った小惑星イトカワの微粒子を分析した成果がもう一度Science誌の特集となりました。地球に落ちてきた隕石と小惑星のつながりが実証され、かつて大きな小惑星だった天体がバラバラになって再構成された、つまりラブルパイル天体であることが裏付けられました。
「はやぶさ2」観測の成果も続々とScience誌を飾り、2020年5月号の「はやぶさ2」成果論文には、NECの技術者の名前も掲載されています。

取材・執筆:秋山 文野
2020年6月11日 公開

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