1. Express 編

1.1. 構成

本ガイドの構成と各章の概要を以下に記します。

1.2. 概要

1.2.1. この章の目的

本ガイドではサンプルアプリケーションを利用し、実際にWebシステムを構築することで、構築を通してWebOTX ASの基本操作や製品構成を学ぶことを目的としています。

そのために、まずこの章ではWebOTX AS、やサンプルアプリケーション、今回これから構築するシステムの概要について説明します。

1.2.2. WebOTX AS について

1.2.2.1. ドメインについて

WebOTX ASでは管理リソースやサービス群を1つのグループとしてまとめた「ドメイン」と呼ばれる論理領域を基本構成単位としています。

複数ドメイン環境では各ドメインは独立に運用することが可能です。

ドメイン内には「Agent」と呼ばれるJavaプロセスが存在しており、WebOTX ASが提供する多くのサービスはAgentプロセス上で動作しています。

ドメインには「管理ドメイン」と「ユーザドメイン」の2種類のタイプがあり、各々以下の用途で用いられます。

WebOTX AS 概略1ststep
図1.2.2.1-1

(*1)
ドメイン... [ 製品構成と提供機能 > 3. 提供機能 > 3.1. 概要 > 3.1.5. ドメイン管理 ] を参照してください。
(*2)
各サービスについて... [ 製品構成と提供機能 > 3. 提供機能 > 3.6. 提供サービス > 3.6.8. ライフサイクルサービス ] を参照してください。

1.2.2.2. アプリケーションサーバについて

一般にアプリケーションサーバはWebサーバ、Webコンテナ、EJBコンテナの主に3つのコンポーネントから構成されています。通常のWebアプリケーションが稼動するシステムは下図のような、Webサーバ、Java EEサーバ、データベースの3つで構成されることが一般的です。

WebOTX ASではApache HTTP Server 2.2およびApache HTTP Server 2.4をバンドルしています。その他に利用できるWebサーバについては [ 製品構成と提供機能 > 3. 提供機能 > 3.2. Web層 > 3.2.1. HTTPサーバ ] を参照してください。

コンポーネント間概略1ststep
図1.2.2.2-1

1.2.3. システム構成

本ガイドを通し構築するシステムの構成について説明します。

ここで示す構成は、WebOTX AS ExpressをWindows環境にインストールする場合の一例です。その他のOSや詳細な動作環境に関しては、 [セットアップガイド > 1. 使用上の条件 ] を参照してください。

ハードウェア

表1.2.3-1
本体 Express5800シリーズ
メモリ 最小 512 MB 推奨 1 GB以上
HDD 200MB以上

ソフトウェア

表1.2.3-2
OS Windows Server(R) 2008, Standard
データベース Oracle Database 11g Release 2 (11.2.0)
Java SDK Java SE 7
ブラウザ Internet Explorer 8.0
統合開発環境(IDE) Eclipse 3.4

なお、本ガイドではWebOTX ASの運用を「Web版統合運用管理コンソール」から行います。Web版統合運用管理コンソールはWebOTX ASをインストールすると自動的にインストールされます。

また、WebサーバとしてWebOTX ASにバンドルされているApache Webサーバを用いた手順を記載しています。 既にシステムにWebOTX ASと連携可能な外部Webサーバがインストールされており、そちらを使用したい場合は、 [ セットアップガイド > 2. インストール > 2.3. インストール後の作業 > 2.3.1. Windows (WebOTX AS) 共通設定 > 2.3.1.4. Webサーバの動作設定(対象: Webサーバを利用する場合) > 2.3.1.4.2. Webコンテナ外部のWebサーバを利用する場合 ] を参照し、システムを構築してください。

1.2.4. サンプルアプリケーションについて

1.2.4.1. 動作概要

本ガイドで用いるサンプルアプリケーションは架空の会社の人事管理システムを想定した簡単なWebアプリケーションです。サンプルアプリケーションではあらかじめデータベースに登録されている社員の情報(社員番号、名前、部署)を検索します。検索には社員番号、名前、部署のいずれかの条件を指定し、その条件に対する検索キーワードをテキストボックスに入力します。

1.2.4.2. 構成

サンプルアプリケーションのアーカイブは StartupGuideSample.zip です。

本ガイドでは、D:\StartupGuideSampleにサンプルアプリケーションを展開します。

配備するコンポーネントファイルの構成を以下に記します。

表1.2.4.2-1
コンポーネント アーカイブファイル名 構成ファイル
Webコンポーネント FindEmployeeWeb.war Client.class, ControlServlet.class, index.jsp, result.jsp, fault.jsp
EJBコンポーネント FindEmployee.jar FindEmployeeHome.class, FindEmployeeBean.class, FindEmployee.class, AccessDb.class, Employee.class, Employees.class

サンプルアプリケーションは標準的なMVCモデルの構成をとっています。以下に各ファイルとMVCモデルの対応を記します。

表1.2.4.2-2
View index.jsp result.jsp fault.jsp
Control ControlServletClient
Model AccessDb, Employee, Employees, FindEmployee, FindEmployeeBean, FindEmployeeHome

各クラスはWebOTX AS 内で以下のように配置されます。

サンプル概略1ststep
図1.2.4.2-1

1.2.4.3. データベースに関して

サンプルアプリケーション用のデータベースに以下のデータを登録する必要があります。データベースへの登録の際はサンプルアプリケーション内のSQLフォルダ配下にSQLスクリプトがありますので、これを利用してください。

表1.2.4.3-1
NUM(整数) NAME(文字列) DEPT(文字列)
1 佐藤誠 人事部
2 鈴木明美 営業部
3 高橋浩 開発部
4 田中真由美 経理部
5 渡辺修 総務部
6 佐藤由美子 営業部
7 鈴木直樹 営業部
8 高橋恵子 開発部
... ... ...

データベース名、テーブル名は以下の名前で作成してください。

表1.2.4.3-2
データベース名 ORCL
テーブル名 COMPANY_EMP

本ガイドでは作成したデータベースへアクセスできるユーザとして以下のユーザを用います。ユーザ名とパスワードは適宜変更可能です。

表1.2.4.3-3
ユーザ名 scott
パスワード tiger 

SQLスクリプトの実行方法はReadMe.html内に明記しています。

1.2.5. 設定値の一覧

本ガイド中で設定する値の一覧です。

表1.2.5-1
JDBCデータソース
JNDIサーバへの登録名 jdbc/employee
データソースの種類 JDBC API
JDBC URL またはデータベース名、データソース名 jdbc:oracle:thin:@localhost:1521:ORCL
ユーザ名 scott
パスワード tiger
表1.2.5-2
配備
FindEmployeeWeb.war コンポーネントタイプ Webコンポーネント
ファイル D:\StartupGuideSample\FindEmployeeWeb\dest\FindEmployeeWeb.war
FindEmployee.jar コンポーネントタイプ EJBコンポーネント
ファイル D:\StartupGuideSample\FindEmployee\dest\FindEmployee.jar

1.3. インストール

1.3.1. この章の目的

この章ではWebOTX AS Expressのインストール手順と起動/停止方法について説明します。

ここに記載している項目以外のインストールに関しては[ セットアップガイド]を参照してください。

1.3.2. インストールの前に

インストール作業は、Built-in Administrator か Administrators グループに所属した管理者権限があるユーザで行わなければなりません。これらの管理者権限があるユーザでログインしていることを確認してください。

また、WebOTX ASの動作にはJava SE Development Kitが必要となります。Java SEのインストールに関しては本ガイドでは説明しません。Java SEのインストール手順に従ってインストールしてください。

1.3.3. WebOTX AS のインストール

マシンにWebOTX AS Expressをインストールします。なお、WebOTX AS Expressのインストール後は再起動が必要となりますのでご注意ください。

WebOTXメディアのDVD 媒体を DVD-ROMドライブに入れます。「WebOTX Application Server Express V9.4」を選択して「Install」を押します。DVD 媒体を挿入しても下の画面が自動的に表示されない場合は、エクスプローラで下記のEXEファイルを実行してください。この際、管理者権限のあるユーザで実行する場合は右クリックでコンテキストメニューを開き、「管理者として実行」によりインストーラを起動してください。

<ドライブ>:\wo_setup.exe

<ドライブ>は、DVD-ROMドライブのドライブ文字です。

インストール画面1
図1.3.3-1

「次へ」を押します。

インストール画面2
図1.3.3-2

[ユーザ情報]画面が表示されますので、[ユーザ名]ボックスと[所属]ボックスに名前、所属を入力します。[ライセンスキー]ボックスには、製品に添付されている 「ソフトウェア使用認定証」の「製品番号」に記載されている19桁の番号を正しく入力します。入力した情報に間違いがなければ「次へ」を押してください。

インストール画面3
図1.3.3-3

[インストール先のフォルダ]画面が表示されるのでインストール先フォルダを決定し「次へ」を押してください。インストール先フォルダを変更する場合には「変更」を押してください。

本ガイドでは、C:\WebOTXにインストールします。

インストール画面4
図1.3.3-4

[カスタムセットアップ]画面が表示されるので、インストールするプログラムの機能を選択します。本ガイドでは、WebOTX ASにバンドルされているApache Webサーバを用いるので、「Webサーバ」のツリーを展開します。

インストール画面5
図1.3.3-5

本ガイドでは「Webサーバ2.2」をインストールします。

「Webサーバ2.2」をクリックし、「この機能をローカルのハードディスクドライブにインストールします。」を選択します。

インストール画面6
図1.3.3-6

「Webサーバ2.2」がインストールされる設定となったのを確認し、「次へ」を押してください。

インストール画面7
図1.3.3-7

[インストール済みのJDKフォルダ]画面が表示されますので、既にマシンにインストールされているJDKのインストールフォルダを選択後、「次へ」を押してください(*1)。環境変数「JAVA_HOME」を設定している場合には、その設定値が表示されます。また、マシンに複数のJDKがインストールされている場合、最後にインストールした JDK のフォルダが表示されます。別のフォルダを選択する場合には「変更」を押してください。

(*1)
2バイト文字を含むフォルダは指定できません。

インストール画面8
図1.3.3-8

[ユーザドメインの作成]画面が表示されますので、「運用管理ドメインとユーザドメインを作成」を選択後、「次へ」を押してください。

インストール画面9
図1.3.3-9

[ユーザドメインの設定]画面が表示されますので、ユーザドメイン名、HTTPポート番号、および HTTPS ポート番号を設定後、「次へ」を押してください。

インストール画面10
図1.3.3-10

[プログラムをインストールする準備ができました] 画面が表示されます。「インストール」を押し、インストールを開始します。

インストール画面11
図1.3.3-11

インストール中、右のようなコマンドプロンプトが表示されますが閉じないでください。

インストール画面12
図1.3.3-12

インストールが成功すれば右の画面が表示されます。「完了」を押して、インストールを終了します。

インストール画面13
図1.3.3-13

設定変更を有効にするためにOSの再起動が必要となります。「はい」を押し、OSを再起動してください。

インストール画面14
図1.3.3-14

OS の再起動が完了したら、シャットダウンスクリプトの登録を行なってください。WebOTX ASを起動した状態で Windows OSのシャットダウンを行うと、OSによりWebOTXのプロセスが強制終了し、イベントログに以下の警告ログが出力されます。(片方のログのみが出力される場合もあります。)

OTX01205161: 予期せぬイベントにより、システム内部からアプリケーションサーバのシャットダウン要求が行われました。 (com.nec.webotx.enterprise.system.core)

Handle the signal : SIGTERM(15) [<ドメイン名>]

この問題を回避するためにシャットダウンスクリプトの登録を行います。シャットダウンスクリプトを登録すると、OSのシャットダウン時にWebOTXの停止が実行されます。

以下の一行を内容として含むスクリプトwoShutdown.batを作成し、任意の場所に保存してください。

net stop WebOTXAgentService

[スタート] - [ファイル名を指定して実行]で「gpedit.msc」と入力し、「ローカルグループポリシーエディター」を起動します。

左ツリーの[ローカルコンピュータポリシー]-[コンピュータの構成]-[Windowsの設定]-[スクリプト]を辿り、右画面に表示される「シャットダウン」右クリックメニューよりプロパティを選択します。

シャットダウンスクリプト登録画面1
図1.3.3-15

「シャットダウンのプロパティ」の追加より先ほど作成したシャットダウンスクリプトを登録します。

シャットダウンスクリプト登録画面2
図1.3.4-16

「OK」ボタンを押し、ウィンドウを閉じてください。これで、シャットダウンスクリプトの登録は完了です。

1.3.4. WebOTX AS の起動と停止

Windows版WebOTX AS は「WebOTX Agent Service」としてWindowsサービスに登録されます。既定ではOSの起動時にWebOTX Agent Serviceも起動されます。手動による起動/停止はWindowsの[コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス](services.msc)から行います。手動でサービスの起動/停止を行う場合には、Administrator権限をもつユーザでログインしている必要があります。

[コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス](services.msc)から「WebOTX AS Agent Service」を起動します。

インストール画面14
図1.3.4-1

WebOTX ASの起動状態の確認は運用管理コマンドから行います。[スタート]-[プログラム]-[WebOTX]から「運用管理コマンド」を起動してください。

運用管理コマンドで以下のコマンドを実行することでドメインの状態を調べることができます。

otxadmin> list-domains

WebOTXAdmin、domain1の状態がともに「running」と表示されていればドメインが起動されています。「starting」の場合はドメインの起動中ですのでしばらくしてから再度ドメインの状態を確認してください。

インストール画面15
図1.3.4-2

1.3.5. Web版統合運用管理コンソールからドメインに接続する

Web版統合運用管理コンソールからドメインへ接続する方法を説明します。[スタート]-[プログラム]-[WebOTX]から「Web版統合運用管理コンソール」を起動してください。Web版統合運用管理コンソールはWebブラウザから下記のURLにアクセスすることでも起動できます。

WebOTX AS ではインストール時に運用ユーザとして次のものを既定としています。

表1.3.5-1
ユーザ名 admin
パスワード adminadmin

運用ユーザのユーザ名とパスワードを入力し、「ログイン」を押してドメインに接続します。本コンソールでは、接続しているドメインのみを操作対象としています。

インストール画面16
図1.3.5-1

次の画面が表示されます。左画面にはドメインの構成がツリー形式で表示されます。各項目の設定は対象のノードの左クリックし、右画面に表示されるメニューから行います。以降、運用に関する設定や配備処理はWeb版統合運用管理コンソールから行います。

インストール画面17
図1.3.5-2

1.4. データベースとの連携

1.4.1. この章の目的

この章ではWebOTX ASとデータベースを連携させるための設定について説明します。なお、本ガイドではデータベース自身のインストール手順等については説明しません。また、連携にはJDBCドライバを用意する必要があります。Oracle DatabaseをインストールするとJDBCドライバもインストールされます。

1.4.2. JDBCドライバの準備

WebOTX ASとデータベースを連携させるためJDBCドライバを準備します。WebOTX ASではJDBCドライバはJava拡張パッケージとしてロードされる必要があるため、以下のフォルダ配下に配置してください。

今回はOracle Database 11gと連携するため、ojdbc6.jarを配置してください。

ドライバのロードには再起動が必要となります。[コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス](services.msc)からWebOTX ASの再起動を選択してください。

1.4.3. JDBCデータソースの登録

JDBCデータソースの登録をWeb版統合運用管理コンソールから行います。あらかじめ [1.3.5. Web版統合運用管理コンソールからドメインに接続する] の手順によりWeb版統合運用管理コンソールからドメインに接続します。

「リソース」-「JDBCデータソース」を左クリックし、右画面の操作リストから「JDBCデータソースの登録」を選択します。

JDBCデータソース登録画面1
図1.4.3-1

右画面に表示された各設定項目に以下の値を設定し、「実行」を押します。その他の設定をカスタマイズする場合は、 [ リファレンス集 運用管理・設定編 > 1. コンフィグレーション(設定一覧) > 1.8. JDBCデータソース > 1.8.2. JDBCデータソース設定項目一覧 ] を参照してください。

(*)2フェーズコミットを実行しない場合は、データソース種別として「JDBC API」を選択してください。

JDBCデータソース登録画面2
図1.4.3-2

JDBCデータソースの登録に成功すると、操作結果に成功のメッセージが出力されます。

JDBCデータソース登録画面3
図1.4.3-3

Web版統合運用管理コンソールのツリー画面に、作成したJDBCデータソース「jdbc/employee」が登録されていることを確認してください。

JDBCデータソース登録画面4
図1.4.3-4

正しく設定できたかどうかを確かめるには、「リソース」-「JDBCデータソース」にある「jdbc/employee」を左クリックし、右画面の「操作」タブを選択します。

JDBCデータソース登録画面5
図1.4.3-5

表示された操作リストから「テスト」を選択し、「実行」を押してください。

JDBCデータソース登録画面7
図1.4.3-6

操作結果に、テストの実行結果が表示されます。

JDBCデータソース登録画面8
図1.4.3-7

接続テストについては下記の記載も合わせて参照してください。

 [ドメイン構築・基本設定ガイド > 6. リソース > 6.3. JDBCデータソース > 6.3.2. JDBCコネクションプールの管理 > 6.3.2.1. 接続テスト]

1.5. アプリケーションのビルド

1.5.1. この章の目的

この章では、サンプルアプリケーションをビルドする方法を説明します。

サンプルアプリケーションについては [1.2.4. サンプルアプリケーションについて] を参照してください。

1.5.2. 事前準備

サンプルアプリケーションをビルドする前に、統合開発環境をインストールする必要があります。

本ガイドでは、統合開発環境としてEclipse3.4を利用して説明します。他の統合開発環境を使用する場合、その環境に合わせて同様の操作に読み替えてください。サンプルアプリケーションのビルドにはantを利用します。

なお、本ガイドではEclipseやantのインストール手順等については説明しません。

あらかじめ、サンプルアプリケーションをダウンロードし、任意の場所にアーカイブを展開してください。

本ガイドでは、D:\StartupGuideSampleにサンプルアプリケーションを展開しています。

1.5.3. サンプルアプリケーションのインポート

Eclipseにサンプルアプリケーションをインポートし、antを利用してビルドします。

まず、Eclipseのワークスペースにサンプルアプリケーションのプロジェクトをインポートします。

Eclipseを起動し、メニューの「ファイル」-「インポート」を選択します。

アプリケーションのビルド1
図1.5.3-1

[選択]画面が表示されるので、「一般」-「既存プロジェクトをワークスペースへ」を選択し、「次へ」を押します。

アプリケーションのビルド2
図1.5.3-2

[プロジェクトのインポート]画面が表示されるので、「ルート・ディレクトリーの選択」にチェックを入れ、サンプルアプリケーションのパスを入力します。

本ガイドでは、D:\StartupGuideSampleを入力します。

その後、プロジェクトの「StartupGuideSample」にチェックが入っていることを確認します。

「プロジェクトをワークスペースにコピー」のチェックが外れていることを確認し、「完了」を押します。

アプリケーションのビルド3
図1.5.3-3

プロジェクト「StartupGuideSample」が新規作成されていることを確認します。

アプリケーションのビルド4
図1.5.3-4

インポート完了後、JavaのビルドパスにWebOTXのライブラリが見つからないために、javax.ejb等のライブラリのインポートエラーが出力されます。プロジェクトのプロパティから[Javaのビルドパス]-[ライブラリー]-[外部Jarの追加]を選択し、${INSTALL_ROOT}/lib/javaee.jarを追加してください。統合開発環境としてWebOTX Developerを利用し、ターゲットランタイムに「WebOTX Application Server V9」を指定している場合はこの作業は必要ありません。

なお、WebOTX ASのインストール先かサンプルアプリケーションの展開先を本ガイドの設定値から変更した場合、以下の作業が必要となります。デフォルトの値で作業を進めている場合、この作業は読み飛ばしてください。

「build.properties」をダブルクリックして編集を行います。

右画面にエディタが表示されるので、以下の項目に正しいパスを設定してください。

本ガイドでは、以下のように入力します。

アプリケーションのビルド5
図1.5.3-5

1.5.4. サンプルアプリケーションのビルド

[1.5.3. サンプルアプリケーションのインポート] でインポートしたサンプルアプリケーションを、antを利用してビルドします。

「StartupGuideSample」のツリーを「FindEmployee」-「build.xml」が表示されるまで展開します。

アプリケーションのビルド6
図1.5.4-1

「build.xml」の右クリックメニューから「実行」-「Antビルド」を選択します。

アプリケーションのビルド7
図1.5.4-2

コンソールにビルド結果が表示されます。

アプリケーションのビルド8
図1.5.4-3

「FindEmployeeWeb」に関しても同様の手順でビルドを実行します。

コンソールにビルド結果が表示されます。

アプリケーションのビルド9
図1.5.4-4

「FindEmployee」と「FindEmployeeWeb」の「dest」に、以下のファイルが作成されていることを確認します。

これらのファイルは、本ガイドではそれぞれ以下のディレクトリに作成されます。

アプリケーションのビルド10
図1.5.4-5

1.6. アプリケーションの配備

1.6.1. この章の目的

この章では前章までに構築したシステムに対し、サンプルアプリケーションを配備する方法を説明します。

1.6.2. サンプルアプリケーションの配備

サンプルアプリケーションとしてWebコンポーネント「FindEmployeeWeb.war」とEJBコンポーネント「FindEmployee.jar」をWeb版統合運用管理コンソールから配備します。

あらかじめ [1.3.5. Web版統合運用管理コンソールからドメインに接続する] の手順によりWeb版統合運用管理コンソールからドメインに接続します。

Webコンポーネント「FindEmployeeWeb.war」を配備します。

「アプリケーション」を左クリックし、右画面の[配備]タブを選択します。

アプリケーションの配備1
図1.6.2-1

右画面に表示された各設定項目に値を設定し、「配備」を押します。

本ガイドでは、以下の値を設定します。その他の項目設定は必要ありません。

アプリケーションの配備2
図1.6.2-2

配備が成功した場合、ログに成功のメッセージが出力されます。

アプリケーションの配備3
図1.6.2-3

Web版統合運用管理コンソールから配備したコンポーネント「FindEmployeeWeb」がツリーに登録されていることを確認してください。

アプリケーションの配備4
図1.6.2-4

同様の手順で、EJBコンポーネント「FindEmployee.jar」を配備します。

本ガイドでは、以下の値を設定します。その他の項目設定は必要ありません。

アプリケーションの配備5
図1.6.2-5

配備が成功した場合、ログに成功のメッセージが出力されます。

アプリケーションの配備6
図1.6.2-6

Web版統合運用管理コンソールから配備したコンポーネント「FindEmployee」がツリーに登録されていることを確認してください。

アプリケーションの配備7
図1.6.2-7

1.7. アプリケーションの実行

1.7.1. この章の目的

[1.6. アプリケーションの配備] で配備したサンプルアプリケーションを実行し、動作確認を行います。

1.7.2. 動作確認

ブラウザを開き、URLに「http://localhost/FindEmployeeWeb/」を入力します。

[人事管理システム]画面が表示されます。

例として、各項目に以下の値を設定し、「検索」を押します。

アプリケーションの実行1
図1.7.2-1

検索結果が表示されます。

アプリケーションの実行2
図1.7.2-2

1.7.3. 動作しない場合の確認項目

サンプルアプリケーションがうまく動作しない場合は、以下のことをご確認ください。

1. WebOTX ASは起動していますか?

[スタート]-[プログラム]-[WebOTX]から運用管理コマンドを起動しlist-domainsコマンドでドメインの起動状態を確認してください。

ドメインが起動していなければ[コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス](services.msc)からWebOTX ASを起動してください。

アプリケーションの実行3
図1.7.3-1

2. Webサーバは起動していますか?

Web版統合運用管理コンソールからドメインに接続し、Webサーバが起動していることを確認してください。正常に起動していればアイコンが緑色に変わっています。

起動していない場合は該当アイコンの右クリックメニュー[操作]タブから起動してください。

アプリケーションの実行3
図1.7.3-2

3. データベースは起動していますか?

[コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス](services.msc)から本ガイドで作成したORCLデータベースのOracleDBConsoleサービス、OracleServiceサービスおよびOracleリスナが起動しているか確認してください。

アプリケーションの実行4
図1.7.3-3

起動していない場合は該当のサービスを起動してください。

4. JDBCドライバは適切なフォルダに配置していますか?

JDBCドライバが${INSTANCE_ROOT}\lib\extに配置されているか確認してください。

また、ドライバのロードにはドメインの再起動が必要となりますのでご注意ください。

1.8. こんなときには

1.8.1. この章の目的

この章では、本ガイドを通しサンプルアプリケーションの動作システムを構築したあとに、更なるステップアップとしてWebOTX ASが提供する有益な機能やチューニング項目とトラブル発生時の対処法について説明します。

1.8.2. 提供機能とチューニング項目

1.8.2.1. システムの情報を見るには

WebOTX ASではドメインの詳細な情報を取得する手段として、統計情報を提供しています。統計情報によりシステムのリアルタイムな情報を取得することが可能です。詳細は [ 運用ツールガイド > 1. Web版統合運用管理コンソール > 1.7. 状態管理 ] または [ ドメイン構築・基本設定ガイド > 9. モニタリング ] を参照してください。

例:Web版統合運用管理コンソール右画面に現在の物理メモリ使用量がリアルタイムに表示されます。

こんなときには1
図1.8.2.1-1

1.8.2.2. 運用を自動化したい

WebOTX ASではオペレータを介することなく自動で運用を行うためのバッチファイルやシェルスクリプトで使用できるコマンドを提供しています。これにより自動でアプリケーションの展開、サービスの開始、停止、設定の変更などを行うことができます。

詳細は [リファレンス集 運用管理・設定編 > 4. 運用管理コマンドリファレンス] を参照してください。

1.8.2.3. もっと多くのリクエストを処理させたい

大規模システムのようなアクセスが集中する環境では、同時により多くのリクエストに応答する必要があります。WebOTX ASでは内部Webサーバのコネクションリクエストキューの設定変更とWebコンテナの同時処理数の設定変更により、リクエスト処理のチューニングが可能です。

詳細は [ 高度な管理と運用サイクルガイド > 2. チューニング > 2.2. WebOTX Webサーバ または 2.3. Webコンテナ ] を参照してください。

1.8.2.4. DB接続の負荷を低減したい

システムに多くのリクエストが集中すれば、システムに対する負荷は大きくなります。特にDBへの接続処理は大きく、チューニングによる効果が発揮される箇所でもあります。WebOTX AS ではDB接続負荷を低減するため、コネクションプールの初期プール数をチューニングすることが可能です。

詳細は [ 高度な管理と運用サイクルガイド > 2. チューニング > 2.7. JDBCデータソース ] を参照してください。

1.8.3. トラブル時の対処法

1.8.3.1. ログファイルの解析

WebOTX ASでは全てのログファイルは${INSTANCE_ROOT}\logs配下に出力されます。トラブル発生時にはlogファイルの解析は非常に有効な解決の手助けとなります。以下、トラブル解析に必須となるログファイルについて記します。

また、既定ではログレベルがObjectBrokerを除き「CONFIG」に設定されています。ログレベルを変更することで、より詳細なログを出力させることが可能です。詳細は [ ドメイン構築・基本設定ガイド > 8. ログ ] を参照してください。

表1.8.3.1-1
ファイル名 出力箇所 説明
server.log ${INSTANCE_ROOT}\logs AgentのJava VM上の標準出力、標準エラー出力に出力された内容を保持します。
webotx_agent.log ${INSTANCE_ROOT}\logs WebOTX ドメインのエージェントプロセス内で出力される全てのメッセージを統合したログAgentのJava VM上で出力される全てのメッセージを統合したログです。

[ トラブルシューティングガイド > 2. 障害解析 ] を参照し、ログに出力されたメッセージのIDなどから該当する障害がないか検索してください。

1.8.3.2. ログ情報の採取

障害解析に必要な情報を収集する機能として、診断サービスが提供されています。診断サービスを利用することで、OSの種類やバージョン、JVMのスレッドダンプなど様々な情報を収集することが出来ます。

詳細は [ 製品構成と提供機能 > 3. 提供機能 > 3.7. 運用管理 > 3.7.9. 診断サービス ] あるいは [ ドメイン構築・基本設定ガイド > 10. 診断サービス ] を参照してください。

必要となる情報
  1. WebOTX ASに関する情報
  2. 環境に関する情報
  3. システム構成に関する情報
  4. 障害に関する情報

基本的な診断サービスの実行方法を示します。

あらかじめ [1.3.5. Web版統合運用管理コンソールからドメインに接続する] の手順によりWeb版統合運用管理コンソールからドメインに接続します。

「アプリケーションサーバ」-「診断サービス」を左クリックします。

こんなときには2
図1.8.3.2-1

[操作]タブを選択し、操作リストから「診断レポートの生成」を左クリックします。

こんなときには3
図1.8.3.2-2

「出力レポート名」を入力し、「実行」ボタンを押します。

「出力レポート名」の入力は省略できます。その場合、デフォルト値でレポートが生成されます。

本ガイドでは「出力レポート名」の入力を省略します。

こんなときには4
図1.8.3.2-3

[確認]画面が表示されるので、問題無ければ「はい」を押してください。

こんなときには5
図1.8.3.2-4

診断レポートの生成に成功すると、「操作結果」に成功のメッセージが出力されます。

また、返却値として生成したレポートのパスが表示されます。

こんなときには6
図1.8.3.2-5