イベントレポート

ラグビーワールドカップ2019™、
東京2020オリンピック・パラリンピックに『集まろうぜ。』

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2018年11月8日(木)・9日(金)、東京国際フォーラムで「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2018」を開催しました。会場には、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)様とラグビーワールドカップ2019組織委員会様と共同で特設ブースを設置。一流アスリートによる対談や競技の実演、パラアイスホッケーやボッチャなどの体験を行いました。
スポーツを通じて、国籍や性別、障がいの有無などに関わらず、誰もが豊かに暮らせる共生社会を実現したいという思いで取り組んでいます。

また、特設ブースに掲げられた「集まろうぜ。」というメッセージには、最先端のテクノロジーを活用して、安全・安心に熱気や感動を皆で共有できる大会を実現したいという思いが込められています。

北京2008オリンピック ウエイトリフティング6位入賞 齋藤 里香 パラパワーリフティング選手 マクドナルド山本 恵理

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2020年、“3秒”のロマンをその目で

東京2020大会を、みんなで盛り上げていきたい。パラリンピックスポーツを、もっと知って欲しい。特設ブースでは2人の女性アスリートをお招きして、競技の醍醐味や東京2020大会への思いなど、アスリートならではの視点から話を伺いました。

まず、お二人それぞれ自己紹介をお願いいたします。

齋藤氏:私は、ロンドン2012オリンピックの選考会を機にウエイトリフティング競技を引退し、現在はトレーナーとしてアスリートや一般の方のトレーニングをサポートしています。日本アンチドーピング機構における活動や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会のアスリート委員としての活動も行っています。

山本氏:私が、パラパワーリフティング競技を始めたのは、2年半前です。現在は、日本財団パラリンピックサポートセンターで、パラリンピックスポーツの普及や啓発活動などの仕事を行いながら、東京2020大会の出場を目指して競技活動を続けています。

ウエイトリフティングとパラパワーリフティング競技について、教えてください。

齋藤氏:ウエイトリフティングは、男女ともに体重によって階級が分かれています。競技は、スナッチとクリーン&ジャークという2種目があり、それぞれ3回の試技を行います。そして2種目の試技それぞれの最高重量の合計によって順位を競います。両手でバーベルを握り、一気に頭上まで上げるのが「スナッチ」。床から鎖骨の位置までバーベルを一度持ち上げて、次の動作で頭上まで差し上げるのが「クリーン&ジャーク」です。

山本氏:下肢に障がいがある選手が出場するパラパワーリフティングは、一般のベンチプレスに似ています。特殊な構造のベンチプレス台に仰向けになって、上半身の力だけでバーベルを上げます。競技のポイントはきれいなフォームで、重い重量を上げること。男女ともに体重別に10階級に分かれていて3回の試技を行い、その中で最高重量の結果で順位が決定します。310kgという世界記録は、健常者での同階級の世界記録を上回っています。

お二人は、それぞれの競技とどのように出会ったのですか。

齋藤氏:中学時代に陸上競技を行っていて、トレーニングの一環として教わったのがウエイトリフティングとの出会いです。トレーニングのつもりで、いつの間にかスナッチとクリーン&ジャークの練習をしていたという感じでしたね。

山本氏:9歳の時から始めた水泳でパラリンピックを目指していたのですが、16歳の時に怪我で水泳を断念しました。その後カナダに留学してパラアイスホッケーに出会い、2年間はカナダの女子代表選手として活動しました。日本に帰国して仕事をしている時、たまたま誘われて参加したのがパラパワーリフティングの体験会で、それが初めての出会いでした。

競技の魅力や見どころについて聞かせてください。

齋藤氏:ウエイトリフティングは3回の試技の中で、自分の記録をしっかり残しつつ、上位を狙う競技です。また、ウエイトは1kg単位で増やせるので、相手と微妙な駆け引きをしながら勝負に挑むというのもポイントです。選手を応援するとともに、試合全体の流れを見ながら、選手同士の駆け引きを観戦するのも見どころといえます。

山本氏:パラパワーリフティングの場合、実際に試技を行う時間は3秒程度。そのわずかな時間にかける気迫と集中力、そして筋力がまさに見どころで、私はその3秒を“ロマン”だと思っています。また、選手それぞれによって異なるルーティーンに注目したり、イチ押し選手を見つけたり、ぜひパラパワーリフティングの“3秒の試技”のファンになって欲しいと思います。

最後に、東京2020大会に対するお二人の思いやメッセージを聞かせてください。

齋藤氏:最近は、女子選手に注目が集まっていますが、男子にもぜひ頑張って欲しいです。東京2020大会のウエイトリフティングとパラパワーリフティング競技は、この国際フォーラムが試合会場になります。2020年には、東京のど真ん中にあるこの会場に足を運んで、その場でしか味わえない空気感や臨場感をぜひ楽しんでいただけたらと思います。

山本氏:選手にとっては、たくさんの応援がバーベルを上げる力になります。2020年には、この国際フォーラムで310kgという世界記録が更新される瞬間を目にすることができるかもしれません。その瞬間を多くの人と共有できたらと願っています。私自身も、競技者の一人として、大会出場を目指して頑張りますので応援よろしくお願いします。

齋藤 里香 氏

中学時代は陸上部に所属、高校からウエイトリフティングを始めると、高校記録を次々と塗り替えるなどの才能が開花。大学進学後も日本新記録を樹立するなど好成績を残す。
世界選手権には2005年から3大会連続出場。北京2008オリンピックに出場。ジャークで122kgを上げて日本新記録を達成する。

・2018年アジア選手権6位
・北京2008オリンピック ウエイトリフティング 6位入賞

マクドナルド山本 恵理 氏

日本財団パラリンピックサポートセンター(以下パラサポ)所属
生まれつき二分脊椎という障がいがあり、小学校3年生の時から水泳を始める。
その後カナダに留学してスレッジホッケーに出会い、2013~2015年まで、カナダ女子代表メンバーに選ばれる。日本に帰国後、現在はパラサポで職員として障がい者の理解のためのプログラム等を作成しながら、東京2020パラリンピック出場を目指し、パワーリフター「マック」として、トレーニングに励む。

・女子55kg級IPC日本記録保持者

ラグビーワールドカップ2019組織委員会
JRFU連携・レガシー局JRFU連携部長
福島 弦

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ラグビーの魅力と地域の魅力を、同時に楽しむ大会に

ラグビーワールドカップは、夏季に開催されるオリンピック及びパラリンピック、サッカーのワールドカップに並ぶ、世界に誇るビッグなスポーツイベントです。2015年に行われたイングランド大会では、日本が強敵南アフリカに劇的勝利を収めたシーンが、記憶に残っている方も多いと思います。いよいよ来年9月、日本で開催される大会について、ラグビーワールドカップ2019組織委員会の福島 弦氏に話を伺いました。

ラグビーの魅力を、より多くの人へ

開催まで1年を切った現在、2019年9月の開幕に向けてどんな取り組みを進めているのですか。

福島氏:ラグビーワールドカップ2019™日本大会に向けて、私たちが目指しているのは“記憶に残る”大会運営です。そのためにはスタジアムなどのハード面のみならず、ラグビーの魅力をより多くの人たちに知っていただくためのソフト面からの取り組みも同時に進めています。地域のコミュニティや自治体からの提案・アイデアなどに耳を傾けながら、パートナーとともに2019年に向けて全国を盛り上げていくことが重要だと思っています。

12の都市で、世界のラグビーと日本の魅力を堪能

2019年の日本大会の魅力をわかりやすく教えてください。

福島氏:日本大会をひと言で表現するなら、世界のラグビーの魅力と日本の地域の魅力が融合した大会だといえます。ゲームが行われる全国12の都市では、世界トップレベルのラグビーの試合を堪能するだけでなく、たとえば北海道の大自然、大分の温泉など、各地の魅力や文化も同時に楽しむことができます。さらに、地域の人と世界の人との交流も、12都市開催の大きな魅力です。前回大会のロンドンは、試合が開催される町全体がお祭りのような雰囲気に包まれたといいます。2019年、日本も同じように各地域の人や、街全体が世界の人たちとの間で、ラグビーの高揚感を、思い切り共有・満喫して欲しいですね。

大好きな釜石とラグビーへの思いを込めたキックオフ宣言

2019年に向けて、釜石にはスタジアムが新設されましたね。

福島氏:2018年8月には、釜石鵜住居復興スタジアムのオープニングセレモニーが行われました。このスタジアムが建てられたのは、震災前は小学校があった場所です。セレモニーでは、その小学校の卒業生であり、被災者でもある一人の女子高生がスピーチを行いました。2015年に行われたイングランド大会を現地で観てラグビーファンになった彼女は、大好きな釜石とラグビーのために、2019年に向けて何かできることはないかと、自ら申し出てくれたのです。スタジアムのキックオフ宣言として、世界へ向けて語った彼女の言葉は、会場を訪れた多くの人の心に深く響きました。釜石で行われるラグビーワールドカップが、災害復興のスピードアップを図る起爆剤となったり、釜石の人々を元気づけるパワーとなったり、地域の活性化に貢献できたらと期待を寄せています。また、新設のスタジアムが釜石の人々にとって、未来をつくる希望のシンボルとなり、大会後もたくさんの感動やさまざまな思い出を生み出してくれたら、とてもうれしいです。

地域に根差したラグビーの発展を

ラグビーワールドカップ2019™日本大会を通じて、2019年以降に残していきたいものとは何ですか。

福島氏:福島氏:それは、2つあります。1つは、ラグビーワールドカップ2019™日本大会が単なるイベントで終わるのではなく、2019年以降も“持続的”にラグビーを応援してくれるファンを増やすこと。そして、2つ目は、ラグビーワールドカップ2019™日本大会をきっかけとして、街や地域のビジネスの“持続的”な成長につながればと願っています。

福島 弦 氏

ラグビーワールドカップ2019組織委員会 JRFU連携・レガシー局 JRFU連携部長
1987年、北海道生まれ。北海道において高校時代よりラグビーを始める。2010年にコンサルティングファーム マッキンゼー&カンパニーに入社。2015年まで、日本・アメリカ・シンガポール・イギリス・インド・ヨルダンなど各国において、国際企業の戦略策定、エネルギー関連の投資戦略、政府関連プロジェクトなど多岐にわたる戦略業務に従事。
2015年よりラグビー界に参画し、スーパーラグビー日本チーム サンウルブズの創業、ジェネラルマネージャーとして勤務。2017年より現職。

大会に向けた取り組みと残していきたいレガシー

地域やアスリートとのつながりを、その先へ
~2つの世界的スポーツ大会が目指すレガシー~

地域もラグビー関係者も喜ぶ大会を

ラグビーワールドカップ2019組織委員会
レガシー部 部長 本田 祐嗣 氏

ラグビーワールドカップ2019™日本大会は、北海道から九州まで全国12の都市でゲームが行われるのが大きな特長です。2019年にそれぞれの地域で熱いストーリーを生み出すために、現在は大会を盛り上げる地域のコミュニティづくりなど、各都市の自治体や地域のラグビー関係者の方々と一緒に、新しい魅力や価値の創造に向けて取り組みを進めています。

2019年は、ラグビーに関わる人たちと地域の人たちの双方が良かったと思える大会にしたい。そのために私は、「パートナーにとって大切なモノを、大切にしていく」ということを意識しながら、2019年に向けて活動しています。そして開催後は、ラグビーの発展と地域の発展というレガシーにつながればと期待しています。

スポーツの力で世界と未来を変えていく

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
アクション&レガシー部 課長 佐々木 啓二 氏

東京2020組織委員会では、「スポーツには、世界と未来を変える力がある」という大会ビジョンを掲げ、“スポーツ・健康”“アスリートが競技以外でも活躍する社会の実現”というテーマでレガシーへの取り組みを行っています。スポーツと子供たちのふれあいを増やすなど、スポーツのすそ野を広げるイベントや施策を、アスリートと一緒に進めています。

現在、私が担当しているスポーツ・健康をテーマにした活動では、意見を伺ったり、地域で開催されるスポーツイベントに参加していただいたり、アスリートの人たちとの関わりが深くなっています。アスリートならではの経験を活かした競技以外の分野における活躍や社会貢献を、2020年以降にもレガシーとして広げていけたらと思います。

東京2020大会に向けたTDM推進プロジェクト
~大会中、道路や鉄道が混雑しないためにできること~

自治体、企業、住民。みんなの力をひとつに渋滞を緩和

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
輸送局 輸送調整部長 大澤 雅章 氏

東京2020大会には、アスリートや審判員、大会関係者など、世界中から人がやってきます。また、競技で使用するスポーツ用具やメディアの方たちが使うカメラやマイク機材なども世界中から集まってきます。こうした“人”と“物”を大会開催中に、スムーズかつ確実に「運ぶ」。それが、私たち輸送局に課せられたミッションです。

スムーズな大会運営を目指し、交通量15%削減へ

東京2020大会開催期間中、何も交通対策を行わない場合は首都高速の渋滞が現況の約2倍に増えると予測されています。試合に向かう選手が会場到着の予定時刻に遅れる、競技に使う用具や撮影機材の到着が間に合わない、こんな事態は、絶対に許されません。そこで、道路交通の約15%の交通量削減(平日)という目標を掲げ、“人の流れ”と“物の流れ”の2つの側面で、いまから経済団体やさまざまな企業に渋滞緩和への取り組みを呼びかけています。

  • “人の流れ”について 企業の理解による時差ビズ、テレワーク、夏季休暇取得、さらに自家用車通勤の自粛など、人の流れの分散や抑制によって混雑や渋滞を減らします。
  • “物の流れ”について 発/着荷主の協力による配送時間やルート変更、ペーパーなど日用品の大会前配送などサプライチェーン全体の協力により、道路交通量を減らします。

大会を2年後に控えた今年、多くの企業のご協力を得て時差ビズやテレワークよるトライアル検証を実際に行いました。約30万人の方が参加したテレワークでは、豊洲駅の駅改札の利用が約7%減少したという成果が出ています。物の流れについては、走行トラック数の削減や配送時間変更など、メーカーや物流など企業のご協力による交通量削減の実効性を確認する検証を2019年の夏に計画しています。

企業のご協力に加え、大会中には会場周辺にお住まいの方々にもお願いしたいことがあります。たとえば宅配便の再配達を少なくすることで、周辺の交通量を減らすことができます。みなさんの小さな努力が集まることで、交通量15%削減でスムーズな大会運営という大きな成果につながると思います。

※TDM: Travel Demand Management

東京2020はゴールではなく、スタートだ。
~12年間のアスリート人生を次の世代に繋ぐために~

障がいを気にせずスポーツを楽しむ日常を子供たちに

バンクーバー2010冬季パラリンピック
パラアイスホッケー 銀メダリスト
NEC 東京オリンピック・パラリンピック推進本部
障がい攻略エキスパート 上原 大祐

パラアイスホッケー選手として12年間のアスリート人生を経験した私が、2020年以降に残していきたいレガシーは、2つあります。1つは、障がいを持つ子供たちがスポーツを楽しめる場所を増やすこと。体育館やアイスリンクなど多くのスポーツ施設が、障がい者を区別なく受け入れてくれれば、子供たちの“スポーツをあきらめる”という悲しみを、“スポーツを楽しむ”という喜びに変えることできるのです。多くの子供たちがパラリンピックスポーツと出会い、ふれあうことで、将来パラリンピック選手として世界に羽ばたいていく可能性もきっと広がります。

そして2つ目は、パラリンピックスポーツのすそ野を広げること。自分の足で走れない障がい者は、バスケットボールはできません。でも、車いすバスケットなら障がい者も健常者も楽しむことができます。パラリンピックスポーツは障がい者のためのもの。こうした固定概念をなくしてパラリンピックスポーツをもっと広げていくことが、レガシーとして大切だと考えています。

パラリンピックスポーツの未来は障がい者だけでなく、健常者のみなさんと一緒につくっていくものだと思っています。以前、パラアイスホッケーのアスリートとして保育園を訪れたことがありました。園児たちは初めて見るパラリンピックスポーツに興味津々。訪問後も、毎日のように園児たちから質問攻めにあった保育園の先生は、いつの間にか競技に詳しくなったとか。また、帰宅した園児が興奮しながらパラアイスホッケーについて話すことで、両親も興味が湧いてきたそうです。パラリンピックスポーツが特別なモノではなく、みんなで育てながら、日常の中に根付いていく。東京2020大会に向け、今日をそのスタートにしたいと思います。

パラリンピックスポーツの体験も実施

パラリンピックの正式競技であるボッチャやパラパワーリフティング、パラアイスホッケーの体験コーナーをはじめ、バルセロナ1992オリンピックでバレーボールの日本代表として出場した、NEC社員大竹秀之のアタック最高到達点352㎝へのチャレンジなど、体験コーナーでは大きな拍手や歓声が巻き起こりました。

東京2020組織委員会コーナー
バレーボールアタック最高到達点チャレンジ
ボッチャ体験
パラパワーリフティング体験
パラアイスホッケー体験