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WebOTX開発者が語る「クラウド構築の課題に対するサービス実行基盤の機能 ―信頼性―」

初期投資の不要なクラウドコンピューティングが大きな注目を集めています。クラウド環境においても、業務システムを稼働させるインフラに求められる要件は本質的に変わりません。WebOTXは、業務システムを稼働させる実行基盤として10年以上の実績があり、その特長である高信頼性、高い運用効率や柔軟性が高く評価されています。こうした実績を背景に、WebOTX開発者はクラウド構築において求められている、より高い信頼性、リソースと運用管理コストの最小化などを目指して新たな機能開発を行っています。

第1回は、WebOTX最新バージョンの機能を含め、信頼性にかかわるクラウドへの取り組みを紹介します。

【第1回】クラウド構築の課題に対するサービス実行基盤の機能 
―信頼性―

NEC 第三ITソフトウェア事業部 主任 笹倉 秀昭

NEC 第三ITソフトウェア事業部 主任笹倉 秀昭

NECソフト長野支社 リーダー 小林 邦章

NECソフト長野支社 リーダー小林 邦章

クラウド環境を支えるサービス実行基盤として、信頼性の観点でどのような機能が求められるのでしょうか。

クラウド環境では1つのシステム内に複数のテナントが共存することになります。そのため、システムをできるだけ停止させることなくサービスを継続することが重要となりますが、そこでポイントとなるのは、各テナントが独立した環境であることが保障されていること。つまり、あるテナントで障害が発生した場合でも、別のテナントに影響が及ばないようにするための仕組みが必要となります。

そのうえでWebOTXにはどのような機能が備えられているのでしょうか?

1つは従来からある機能なのですが、「マルチテナント機能」です。これはアプリケーションの実行単位となるJava VMを複数動作させるものですが、国内では最も早くWebOTXの初期バージョンから搭載しており、すでに10年以上の実績があります。もともと障害に強いシステムとして定評のあるメインフレーム「ACOS」のマルチプロセスの機能を継承したもので、非常に高い評価を得ています。

この機能のメリットは2つあります。まず1つのサーバ上で複数のテナントを動作できることです。WebOTXではテナントごとにJava VMを動作させることができるので、各テナントの実行空間を完全に隔離し、あるテナントで発生した障害が他のテナントに影響を及ぼす心配がありません。

次に1つのテナントの中で複数のJava VMで動作させることです。そうすることでプロセスを多重化し、あるJava VMで異常が発生しても他のJava VMで業務を継続できるのでテナントの信頼性を大きく向上できます。障害に対しても、WebOTXには高信頼なTPモニタを備えていますのでプロセスの異常終了やストールをリアルタイムに検知し速やかにプロセスを再起動し正常状態に戻します。

そして、V8.3から新たに強化した機能として、業務を停止することなくJava VMの起動時オプションなどの設定を変更できる「無停止設定変更機能」があります。これは、先述のマルチテナント機能を活用しており、複数のJava VMを起動し設定変更前後のJava VMを一時的に共存させることで、システム全体としては、サービスを継続したままシステムの設定を変更することができる機能です。サービス提供中に変化する状況に応じて、パラメータを最適化する必要がでてきた場合でも簡単な手順で設定を変更できます。

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マルチテナント機能

クラウドに関与する立場は、サービス利用者、クラウド事業者、SEと異なりますが、これらの機能はそれぞれの立場においてどのようなメリットがあるのでしょうか?

サービス利用者の立場から

サービス利用者にとってのメリットは「業務が停止せず安定稼働していること」です。

WebOTXでは、特定のJava VMで異常が発生した場合においても、その他の正常に動作しているJava VM上では問題なく業務を継続できるので、多くの利用者は障害の発生にまったく気付きません。また、異常が発生したJava VMも、直ちに自動で復旧させるため、非常に短時間で元の状態に復帰します。

クラウド事業者の立場から

クラウド事業者にとってのメリットは「複数のテナントを少ないサーバ台数に集約できること」です。

クラウド事業者は複数のお客様のシステムを同時に運用します。しかし、お客様のシステムごとにサーバやアプリケーションサーバを分けてクラウド環境を構築する方法では、数多くのハードやメモリを用意する必要があります。この点WebOTXならば、テナントをアプリケーションサーバ単位で分ける必要はなく、1つのアプリケーションサーバ上で複数のテナントを動作できるため、少ないハードとメモリでクラウド環境を構築できます。これは、マシン統合をしたい、サーバ集約をしたいというお客様にもお勧めです。

SEの立場から

SEのメリットは「障害発生からの迅速な復旧」です。

お客さま対応の経験から、障害が発生してしまうのはどうしても避けられないと考えています。重要なのは障害が発生した場合にいかに障害を局所化し、迅速に復旧できるかということです。障害の主な要因は、アプリケーションに起因するものですが、WebOTXは、高信頼TPモニタ機能を備えており、このような障害も迅速に検知し、復旧させることができます。また、障害発生から復旧までの間も、正常に動作しているJava VMで業務を継続できるので、お客様のシステムを停止させることはありません。

製品を提供する開発者の視点から、信頼性を確保する上でぜひオススメしたいという機能を教えてください

無停止設定変更の機能はぜひオススメしたいですね。お客様のシステムは、さまざまな要因によって設定変更を行う必要が出てきます。WebOTXでは、従来動的に変更できなかったJava VMの起動時オプションについても、無停止で変更できるように機能を強化しています。

仮想化ソフトウェアとの組み合わせた場合、このメリットはもっと大きくなると考えています。仮想化ソフトウェアでは、ゲストOSの再起動なしでそのOSに割り当てるメモリを変更できるようになっています。しかしこれまでだと、ゲストOSに割り当てるメモリをOS無停止で増やすことはできても、アプリケーションサーバ自身に割り当てるメモリを増やすには、Java VMの特性上アプリケーションサーバ自身の再起動は免れませんでした。ところが、今回の機能によってゲストOSもアプリケーションサーバも無停止のまま、メモリ割り当てが変更できるようになります。

このように、無停止設定変更の機能は、チューニングに伴う計画停止時間を最小化できると考えています。仮想化ソフトウェアの上でアプリケーションサーバを利用することを考えられているお客様にも、ぜひご活用いただきたいです。

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無停止設定変更機能

WebOTXのマルチテナント機能における強みを教えてください。

テナントごとにJava VMを動作させる機構は、クラウドという技術が注目されるよりもずっと前からWebOTXに備えているものであり、既に多くのお客さまのシステムにおいて利用されている実績があります。その中でお客さまやシステムを構築する社内のSEの声を製品開発にフィードバックしてきたのは他社のアプリケーションサーバに比べ大きなアドバンテージがあると考えています。また、NECでは、製品を扱う社内のSEに対して製品への要望を聞くCS調査を行っています。このCS調査でわかったお客さまの声や不満のコメント、SEからの要望をもとに次期製品の開発項目を決めていくわけですが、社製開発だからこそ、声がダイレクトに届き、その声を反映できます。この積み重ねがWebOTXの大きな強みになっています。

WebOTXの信頼性機能を開発するにあたって重要と考えていることは何ですか?

「何があってもサービスを継続すること」です。
これまでの信頼性機能の開発は、サービスを止めないための障害時対策に重点を置いてきましたが、現在では障害発生を未然に防ぐためにどうしたらよいか、運用操作の煩雑性を解消し、いかに運用者に負荷をかけないようにするかに開発の重点を置いています。

8.3からの新機能である無停止設定変更機能は、アプリケーションのパラメータ変更に伴うアプリケーションサーバの計画停止を最小化することで可用性を向上し、変更の操作も簡単にできるようにすることで運用者の負担を最小化することが目的でした。

開発の段階では、変更によって異常が起こった場合、元に戻すのか、他のアプリケーションにどう影響するか、メモリの設定はどうするか、新規設定で起動したプロセスをどのように停止するかなど、想定される事態に対しての解決方法に関して、メンバで議論をしながら進めていきました。

そこで最重要視したのは、「何があってもサービスを継続すること」。仮に設定変更して失敗したとしても、既存の業務は継続しているため大きな問題は起こりませんし、出力されるログによって失敗の原因も究明でき、それを取り除くこともできます。ですから、安心して無停止設定変更機能をご利用いただけると思います。また、無停止で設定変更できるパラメータの項目数も豊富ですので、チューニングのきめ細やかさという観点でもご満足いただけると考えています。

お客様やSEの反応はいかがでしたか。また開発者として、お客様やSEの反応をどう受け止めていますか?

新機能はまだ利用者が少ないため、評価や反応をこれから伺っていくことになります。Java VMを複数動作させる機能については、これまでに説明する機会が何度かありましたが、WebOTXについてあまりよく知らなかったSEからは、WebOTXを使いたいという意見をいただけました。またお客さまのアーキテクトの方からも「このアーキテクチャはすばらしいね」とお褒めの言葉を頂いています。ただ、先日あるイベントでアンケートを実施しましたが、クラウド環境において実行空間を隔離することが重要だと考えているお客さまはまだ少ないと感じました。これは実際にクラウド環境におけるシステム基盤を構築するお客さまがまだ少ないためだと思いますが、これからシステムを構築するお客さま、SEへもより広く伝えていきたいと考えています。

インタビューの様子

ますます浸透していくクラウドに向け、今後どのような機能を開発し、サービス実行基盤としての評価を高めていきたいと考えていますか?

開発すべき機能はたくさんありますが、開発項目の検討場面で重視するのは、やはり新機能がユーザにどのようなメリットをもたらすかです。これまで一貫してユーザの声をフィードバックしてきましたが、この姿勢が高いCS評価につながってくるのだと考えています。

今後も、既存のお客様からの要望のあった機能の開発検討を重視しつつ、お客様の利用シーンを常に想像しながら開発を進めていきたいですね。

(2010年9月24日)

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