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関西から宙(そら)へ~「はやぶさ」を継ぐもの~

未来へ向かって 新たな道標を

  • 小笠原:さて2014年末には「はやぶさ2」が打ち上げられます。今回のiEXPO関西2013の展示では10分の1の模型を展示してあります。大きさ920m、自転周期7時間38分のC型小惑星「1999JU3」への到着は2018年半ば、地球帰還は2020年を目指しています。

図版:2014年「はやぶさ2」打ち上げ

  • 飯山:この小惑星のC型のCは、カーボンのCです。C型は水っぽいのです。S型は一回溶けて固まったものですが、C型はおそらく太陽系前のものが残っている可能性があります。
  • 小笠原:「はやぶさ2」は通信系を2系統持っています。星センサも2つ持っています。宇宙空間を飛ぶ時、自分がどっちを向いているかを知るのは大変難しい。そこで、星のセンサで星の映像を撮ります。それで姿勢を知るのです。

    また、リアクションホイールを4台搭載しています。「はやぶさ」は3つしかありませんでしたし、そのうちの2個が壊れて、非常に苦しい思いをしました。こうした経験を踏まえ、できるだけ強い「はやぶさ2」にしました。
  • 小笠原:今NECは地球を観測する新しい衛星[ASNARO]をつくっています。2013年度に打ち上げ予定の「ASNARO」は、高度504㎞の軌道を回り、0.5m未満の分解能を実現します。経済産業省の先進的宇宙システムの研究開発で推進するこのプロジェクトは、新しい開発・製造・運用の手法・仕組みによる“低コスト”“短納期”を特徴とする衛星開発技術の取得と、サブメーター級の分解能をもつ小型地球観測衛星の実現を目的としています。
  • 秋山:私は先ほど教育をやっているとお話しましたが、最近では宇宙政策も担当しています。サントリーがお金を出して缶サット甲子園を開催していると言いましたが、この写真は4月6日にリトアニアで行われたイベントの記事です。外務省と協力して国際協力の一環としてリトアニアでもやっています。

    図版:リトアニアでの缶サット活動を伝える地元紙リトアニアでの缶サット活動を伝える地元紙

    実は今、缶サットのやり方を世界中に教えています。そうすることで、どんどん缶サットは広がっています。

    なぜそんなことをするのかと言いますと、現在衛星をつくれる国は10か国くらしかありません。衛星を他の国から買っているのが55か国くらい。それが50年後には、衛星購入国が100か国程度に増えると予想されます。その時までにライバルばっかりつくるのではなく、味方をつくらなければなりません。これを「宇宙クラスター」と呼んでいますが、そのような味方を教育というやり方で、同じ釜の飯を食べ一緒に学んでもらって取り込むそんなやり方をしています。

    その次は、50㎏サイズの衛星をつくります。目標は20か国です。今年の8月に打ち上げが予定されているイプシロンロケット。毎年20か国のうち、5か国に「50㎏の衛星をイプシロンで打ち上げませんか」と誘い、毎年4、5億円出してもらえれば衛星を打ち上げることが出来ます。これを4年間続ければ、イプシロンが20機打ち上げられ、新しいインフラができ、それを共有できるのです。

    今私はこういう世界をつくろうと、戦略的に考えています。ぜひNECにも海外サプライチェーンを構築してもらって、皆で衛星をつくろうじゃないですか。

図版:海外向け宇宙教育の目的と意義

結びに

  • 小笠原:今日の話をそろそろ締めたいと思います。最後に一言ずつお願いします。
  • 飯山:あまり頑張らないように、“ぼちぼち”とやってくのがよいのではないでしょうか。
  • 秋山:私は関西人なのですけれど、あまり関西弁をしゃべっていません。私は、嘘をつく時は標準語を使います。関西弁が出てきたら本音を言っていると考えてください。今日はところどころ関西弁でした!(※)

    (※)編集注 どこがホントの部分だったかは、当日来られた方だけの特典です。
  • 小笠原:本日は、暑い中長時間の“熱い”ディスカッションありがとうございました。

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秋山 演亮 (あきやま ひろあき)

【プロフィール】
1969年生まれ。滋賀県育ち。和歌山大学 宇宙教育研究所 所長 / 特任教授 。
専門は惑星表面探査。小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトでは理学カメラメンバー。西松建設、JAXA研究員を経て、秋田大学で「能代宇宙イベント」を企画。2008年に和歌山大学へ着任し、2010年、和歌山大学 宇宙教育研究所の初代所長に就任し、現在にいたる。

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飯山 青海(いいやま おおみ)

【プロフィール】
1971年生まれ。新潟県出身。平成14年より大阪市立科学館学芸員。
大阪市立科学館をはじめ全国60館以上のプラネタリウムで上映された「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」の制作に、総合プロデューサーとして携わった。
オーストラリア・ウーメラ砂漠にて、「はやぶさ」の帰還の様子を映像に収めることに成功した。

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小笠原 雅弘(おがさわら まさひろ)

【プロフィール】
1982年、NEC航空宇宙システム入社。その後一貫して、ハレー彗星探査機「さきがけ」「すいせい」、スイングバイ技術試験衛星「ひてん」、月周回観測衛星「かぐや」そして「はやぶさ」など、太陽系探査機の開発/運用に従事。

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