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No.3(3月) 社会価値の創造に貢献するソーシャルバリューデザイン特集

NECグループでは、社会価値の創造に向け、「ソーシャルバリューデザイン(Social Value Design)」の取り組みを推進しています。
ソーシャルバリューデザインは、人間中心設計やデザイン思考を用いて、「人の視点」にたってユーザーの体験価値を高める「ユーザーエクスペリエンス(UserExperience)」と、「社会の視点」にたってシステムやサービスの価値を高める「ソーシャルエクスペリエンス(Social Experience)」という2 つの視点で未来を描き、社会やお客様のビジネスに新しい価値を創出するというコンセプトです。
本特集では、NEC グループにおけるソーシャルバリューデザインの取り組みについて、各事業部門の実践活動を横断的に支える共通機能としての「基盤活動」と、各事業部門が主体的に進める「実践活動」の観点から紹介します。また、最後にNEC グループでのソーシャルバリューデザイン推進という観点から、人間中心設計やデザイン思考を活用したプロジェクトの効果の分析手法や、それによる体制作りの推進、人材育成など、活動の全体像を紹介します。



社会価値の創造に貢献するソーシャルバリューデザイン特集

代表取締役 執行役員副社長 安井 潤司


西川 昌宏

NECでは、NECグループビジョンに掲げられた「人と地球にやさしい情報社会」の実現に向けて、社会ソリューション事業領域で社会価値創造型企業を目指しています。NECの「ソーシャルバリューデザイン」は、「ユーザーエクスペリエンス」「ソーシャルエクスペリエンス」の2 つの視点で考えて、「イノベーション」で社会やお客様のビジネスに新しい価値を提供するというコンセプトです。NECでは、ソーシャルバリューデザイン推進のために、グループ全体で、人間中心設計やデザイン思考の活用に取り組んでいます。



千葉工業大学工学部 デザイン科学科 教授 山崎 和彦

これからの企業は、イノベーションのために「人間中心設計(HCD)を基本としたデザイン思考」と「HCDを基本としたソーシャルセンタードデザイン(SCD)」という視点が重要です。「HCDを基本としたデザイン思考」とは、これまでのHCDに創造的なデザインアプローチを組み合わせることがポイントになります。そのためには「ユーザー体験という視点からのリフレーミング」のアプローチが役立ちます。「HCDを基本としたSCD」とは、社会環境を考慮したHCDのアプローチです。そのためには「社会環境ビジネスモデル」と「ソーシャル体験」を考慮したアプローチが役立ちます。
本稿では、デザイン思考とSCDについて概説し、それぞれのアプローチについて解説しています。



ソーシャルバリューデザインを実現するための技術・手法・プロセス

広瀬 敏久・西川 昌宏・河野 泉・安 浩子

モノからコトへという時代において、デザインに期待される機能は大きく変わっています。従来の色や形のデザインに加え、社会や個人にとっての本質的価値を抽出し、新しいアイデアによる製品づくりや将来の社会のビジョンづくりなどの役割が期待されているのです。このようなイノベーションを創出するためには、デザイン思考の手法・プロセスが有効です。NECでは、デザイン思考に独自の手法を加え、プロジェクトを実践することで、イノベーションを創出するソーシャルバリューデザインを推進しています。



安 浩子・岩田 直子・山﨑 綾・河野 泉

社会ソリューションの領域で、人間中心設計やデザイン思考を用いて、社会やお客様のビジネスに新しい価値を創出するために、「技術/業務」と「人の行動/心理の分析」それぞれの専門知識・経験を有する者同士が、お互いの不足している知識とスキルを補い合うために、ユーザー体験を共有し、共感しながら細かく段階的に進めることのできる、NECのコラボレーティブUXデザイン手法を紹介します。



谷川 由紀子・大久保 亮介・福住 伸一

近年、仕事で使う情報システム(業務システム)においても、使いやすさが重視されるようになってきました。これを受けて、より使いやすいシステムの効率的な開発を目的とした、開発者のための支援方式を開発しています。なかでも、使いやすさに関わる顧客の要求を開発の上流工程で明らかにすることが重要との観点から、そのための方式開発に取り組んできました。本方式は、対象システムのユーザーや業務の特性から使いやすさに関わる顧客要求を導き出し、要件に結び付ける方法を手順化したものです。方式の検証実験を行ったところ、出力する要件の妥当性と方式の有用性が認められました。本稿では、この顧客要求明確化の支援方式について紹介します。



森口 昌和・野田 尚志・木下 友見・大川 裕行

私たちは、お客様が製品やサービスを通じて得られる体験「ユーザーエクスペリエンス」に注目し、大規模で先進的な社会ソリューションシステムへ適用させるための新しい手法を、現場支援を通じて開発しています。その結果、お客様のシステムにより良い操作性、魅力的な品質を幅広く実現し、お客様に満足いただける製品・サービスを提供することができました。本稿では、その活動から生まれた、大規模システム開発におけるUX向上フレームワークについて紹介します。



中尾 勇介・森口 昌和・野田 尚志

近年、SI/ソフトウェア開発において、ユーザーの視点にたって体験価値を高める「ユーザーエクスペリエンス」の考え方が重要になってきています。ユーザーエクスペリエンスを向上させるためには、国際規格ISO9241-210で規定されている人間中心設計が有効です。人間中心設計の反復的なプロセスを実践するうえで、開発途中での要件追加や優先度変更を柔軟に行えるアジャイル開発への期待が高まっています。本稿では、人間中心設計を実践するうえでのアジャイル開発の活用方法について、スマートデバイス向けのアプリケーション開発プロジェクトの事例を題材にして説明します。



ソーシャルエクスペリエンス事例

鎌田 麻以子・原田 高志・山岡 和彦
長田 純一・Osvaldo Kawakita

中央研究所C&Cイノベーション推進本部は、顧客価値と技術を結び付け、NECの新規技術開発や事業創出を推進しています。アルゼンチン共和国のティグレ市とともに、同市における2030年のビジョンを作成しました。本ビジョンは、2030年の同市が市民や社会に提供する価値を描いたものです。



田仲 理恵・土井 伸一・小西 琢

本稿ではソーシャルバリューデザインの取り組み事例として、社会・環境の改善を目指す「節電行為促進システム」の開発と、関西文化学術研究都市及びスウェーデンのシェレフテオ市における実証実験の取り組みを紹介します。心理学調査により判明した心理学要因を行動可視化方法に組み込むことで、両地区での実証実験において行動促進効果があることが確かめられました。また、日本とスウェーデンでは共通して重視される心理学要因があること、その中でも文化や制度の違いにより重視の度合いが異なる要因があることも確かめられました。



山口 智治・坂尾 要祐・笹間 亮平・藤田 善弘

急激な少子高齢化は既に始まっており、その深刻化は避けがたい将来の課題です。一方、これまでの高齢者のイメージは、周囲の人から助けられる(介護される)人でしたが、これからの高齢者は、いわゆる「元気高齢者」が増加します。そのような新しい超高齢社会において価値のあるICTを創出していくには、多様で複雑な高齢者の実態やニーズに即した課題の設定が重要です。本稿では、そのためのアプローチとして、質的調査と実証実験を繰り返し実施することの効果・有効性について紹介します。



松永 恵子・羽田 亨・中山 善太郎
安 浩子・岩田 直子・坂井 晃

「Smart Mobile Cloud(SMC)」は、サービス事業者がより質と公平性の高いサービスを、早く、経済的に立ち上げるためのクラウドサービス基盤です。企画・開発にデザイン思考や人間中心設計(HCD)のプロセスと手法を導入することにより、人々の生活をより豊かにすることができるサービス基盤の提供を実現しています。



太田 知見・松田 崇・村田 憲仁
日名子 直崇・藤田 茂樹

株式会社セブン銀行殿と共同開発を行った多機能小型ATMは、より多くの人に使いやすいユーザーエクスペリエンスを実現する一方、24時間いつでも近所のATMを利用できるライフスタイルを提供するなど、新しい社会基盤としての側面を持ちます。本稿ではコンビニATMのユーザーインタフェースの進化(画面改良、カラーユニバーサルデザイン対応、レシート改良などのリニューアル)や、滞りないサービスの提供からエコロジーや国際化などの社会的価値の向上まで、ソーシャルバリューデザインとしての総合的な取り組みを紹介します。



二瓶 守宏・堀口 英司・佐藤 裕之

社会インフラである通信ネットワークを支える運用システムでは、サービス品質の維持と業務効率の向上が求められ、それを実現するためにはシステムと管理者との間のインタフェースが重要な要素となります。今回、このユーザーインタフェース(UI)について、製品間での一貫性を持たせることを目的として、UI標準化に向けた活動を実施しました。その活動でのプロセスや手法、成果について紹介します。



池上 輝哉・片岡 久直

航空管制システムは、航空機の安全かつ効率的な運航を支える航空管制官に対して、さまざまな航空情報を与えるものであり、社会インフラを支える重要なシステムです。航空管制システムを安全・安心に運用するための重要な要件の1つに、ユーザーにとっての使いやすさがあります。我々は、航空管制システムのヒューマンインタフェース(HI)統一に向けたHI設計ガイドラインを開発し、要件定義や画面設計に活用することで、安全・安心かつ効率的な業務遂行を支援するシステム設計につなげてきました。本稿では、本ガイドライン開発の取り組みについて紹介します。



池上 輝哉・谷川 由紀子

近年、業務システムではヒューマンエラーへの対策の重要性はより高くなっています。特に航空・宇宙や医療など、高い安全性や信頼性が求められる社会ソリューションでは、最も考慮すべき重要課題となっています。我々は、今回、ヒューマンエラー低減に向けた配色評価方式を開発し、航空管制画面に適用しました。本方式は、画面配色においてエラー低減に有効な3要件(調和の度合い、重要な情報の目立ちやすさ、目の疲れにくさ)と、配色が利用者に与える負荷をそれぞれ数値化するものであり、数値を基に配色の最適化を可能とします。本稿では、この配色評価方式及び実案件への適用事例について紹介します。



ユーザーエクスペリエンス事例

中尾 勇介・松嶋 英良・森口 昌和・野田 尚志

スマートデバイスの業務活用によって、業務スタイルを変革し、業務の生産性を向上させるためには、既存の慣れた業務スタイルを変えてでもスマートデバイスを使いたいと現場が感じるだけの体験価値を提供する「ユーザーエクスペリエンス(UX)」の考え方が重要になります。我々はスマートデバイス活用が有望な領域として設備点検に注目し、スマートデバイスの有効性を確実なものにするために、人間中心設計を実践してアプリケーションを開発しました。本稿では、設備点検向けのスマートデバイスアプリケーション開発における人間中心設計活動を紹介します。



月田 逸郎・木下 友見・山本 雅也
井谷 禎・石原 るみ・山本 康弘

「DCMSTORE-POS」は、食品スーパーなど量販店向けのPOSシステムです。従来機種に対してお客様から「POSの画面が古い」「現場からの使い勝手の評判が悪い」などの声が寄せられ、課題となっていました。そこで、ユーザビリティの専門家がプロジェクトに参画し、企画・営業部門、開発者などのプロジェクトメンバーを巻き込んで、POSシステムが利用される現場を観察することにより、課題抽出、業務フローの分析、評価、意見交換を行いました。その結果、新しいシステムでは、色や文字が見やすい画面、操作ステップの短縮による作業の効率化を実現し、使用者や経営者にも満足度の高い製品を開発することができました。



寺門 義昭

産業機械には、厳しい市場環境のなかで高機能、高付加価値な製品開発が求められています。そのなかで競争優位性を確保するための開発手法の1つとして、NECは、人間中心設計のプロセスとノウハウを活用した開発支援コンサルティングサービスを提供しています。この人間中心設計に基づいた、顧客志向、デザイン思考の開発支援を行うことで、お客様には製品のユーザビリティ向上だけでなく、顧客満足度の向上、コストの削減、企業価値の向上につながり、人や社会にやさしい製品を生み出すことによる市場での競争優位性にもつながります。



阿部 浩行・持丸 篤史・高島 敦則
松下 徹・稲舩 仁哉・小澤 直樹

近年、ガソリンスタンド(サービスステーション)では急速にセルフ注文機が増加してきています。既に一般化した本装置における「分かりやすさ、使いやすさ」は一般の利用者のみならず、ガソリンスタンド事業運営者にとっても売り上げの拡大・運用の効率化の観点で重要なポイントとなっています。そこで、業務フローの分析、検証、評価など、人間中心設計(HCD)専門家によりユーザーの利便性を最優先に配慮しつつ、事業経営者や従業員にとっても満足できるユーザーインタフェース(UI)を開発しました。



谷口 英一・徳永 光博・柴田 裕一郎
永井 和樹・佐藤 昌良・松田 崇

NEC及びNECインフロンティアは、社会的要求に応え、ソーシャルバリューデザインのコンセプトを適用したビジネス多機能電話機を商品開発しています。「ソーシャルバリューデザイン」は、人間中心設計やデザイン思考を用いて、人の視点(ユーザーエクスペリエンス)と社会の視点(ソーシャルエクスペリエンス)のバランスを取り、イノベーションを目指すコンセプトです。本稿では、実際のビジネス多機能電話機の開発時における、ソーシャルバリューデザインコンセプトを実現した具体的な事例を紹介します。



安 浩子・稲舩 仁哉・川嶋 一広
田中 滋子・矢野 俊司・西川 昌宏

NECの日本国内向けコーポレートサイトは、NECの企業情報、製品情報などを発信している公式サイトです。立ち上げ当初1990年後半より、新しい技術に対応したウェブ戦略に基づいて、ウェブアクセシビリティへの対応に取り組んできました。本稿では、ガイドラインの整備、アクセシビリティ教育、ウェブ運営体制など、NECの公式サイトにおけるアクセシビリティの確保・向上への取り組みについて紹介します。



NECのソーシャルバリューデザインの取り組み

河野 泉・西川 昌宏・福本 岳也
小澤 直樹・松田 崇

ソーシャルバリューデザインの社内推進活動は、(1)商品やサービスの企画・開発における実践活動、(2)実践活動における人間中心設計(HCD)の効果分析と事例化、(3)UIや外観に関する基準づくりや標準プロセス化、(4)人材育成や教育、(5)体制作り、から成り立ちます。本稿では、社内にHCDの必要性を認識してもらうために有効な、HCDの投資対効果を示す効果分析と事例化の活動について報告します。HCDの活動による社内効果として、売り上げ貢献、開発効率化、品質向上の項目を挙げ、お客様への効果として、業務効率を向上させる効果を上げました。更にNECグループ内のHCD実施プロジェクトの効果を明らかにして、イントラサイトへ掲載し、教育で利用することで、HCDの理解や取り組みへの意欲を高めることができました。



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