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物流改革に向けた物流KPIマネジメントの重要性 【第2回】

講師:柴田 道男

第2回 物流KPIマネジメントの実践(2009年8月25日公開)
講師:柴田 道男  プロフィール
(NEC 流通・サービス業 ソリューション事業本部 ソリューション推進部 マネージャー)

2.マネジメントの実践

(1)戦略マップの活用

第1回(前回)で説明した「物流戦略マップ」の策定により、物流改善が単なる現場の改善でなく会社の収益にかかわるキー項目として設定されたと思います。仮にその戦略マップの一部を下記図3の例のように設定したとします。
この場合、現場でのマネジメントは「物流コスト削減」や「ミスの削減」ではなく「作業教育の実施」と「検品作業の二重化」に重点をおきます。月次でこれらの管理項目がきちんと遂行できたかどうかをマネジメントの柱にします。図中のAの項目です。

現場が日々、「物流コスト削減」をテーマにするのではなく「作業教育をやったか」「検品を二回ずつ行ったか」を愚直に実施管理します。もちろん戦略マップの全体像は物流現場にもきちんと伝えておく必要があります。自分たちが行っている活動が全社の収益に貢献している、というしっかりしたイメージをモチベーションにして取り組んでもらうのは有効なことです。

図中のAの項目はひとつだけではなくて複数設定することも可能ですが、あまり多くなりすぎるとマネジメントの重要性が失われるので、出来るだけ絞り込んだ項目数で徹底的に取り組むのが効果的です。「標準フロー」と比べて特殊な作業になっていないかを振り返りながら、この項目自体を適宜入れ替えていくことも出来ます。「作業教育」がいいのか「表彰状」がいいのか「時給アップ」がいいのか、など取り組むべき選択肢は多様です。

【図3:戦略マップ 例】

戦略マップ 例

(2)マネジメント項目の厳選

では、例えば1ヶ月間、「作業教育」を徹底し「検品の二重化」に取り組んだとします。 作業教育の回数や受講率などをKPI項目としてマネジメントします。 もし、作業教育がきちんと行われピッキングの生産性も向上したとすれば想定どおりの成果が上がったことになります。もちろんそのまま全社のコスト削減につながるとは限りませんが物流部門としては大きく貢献したことになるでしょう。
そして現場のマネジメントとしては、「作業教育」⇒「ピッキング生産性向上」という相関関係が証明できたことにもなります。

逆に不幸にして、作業教育は徹底されたのにピッキングの生産性が上がらなかったとします。この場合は「作業教育」が「ピッキングの生産性の向上」につながらなかったということと、「作業教育」の内容自体が十分だったか、という二つの点から反省をしてみる必要があります。 作業教育自体は有効だがやり方がよくなかったとして、さらに1ヶ月間、外部の専門家を招いて「作業教育」を行ったとします。
これで成果が出なかったとしたら再度この戦略マップの設定が間違っていたのではないか、を疑ってみる必要がありそうです。「作業教育」というKPI項目をあきらめて別の項目設定を検討します。

たとえば、休憩の回数や時間を増減させてみる、などです。
現場マネジメントのKPI項目はこのようにして随時見直していく必要があります。

各種の項目を日次や月次で管理していく中で、どの項目の間に相関関係があるのかを見出せれば物流のマネジメントが自在に出来るようになります。この項目は現場ごとに違うと言えますが、入荷検品を徹底させることで出荷ミスを削減した会社の事例もあります。つまり、一見無関係と思われることでも実は作業者の活動に影響を及ぼしている可能性があるので試行錯誤を繰り返しながら戦略マップのマネジメント項目を完成させていくことが肝要です。

自社の物流にとって有効なマネジメント項目を厳選して完成させることで戦略マップの上位項目(コスト削減やCS向上)に寄与していくことが出来ます。

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【プログラム】
物流改革に向けた物流KPIマネジメントの重要性

第1回
物流戦略と
KPIマネジメント

第2回
物流KPI
マネジメントの実践

1.コスト構造の把握と課題の抽出
2.マネジメントの実践
3.物流KPIマネジメントサイクルの完成