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No.1(3月)環境特集

環境特集

環境推進部統括マネージャー 宇郷 良介


代表取締役副社長 杉山 峯夫

環境への対応を契機にした「持続可能」に向かう社会的な動きは,大きなパラダイムシフトを起こし始めています。企業の環境対応も社会的責任や義務の範囲を越えて経営の必須要素となり,持続可能な存続のための変革を企業自身に促しつつあります。一方で,ブロードバンド化やモバイルの普及を中心にしたIT化の急進展が,社会全体に大きな変革を創り出しています。
このような状況を受けて,持続可能な社会のあり方と,この新しい社会像におけるITの役割や可能性について,NECも中長期的な観点から考えていかなければなりません。この講演のなかでは,“IT,で,エコ”に込めたNECグループの環境経営の内容と持続可能な社会への貢献の方向性について,事例を示しながら説明しています。


「NEC環境大賞」受賞企業の環境経営事例

第一回(2002年)NEC環境大賞大賞受賞
NECアクセステクニカ

NECアクセステクニカの環境経営は,開発革新,生産革新を機軸に「循環させる製品開発」「クリーンな調達」「ムダ“廃除”の生産」を環境活動方針として,取引先,NECの研究所や事業部との連携,また社内においては購買,開発,製造部門の強い連携により,環境のサプライチェーンマネジメント(SCM)である「自律的に循環する環境システムの構築」をめざしています。


第一回(2002年)NEC環境大賞準大賞受賞
NEC九州

NEC九州は,1969年,緑豊かな田園都市熊本市に超LSIの半導体製造メーカーとして創設されました。NEC九州は,環境経営の基本理念である「環境と調和する技術と環境にやさしい半導体製品の生産活動をとおして地域に融和し豊かな社会と環境の実現に貢献します」に基づき,環境保全に取り組んできました。
本稿では,その活動概要を紹介します。


第一回(2002年)NEC環境大賞特別賞受賞
コンピュータ事業部

コンピュータ事業部では,「全製品を環境配慮型に対応させ,エコシンボルを取得する」「製品への有害物質の非含有」を基本方針として掲げ,事業部一体となって環境配慮型製品の開発に取り組んでいます。
有害物質のなかでも,特に欧州のRoHS指令適合のための設計(規制物質の全廃)を推進しています。


第一回(2002年)NEC環境大賞特別賞受賞
NECリース

NECリースは,本社地区および全国18営業拠点からなるNECのOA機器類リースをメインとするメーカー系総合リース会社です。1999年にISO14001を取得し,2001年度から環境経営に取り組んでいます。
リース事業は循環型産業としての特徴からリース本業を伸ばす活動に,また金融業としての特徴からエコビジネスをファイナンスで支援し,成約を伸ばす活動に取り組んでいます。


第二回(2003年)NEC環境大賞大賞受賞
NECパーソナルプロダクツ

NECパーソナルプロダクツは,パソコンメーカーの責任として,1991年から3R(リデュース,リユース,リサイクル)活動を推進しています。また,省電力化や静音化にも着目し,環境配慮型製品を開発しています。


第二回(2003年)NEC環境大賞準大賞受賞
NEC東北

NEC東北では,「環境大賞挑戦」を合言葉に,全従業員参加の環境管理活動を展開しました。環境大賞を従業員の環境意識高揚のトリガーとして,全社展開している「生産革新」活動と結びつけ,さらに生産革新の削減目標を環境管理のチャレンジ目標と結び付け,生産革新=環境負荷低減の活動として,推進しました。


環境マネジメントシステム

宇郷 良介

2003年3月,「持続可能な事業経営」をめざすために,2010年頃のNECの「あるべき姿」を具体的に描いた「NEC環境経営ビジョン2010」を策定しました。これは,自らの事業活動に伴って発生する環境への影響を,自らの提供する製品・サービスが社会の効率を高めて環境負荷を削減する効果で相殺し,実質的に「CO2排出ゼロ」の事業経営を宣言したものです。このビジョンの実現に向けて,5つの達成すべき目標が設定されています。そして,これらから遡って,現時点からみた中期的な環境戦略や目標を設定して,ゴールを見失うことのない実効的な活動展開につながることを期待しています。


天川 雅文・荒木 久生・高山 誠司

NECでは,環境活動の定量評価を行うため,環境会計および環境経営指標を活用しています。環境会計では,NECグループにおける環境活動の投資や費用を経済効果や物量効果と比較し,分析しています。また,省資源・資源効率の向上,地球温暖化防止,化学物質リスク,廃棄物削減の観点からNECの環境パフォーマンスを評価するため,環境経営指標を活用しています。これらのシステムを用いて,NECグループの環境活動を効率化していくとともに,企業経営を意識した環境活動を推進しています。


高山 誠司

NECでは,今後の環境経営実践のためには,環境関連の情報管理が重要であると考え,「EMIS」環境経営情報システムを構築しました。
本システムを構築することにより,これまで煩雑であった,各工場で管理されている環境関連情報の収集作業を効率化するだけではなく,ステークホルダーへの情報開示のリードタイムも短縮しました。


安中 正弘・夏目 範夫・古賀 容介・三崎 敏幸・徳吉 藤樹

1996年に環境ISO審査登録制度が立ち上がり,いまや日本国内の環境ISO取得組織は1万社を超えました。企業活動を推進する上で,環境マネジメントシステムの導入は組織の規模にかかわらず必須のものになってきた証といえます。
制度発足当時は大手企業が先行し,システムの導入も豊富なリソースで進められましたが,中小企業が取得するときにあらたな問題が顕在化しました。認証取得のコストと時間および人材の不足です。経営リソース(人材ァ資金ァ技術力)に限界がある組織では,顧客の要求やシステム導入の効果は分かっていても,なかなか環境ISO取得まで踏み切れません。そんな課題を解決するためにNECとトーマツ環境品質研究所は共同で“NetEMS”を開発しました。


松谷 滋・林 純

近年様々な環境問題が取りざたされていますが,地球温暖化は最も深刻な環境問題の1つです。しかしながら日本全体のCO2排出量は増加し続けており,京都議定書の達成が危ぶまれています。このような状況下,社会的責任として,企業もこの問題に真剣に取り組む必要があります。
本稿では地球温暖化防止のために,NECが全事業領域で実施している取り組みをご紹介します。


環境に配慮した製品・サービス

高田 典子

2001年4月に施行されたグリーン購入法を契機に各社がエコプロダクツ(環境配慮型製品)の開発を加速し,家電製品,IT製品を中心にその数は急増しています。
本稿ではNECのエコプロダクツ製品のうち,特に積極的にエコプロダクツ開発をしている製品の事例を紹介します。また今後,IT化が一層進むなか,NECでは“IT,で,エコ”をキーワードにエコプロダクツを活用したエコソリューションを提供していくことで社会全体の環境負荷低減に貢献していきます。


櫻井 融・吉野 浩

環境負荷を低減した製品の提供には,製品を構成する部材や部品などの環境負荷が低減されていることが不可欠です。NECでは,環境保全に積極的な取引先企業から,環境に配慮した部材・部品を優先的に調達(グリーン調達)していく活動を行っています。
グリーン調達基準として,取引先企業および部材・部品に対する必須条件を設定し,グリーン認定を行っています。また,取引先企業の環境経営状況の点数評価を行い,取引先選定の参考にしています。さらに,部材・部品単位での化学物質含有量調査を行うことにより,含有状況を把握し, 個別資材の代替化や製品の環境負荷評価などに活用しています。


関 敏範・森田 信

近年,情報化社会が進展し,IT機器が急速に普及しています。特にパソコンについては,法人のみならず一般家庭においても必須のアイテムとなってきています。それに伴い,使用済みとなるパソコンも今後増加すると予想されます。
NECでは,従来からパソコンを含むIT機器の回収を積極的に行っており,日本国内のリサイクルインフラを効率的に活用し,回収した使用済み製品のリサイクルを行っています。反面,リサイクルの項目によっては,今後改善していく必要がある課題も多く残っています。
本稿では,NECのパソコンリサイクルシステムについてまとめました。


豊田 新・川崎 大輔・保木本武宏・大熊 孝裕・岡山 高明・新井 正伸

超低消費電力の無線通信端末を用いた,新規なセンサネットワークシステムを開発し,環境モニタリング用途への適用を実施しました。
本システムを構成する無線通信端末は名刺サイズの太陽電池で十分動作し,人が立ち入れない場所からでもメンテナンスフリーでデータ収集が可能です。また観測エリア内に配置された個々の端末は,基地局からの制御信号に基づきネットワークを構築し,データを中継して遠隔地の管理センターまで転送する独自の「アドホック・マルチホップネットワークシステム」により,きめ細かな広域環境モニタリングを実現しています。
NECでは,本システムを活用した広域環境モニタリング事業として,2003年11月より霞ヶ浦流域の自然再生を目的とした環境監視システムへの適用を開始しています。今後も本システムを活用し,自然環境,都市環境のモニタリング,防災,設備管理などのソリューション開発をしていく予定です。


渡辺 昇治・湯浅 浩志・大山 俊弘

循環型社会,持続可能な社会形成をめざし,自らの環境経営を行うことはもちろん,これを,企業,公共,住民の環境活動全般に展開することが重要と考え,NECは,これまでの環境活動で蓄積した環境管理ノウハウと事業の基盤であるIT技術を融合した新しい環境ソリューションを各種提案しています。
本稿では,「NECの環境情報ソリューション」について,その概要を紹介します。


環境技術開発

宮本 重幸・原田 大生・入江 康子・須田 政弘・加藤 孝一

情報技術(IT)の導入は,電子機器の消費電力増加を引き起こす恐れがあるものの,業務や生活の変革により環境負荷を下げる可能性を持っています。NECは,ITソリューションの環境負荷を評価する手法を開発しました。この手法は,ライフサイクルアセスメント手法に基づき,ITソリューションの7つの活動に着目し,ITソリューション導入前後の運用段階の環境負荷を比較することを特徴とします。モバイルネット会議システムなど様々な事例を評価し,すべての情報を電子に置き換える完全脱物質化ソリューションは,CO2削減に有効であることが分かりました。さらに,ITソリューションの環境負荷を迅速に評価するため,ソフトウェアツールを開発しました。


松本 光崇・入江 康子

ITの社会への普及が,日本の二酸化炭素排出量にどのような影響をもたらすかについて,応用一般均衡モデルと呼ばれるマクロ経済分析手法を用いて試算を行いました。計算の結果,想定したIT普及シナリオのもとでは,IT化の影響によって日本の二酸化炭素排出量は約3%低減するという結果が得られました。このことから今後日本でIT化に二酸化炭素削減という視点を積極的に組み入れながら進めること,すなわち「IT社会のエコデザイン」が重要であることが示されました。
本稿では,この推定の手法と,この推定の結果を踏まえたIT社会のエコデザインについての考察を報告します。


鈴木 元治・加藤 芳正・石塚 直美・松岡・洋・百川 裕希・金高 善史

電子・電気機器で用いられている鉛はんだについては,製品廃棄後の鉛成分溶出による人体や地球環境への影響が懸念され,その削減・全廃が急務とされています。NECではこれらへの対応として,鉛を含まないはんだ(鉛フリーはんだ)による実装技術開発を行い,積極的な製品展開を進め,2003年度から国内で生産するすべての新製品に対して鉛フリーはんだの採用を実現しました。
現在は2005年度末の鉛はんだ全廃へ向けての活動を継続しています。


井上 和彦・芹澤・慎・位地 正年

地球温暖化の要因のCO2の固定化や石油資源枯渇対策のため,植物原料のバイオプラスチックが重要となっていますが,電子機器筐体に利用するためには耐熱性などの特性向上が課題でした。そこで,高い温暖化防止効果を持つケナフの繊維を添加することで,耐熱性や剛性などに優れたバイオプラスチックを開発しました。ケナフ繊維をトウモロコシなどの植物資源を利用したポリ乳酸に添加すると,耐熱性(熱変形温度)と剛性を現在使用している石油系プラスチックより向上でき,さらに成形性も改良(結晶化促進)できました。


小糸 達也・平野 啓二

最先端の半導体製造プロセスに対応し,環境負荷の低減に有効な有機剥離液を開発しました。フォトリソグラフィ工程では,アッシング残渣物の剥離を目的として,有機溶剤を主成分とする剥離液が使用されています。しかしながら,この有機剥離液中には,生分解性がなく,環境負荷が高い1,2,3-ベンゾトリアゾール(BTA)が銅配線の腐食抑制剤として添加されているため,環境負荷の低い代替剤の開発が求められています。
そこでNECは,プロセス性能と環境適合性の両立のために,BTAと骨格が類似したいくつかのN含有複素環化合物について検討しました。その結果,生体物質の尿酸が,優れた腐食抑制効果を示すことが分かりました。尿酸は安全性が高く,しかも生物処理によって速やかに分解します。尿酸と特定のアミノアルコールを主要成分とする本有機剥離液は,プロセス性能が優れるだけでなく,剥離プロセスに伴って発生する希薄なリンス廃水を工場内で生物処理することができるため,環境負荷の低減にも非常に有効です。


田村 徹也・佐多 直明

NECでは,地球温暖化対策技術の開発が環境経営の重要課題であるとともに,急成長の予測される環境ビジネス市場参入へのコアであると考え,温室効果ガス排出量を効率的に削減するための技術開発を積極的に進めてきました。そのなかで京都議定書に定められた排出権取引は,環境負荷低減と経済的効果の両立をめざした新たな取り組みとして世界中で注目されています。
そこで,この排出権取引の効果を検証するため,酸塩基の中和メカニズムの概念を利用したシミュレーション手法を開発し,NECグループを対象にした排出権取引の効果を予測しました。
さらに排出権取引を用いた地球温暖化対策ビジネスへの取り組みとして,日本における排出権取引の基幹システムである国別登録簿システムの開発を行いました。


普通論文

石田 文治・矢野 隆利・渡部 政己・新井 玲子・鈴木 高之

情報セキュリティ対策は,もはや対症療法や緊急対応だけでは経営インパクトを避けられません。そこで多くの組織は,情報マネジメント対策やシステム管理対策を,ファイナンシャル課題に次ぐ,重要な経営課題と位置付けています。
本研究は,ITベンチャーから経営コンサルティングまで幅広い会社のナレッジはもとより,それを利用する被監査組織自身が参加できる情報セキュリティ課題に対するDynamic Collaborateの場を提供する,セキュリティ監査システムのプロトタイプを開発し,有効性を実証しました。


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