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  7. 第7回 モノづくりIoTについて(3) ~ムダのあぶり出し~
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モノづくりIoTコラム

中村敏

第7回「モノづくりIoTについて(3) ~ムダのあぶり出し~」(2017年3月6日公開)

中村 敏 (なかむら さとし)プロフィール
【所属】NECソリューションイノベータ株式会社
      イノベーション戦略本部 兼 IoT事業推進室 エグゼクティブエキスパート

【略歴】NECで主に中堅製造業向けのシステム提案、コンサルティングに従事
      現在、中堅製造業向け モノづくりIoTソリューション事業責任者
      日本マーケティング学会、一般社団法人 日本生産管理学会
      日本TOC推進協議会、NPO法人ものづくりAPS推進機構
      一般社団法人 持続可能なモノづくり・人づくり支援協会 会員

【第7回】 モノづくりIoTについて(3) ~ムダのあぶり出し~

モノの位置情報から、そのモノに対して行われる動作が分かります。例えば、モノが倉庫にあれば、それは「保管」していることを示します。設備での加工が終わって、次の工程の前にモノがあれば、それは「待ち」状態にあることが分かります。このように、モノの位置情報によって「保管時間」「移動時間」「待ち時間」「段取時間」「正味作業」などが分かります。

モノの位置情報から、モノの流れの見える化が可能になることを前回紹介しました。

実際の現場では、検査不合格や納期遅れ、設備の稼働率のように明らかに閾値を超えるものは、しっかりと管理されていますが、グレーゾーンは現場での判断になります。 特に、作業遅れの取り戻しや早すぎる作業着手、手戻りなどに関しては現場依存度が高くなり、その実態は把握されていません。具体的に、実リードタイムを測定している現場はほとんどありません。大手製造業に「リードタイムは、どのくらいか?」と質問すると、各工程の標準リードタイムの和やタクトタイム×工程数と答える企業が多いようです。

リードタイムを測定し、モノが流れる時間(分母)が見えることにより、正常なプロセス通りの流れか否か、標準との差異、バラつき、収束、短縮といったリードタイムの管理が可能になります。これにより、モノづくりにおけるムダのあぶり出しが可能になります。

ムダのあぶり出し(1)

イメージ:ムダのあぶり出し(1)

横軸に、部品の入荷から製品の出荷までの製造プロセスを取り、縦軸に時間を取ります。横軸の製造プロセスにおいて、各工程が平準化され、タクトタイムに従ってモノが淀みなく流れた場合は、右斜め下に向かう直線になります。何らかの異常が発生した場合、それにより停滞が発生し、下方に引っ張られます。これを「プロセスボード」といいます。

モノの動きから、淀み(ムダ)を発見し、それと同期した設備の稼働状況や作業者のスキルなどから、淀みの原因を遡及し、現場での改善を推進します。場合によっては、生産計画や出荷計画が原因で大きな淀み(製品在庫)を生み出している場合もあります。いつもと違う変化点の収集がポイントになります。「プロセスボード」を活用して現場改善、リードタイム短縮を進める上で、ポイントが2つあります。

IoT、ビッグデータ、AI(Artificial Intelligence:人工知能)が議論される中で、様々な事実情報の収集の重要性が強調されます。これを否定することではありませんが、モノづくりの現場では、まずモノの流れが最も重要であり、ベースになります。設備のトラブルや作業者のスキルによる影響は勿論のこと、品質やコストの影響もモノの流れに現れます。

例えば、品質不良による手直しやリードタイム短縮による在庫圧縮など、モノの流れによって評価することができます。モノづくりの現場ではモノの流れが基準で、それ以外の情報は、モノの流れに何らかの影響をおよぼしている情報と考えて下さい。

2つめのポイントは、モノの流れの情報や設備、作業者、工具 等の事実情報の収集は、最初から完全なものを考えるのではなく、収集範囲は部分から全体、収集ポイントは粗いから細かい、精度は低いから高いへとステップアップ導入を検討してください。もともと、工場の全ての事実情報を100とした時、ほとんどの場合、0~10(正味作業時間レベル)程度しか収集できていません。 従って、多少精度が悪くても、10→30や40になるだけで、十分な効果を得ることができます。当然、100に近づければ近づけるほど、投資金額は上がります。

更に、モノの流れからムダの発見、原因遡及、改善対応の結果(before/after)を蓄積し、知識、知恵のソフトウェア化をすることにより、生産技術データベースの構築が可能になります。これは非常に重要で、熟練者の技術継承や、設計への後戻り工数の削減、早期量産化につながります。

具体的に、実証実験を行うと次のようなパターンに分類することができます。

ムダのあぶり出し(2)

イメージ:ムダのあぶり出し(2)

理想的な 「プロセスボード」 は、左上になります。

右上:工程(3)の異常により、工程(3)がボトルネックになり、徐々にリードタイムが大きくなっていきます。
混流生産時の平準化が不十分だったり、作業者スキルの問題、設備の不具合 等が原因として考えられます。これは、一般的によく見られるパターンです。

左下:リードタイムがバラついたり、徐々にリードタイムが大きくなっていきます。
作業の標準化、平準化が不十分であり、個々の作業がバラつくことが原因として考えられます。これは、中小製造業によく見られるパターンです。

右下:品質、性能 等の問題により、手直しが発生しています。
明らかな品質不良や、納期遅れではなく、現場で対応していること(グレーゾーン)が少なくありません。この場合、現場に埋もれている事実情報が非常に多くあります。ほとんどの場合、現場の作業者は、良かれと思い対応していますので、表に現れにくくなっています。これは、大手製造業によく見られるパターンです。

モノづくりIoTの基本的な分析シナリオ「プロセスボード」について紹介しました。
次回は、モノづくりIoTによる「改善した現場力の見える化」について説明します。

第8回「モノづくりIoTについて(4) ~現場力の見える化~」へ→

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