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  7. 第8回 モノづくりIoTについて(4) ~現場力の見える化~
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モノづくりIoTコラム

中村敏

第8回「モノづくりIoTについて(4) ~現場力の見える化~」(2017年4月4日公開)

中村 敏 (なかむら さとし)プロフィール
【所属】NECソリューションイノベータ株式会社
      イノベーション戦略本部 兼 IoE事業推進グループ 主席プロフェッショナル

【略歴】NECで主に中堅製造業向けのシステム提案、コンサルティングに従事
      現在、中堅製造業向け モノづくりIoTソリューション事業責任者
      日本マーケティング学会、一般社団法人 日本生産管理学会
      日本TOC推進協議会、NPO法人ものづくりAPS推進機構
      一般社団法人 持続可能なモノづくり・人づくり支援協会 会員

【第8回】 モノづくりIoTについて(4) ~現場力の見える化~

モノの位置情報から、モノの流れの見える化、ムダのあぶり出しが可能になります。(プロセスボード) 更に、その淀み(ムダ)と同期した設備の稼働状況や作業者のスキルなどから、淀みの原因を遡及し、現場改善を進めることを前回紹介しました。

現場では、様々な改善活動が行われています。この時、現場での評価指標が非常に重要になります。評価指標が誤っていれば、誤った行動がとられます。例えば、原価低減を評価指標として考えた時、資材部門は購入単価を下げるために大ロットでの購入を考えるかもしれません。同様に、製造現場では段取り回数を少なくするために、まとめ作りをするかもしれません。結果として、大量の部品在庫、製品在庫を抱えることになります。これは、原価低減という評価指標が悪いのではなく、優先順位の問題です。原価低減の前に買い過ぎのムダ、作り過ぎのムダを徹底的になくす必要があります。

製造業では業務の成果を計測する指標として、ISO22400(MES:Manufacturing Execution System(製造実行システム)の評価指標)があります。ISO22400は、業種/業態や企業ごとにバラバラだったMES領域の評価指標を標準化したもので、ドイツ、フランス、スウェーデン、スペイン、アメリカ、韓国、中国、日本などがこの取組みに参画しました。生産システムの生産性指標を標準化することによってベンチマーキングが可能となり、センサーや制御機器などから必要なデータを収集することができるようになります。さらに、経営情報と生産現場の情報を統合的に可視化することができます。

以下に、ISO22400で定義されている34のKPIを示します。

製造業のKPI(ISO22400)の例

イメージ:製造業のKPI(ISO22400)の例出典:平成27年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備 報告書(平成28年3月経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課)

これらの指標は、全てを管理することはできませんし、管理する必要もありません。製品特性、業種/業態、受注特性などによって選別するとともに、最も重要な点は、優先順位を踏まえて構造化することです。では、現場力の評価指標として最も優先順位の高い指標は何でしょうか?

【第4回】 現場力(NCTR:Net Conversion Time Ratio)について」で紹介しましたが、最も優先順位の高い指標は、『単位時間当たりの付加価値』です。

単位時間当たりの付加価値を最大化するためには、「生産技術力」「現場力」「商品開発力」のそれぞれを強化していかなければなりませんが、第一に、「現場力」の強化です。なぜならば、「正味作業時間/リードタイム」は一般的に1/200-300~1/2000-3000と非常に効率が悪いためです。「正味作業時間/リードタイム」のことを『NCTR(Net Conversion Time Ratio)』といいます。モノづくりの現場は常に改善し、進化し続ける必要がありますので、NCTRのことを『進化指標』といい、現場力を示します。

よい流れの指標について

イメージ:よい流れの指標について

モノの流れを中心に考えた時、購入した部品を如何に早く、製品として出荷するかを考えます。その為には、NCTRを日々測定し、可視化することが重要です。NCTRは、工程、ライン、工場全体で捉えますが、現場の工程を分断して、工程ごとのNCTRを競わせたり、ライン毎に競わせたりするのではなく、現場、職長、スタッフ、工場長、本社、社長の全員が、NCTRという進化指標を使い全体最適を目指します。この時、一つ上位の視点で、NCTRに関心を持ち、前後工程の協力関係の見える化、成果の共有が必要です。

製造ラインのNCTRは、「Σ工程①~⑤の正味作業時間/部品出庫~製品入庫までのリードタイム」になります。工程のNCTRは、「自工程の正味作業時間/自工程の着手~次工程の着手」になります。これは、後工程に同期して自工程の作業を開始することを示しています。常に全体リードタイムの短縮につながっていることを理解する必要があります。

工場全体のNCTRを考えた時、部品入庫~製品出荷までのNCTRを最大化することが基本ですが、倉庫での保管時間とモノづくりの時間の単位が大きく違ったり、部品の小ロット仕入れが難しかったり、製品出荷量が大きく変動したりする時(ex.作り貯め)、自社でのリードタイム短縮の努力の範囲を超える場合があります。このような時は、部品在庫、製品在庫の回転率と製造ライン(部品出庫~製品入庫)のNCTRを進化指標として現場力の向上を図ります。工場全体では、「キャッシュ」 の視点での評価が重要です。

現場力の評価指標は、NCTRをベースとして管理し、NCTRを改善、悪化させる要因を管理する指標を設定します。この時、ISO22400の34のKPIを参考にすると構造化しやすくなります。構造化する際には、できるだけ少なく単純化します。

モノづくりIoTの「現場力の見える化」について紹介しました。
次回は、「現場と本社の壁について」について説明します。

【補足】 進化指標と契約指標
進化指標とは、将来に渡って継続的に進化する指標で、LTの短縮、正味作業時間の短縮、NCTR、在庫回転率の向上のように現場力指標です。これに対し、契約指標は、売上、損益、生産、出荷計画のように、自社を取り巻く環境を踏まえた上で目指すべき予算指標です。モノづくりの現場では、契約指標ではなく、進化指標で評価をすべきです。

第9回「現場と本社の壁」へ→

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