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インタビュー006 このマシンなら3DCGで映画1本つくれるかも…、あ?また自分の首を締めてる(笑)

本木秀明

1966年生まれ、CGクリエイター。
1993年キャノン・アートラボ 『サイコスケープ』でデビュー後、ゲーム、映像、CD-ROM、Webサイトなどの制作プロジェクトに多数参加。「画を聴く、音を観る」をテーマに、独自の発想で映像と音楽の新しい関係を模索しつつ、『ZOUNDS』やミュージックビデオ、CM等の映像制作で実践している。その作品は国内外の映像フェスティバルで多数上映され、注目を集めている。
http://zounds.tv
『ZOUNDS』は平成16年度(第8回)文化庁メディア芸術祭 審査委員会推薦作品(アート部門)に選定される。

「この間、隣の家が火事になってこの窓に火が迫って来たんですよ。もう大慌てで、とりあえずPCの筐体だけコードを引っこ抜いて、抱えて飛び出しました。たくさんある本やCDとか、家具なんかどうでもいい。その時に本当に作品は自分の子供と一緒なんだ、と痛感しました」と苦笑いする本木秀明氏。
3DCGアーティストにとって自分のアイデアを形にするまでの時間は、気の遠くなる作業の繰り返しだ。個人プロジェクトであり、本木秀明ワールドの代表作である「ZOUNDS」は2002年にスタートし、新たなコミュニケーション・ツールとして、現在もその構想は進行中だ。その着想は2003年に短編作品『ZOUNDS:WE ARE ZOUNDS !』(音楽:松前公高)で、プロモーション用の3DCGアニメーションとして発表されているが、以降も試行錯誤は繰り返されている。「自分で考えた世界は自分でつくるというスタンスが、最も健全だと思っています」という彼にとって、制作者だけが知るその費やした茫漠たる時間が、火事によって灰になる恐怖は容易に想像が付く。最新PCが、これまでの作業の処理スピードを10倍速くしたとしても、それは取り戻せない時間と記憶の結晶なのである。

「大学での専攻は法律で、趣味で絵は描いていましたが、美術やコンピュータを専門的に学んだ事はありません。卒業後は好きだった横尾忠則さんが言っていた“富士山の霊的パワー”を感じたかったので、富士山の見える自動車工場に住み込みで働きました。そこで工業用ロボットと一緒に働いて、自分の中で自然のパワーからコンピュータの世界へと、価値転換が起こりました。富士山の有する「自然」と、コンピュータの「人工」という概念は、相反するものではなく、うまく共生できるのでは、という考え方は当時の経験で得たものです。結局半年程度でその工場を辞めて、コンピュータに触れる機会を得るために東京に生活の場を移して、コンピュータで絵を描きはじめました。90年代始めの頃で、マシンはマッキントッシュⅡfXの頃です。元々、音楽が好きで80年代に演奏が下手でもアイデアによって素晴らしい音楽を作るアーティストをたくさん見ていて、絵を描くというゼロからものを作っていくという作業の上で、自分の力を増幅してくれるマシンとしてのコンピュータの存在は、非常に肌が合いました」
アーティストとしての実質的なデビューは、1993年のキャノン・アートラボの展覧会で発表したインスタレーションの作品。メディアアート、ファインアートの作家としての活動の後、「人体」と「生命」がテーマとなったゲームの制作プロジェクトに参加するなど、個人より共同作業での活動が中心となる。並行して、PCの性能向上と導入コストの低下によって、個人レベルで制作環境が整いだすと、audio activeのCDジャケットや、テクノ系のイベント「エレクトラグライド」のポスターなど、個人の色が反映した制作物が徐々に増えてくる。そんななか、2002年に活動の拠点を生まれ育った明石に戻して「ZOUNDS」のプロジェクトに集中して取り組み、翌年に同作品は文化庁メディア芸術祭・審査委員会推薦作品(アート部門)に選定された。

音、映像、ネットワークを連鎖させるコミュニケーション・ツール「ZOUNDS」

「『ZOUNDS』の発想の原点は2冊の楽器の図鑑。もともと図鑑が好きなんですが、世界中の楽器を体系的に分類したものと、その体系からはみ出した楽器を紹介した2冊を見ているうちに、楽器の形と音というのが深く関わっている事に気付きました。分かりやすく言うと、ビオラとチェロのように形は同じだけれど、大きさによってその音色が変わるというような関係。楽器のDNAを考察しながら、楽器と生物を進化論的に重ね合わせるという表現ができないか、という発想です。このコンセプトとそこに登場するキャラクター名称の世界観を総称して『ZOUNDS』と名付けました。ZOOとSOUNDの造語です。この世界観をコミュニケーション・ツール化するために日々、格闘しているわけです」と笑う。そのキャラクターのアイデアソースとなったのは、自宅の近くの海岸で収集したコブシガニ。その形が楽器に見えたという。NEXT

 

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