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モノづくりIoTコラム

中村敏

第5回「モノづくりIoTについて(1) ~見える化の実態~」(2017年1月13日公開)

中村 敏 (なかむら さとし)プロフィール
【所属】NECソリューションイノベータ株式会社
      イノベーション戦略本部 兼 IoT事業推進室 エグゼクティブエキスパート

【略歴】NECで主に中堅製造業向けのシステム提案、コンサルティングに従事
      現在、中堅製造業向け モノづくりIoTソリューション事業責任者
      日本マーケティング学会、一般社団法人 日本生産管理学会
      日本TOC推進協議会、NPO法人ものづくりAPS推進機構
      一般社団法人 持続可能なモノづくり・人づくり支援協会 会員

【第5回】モノづくりIoTについて(1) ~見える化の実態~

前回、リードタイム短縮のアプローチとして、「見える化」と「ムダの削除」の2つのアプローチがあることをご紹介しました。「ムダの削除」に関しては、既に現場改善活動に取り組んでいる企業は多いと思います。それでは、「見える化」に関しては、どの程度とり組んでいるのでしょうか。

作業者の労働時間(工数)の構成比





正味作業時間比率 = 10% ≪工数≫

正味作業時間/製造リードタイム
      = 1/200-300 ~ 1/2000-3000 ≪時間≫

測定できないものは改善できない(分母が分らない)





出典:門田安弘 「トヨタの現場管理」 日本能率協会

このグラフは、作業者の労働時間(工数)の構成比です。「正味作業時間比率(労働時間の中で本当にモノを作っている時間の比率)」 は、多くがいまだに10%以下です。この数字が2倍になれば、他の条件が一定の時、労働生産性も2倍になります。つまり、日本の多くの現場が、生産性を大きく伸ばす「伸びしろ」を残しているといえます。≪工数≫

更に、製造リードタイム(この場合は、資材受入~製品出荷の時間)に占める正味作業時間の比率をみると、トップクラスの企業でも、1/200-300。通常の企業で、1/2,000-3,000になります。≪時間≫

<補足>
例えば、製品在庫の滞留時間だけを考えた時、電気機器業界の平均棚卸資産回転率は、6.0 → 棚卸日数 61日になります。この時、正味作業時間を2時間とすると、1/732、1時間とすると、1/1,462になります。

過去から、現場での改善、改革が行われ、世界的に見ても高水準な日本の現場であっても、まだまだ大きな 「伸びしろ」 を残している理由は何でしょうか?大きな理由の一つは、モノの流れが見えないことです。モノが倉庫に保管されている時間、移動している時間、加工を待っている時間 等は、ほとんど分かりません。正味作業時間が分かる企業も稀です。

伝統的なIEアプローチにより作業分析は可能ですが、モノの流れの時間分析はほとんどできていません。不良や、納期遅れの分析は行っていますが、モノの良い流れの分析はほとんどできていません。(本当に今、作らなければならないものを作っているのか、淀みなく流れているのか)

すなわち、「測定できないものは改善できない」

このような話をすると、モノづくりのリードタイムより、売上債権の回収期間の方が長く、意味があるのか?といった質問を受けることがあります。確かに、日本の製造業の売上債権回転日数の平均は、70日~100日(サブ業種別)であり、米国のそれと比べ大きく負けています。主因の一つは、「月次決済」です。米国では 週次決済で、日本のプル生産に学んだ 「リーンアカウンテイング」では、当日納入分の代金は自動的に当日支払うということまで説いています。日本にも、「当日受入れ、当日支払い」のソフトは存在しますが、月次決済の慣習から抜けられません。グローバル競争のためにも、物の流れと一体化した金の流れに向けて改革する時にきていると考えられます。

最近では、IVI(Industrial Valuechain Initiative)の実証実験で、リアルタイム決算の検証が始まりました。リアルタイム決算がすすむと、リードタイム短縮がダイレクトに、CCC(Cash Conversion Cycle)の改善に寄与することになります。このことから、リードタイム短縮は、大幅なキャッシュ改善にもつながっているといえます。

話をもとに戻しますが、モノが倉庫に保管されている時間、移動している時間、加工を待っている時間 等を作業者に負担をかけずに測定するためには、どうすれば良いでしょうか。

位置情報の取得

イメージ:位置情報の取得

実績収集の仕組みとして有名なシステムは、「バーコード」があります。既に、商品コードは体系化されており、日本では、JANコードが採用されています。更に、格納できる情報量が多く、数字だけでなく英字や漢字など多言語のデータも格納できるQRコードも多く見かけます。(QR:Quick Response、デンソーウェーブの登録商標)

1990年代初めに、RFIDが登場しブームになりましたが、バーコードの代替としては価格が高く普及はしませんでした。その後、2001年に、suicaが登場し、新たな利用用途が広がることにより、バーコードのように単なる識別システムではなく、自動的に存在を検出するシステムとして広がっています。例えば、ゲートを通過したフォークリフトに積載されているモノを一括で読み取ったりします。(代替によるコスト競争は不毛な争い。提供価値を変えなければイノベーションは起きません)

更に、ここ数年、カメラの性能が上がることにより注目されているのが、「カメレオンコード」です。遠距離(50m)、複数読み取り(500個)の特長をもっており、利用用途が広がっています。バーコードによる 「識別」、RFIDによる 「存在検出」 は、受入実績や作業完了実績 等、あらかじめ定められたポイントでの実績収集であり、モノの流れ全体をとらえることはできません。(滞留時間、移動時間、待ち時間 等は分かりません)

電波法改正により2014年から、超広帯域無線(UWB:Ultra Wide Band)が利用可能となり、モノの 「正確な位置情報」 を捉えることが可能になりました。例えば、UbisenseのRTLS(Real Time Location System)では、棚にあるモノを上の段から下の段に移動(15cm以上)した実績も分かるようになります。また、MojixのStarSystemでは、パッシブRFIDで200m先の位置情報を1~3mの精度で検知することが可能になりました。

これにより、人を介さずモノの流れを把握することが可能になります。勿論、これだけで全てのモノの流れを把握することはできませんが、各種センサー技術を活用して、モノ、設備、ヒトから自動的に事実情報を収集することができます。

今後、位置情報が最大のポイントになります。

次回は、モノの位置情報から、モノの流れの見える化について説明します。

第6回「モノづくりIoTについて(2) ~基本的な考え方~」へ→

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