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中堅生産財卸・商社にもとめられる差別化戦略とは 【第1回】~事例に見る成長戦略の5つのポイント~

講師:片山和也 氏

第1回
押さえておくべき、中堅生産財卸・商社を取巻く事業環境
(2008年6月公開)

講師:片山 和也 プロフィール
(株式会社船井 総合研究所 シニアコンサルタント)

3. 生産財卸・商社の事業規模による成長性と生産性の違い

つまり、卸・商社ビジネスを考える上で重要なことは単なる売上規模ではありません。大手卸・商社は総合力と資本力で生産性の高いビジネスを展開し、地域密着の小規模卸・商社はフットワークとローコストオペレーションで大手卸・商社が行えない細かなビジネスを展開しているのです。

こうした背景の中、卸・商社ビジネスにおいて最も悩みが多いのが大手卸・商社と小規模卸・商社にはさまれた“中堅卸・商社”なのです。全国区の大手卸・商社がおおよそ年商500億円以上、地域密着の小規模卸・商社はおおよそ年商50億円以下。そう考えると“中堅卸・商社”の事業規模は年商100~300億円前後と考えることができると思います。

実際、私は生産財卸・商社を中心に数多くのコンサルティングを手がけていますが、特に人の問題や戦略実行力で最も悩まされるのが年商100億円から300億円前後の卸・商社なのです。経験的にそうしたことを感じていましたが、今回はこうした傾向を定量的に分析してみることにしました。

まず図表1をご覧いただきたいと思います。これは生産財業界の専門誌である「設備資材」が決算期ごとにまとめた、主要生産財商社の決算データをもとに、船井総研で加筆修正したものです。この図表1をもとに売上規模別に分析を行ったものが、図表2になります。

【図表1:主要な主要生産財商社における売上・粗利・従業員数データ(金額単位:百万円)】

図表2 売上規模別 成長性と生産性比較

まず“成長性”ですが、2006年から2007年にかけて、図表1に示す大半の企業が増収(売上増加)を果たしています。しかし2007年は生産財業界も踊り場的な年であったため、一部の企業で減収(売上減少)が見られます。

そこで図表2からわかることは、各売上規模において最も減少社数が多いのは売上100~300億円未満のグループです。同グループは26社中、5社が売上減少しており比率で見ると最大の19%となっています。 次に“生産性”ですが、“生産性”とは要するに従業員一人あたりの粗利のことです。粗利から人件費等の販売管理費をひくと営業利益となりますが、営業利益は人件費を低くおさえることで高く見せることができます。しかし従業員一人あたりの粗利は、その会社の本当の実力を示すと考えてよいでしょう。

一般に正しく組織が運営されていれば、人が増えれば増えるほど生産性はあがります。大企業が一般的に給料が良いのは、生産性が高いためです。ところが各売上規模において最も生産性が低いのは売上100~300億円未満のグループなのです。同じく図表2を見ると、100億円未満のグループが1500万円の一人あたり粗利(=生産性)に対し、100~300億円未満のグループは1430万円という結果となっています。そして売上規模が300億円以上になると一人あたり粗利が大きく上がっていることがわかります。

以上のことから、年商100~300億円の中堅卸・商社は、成長性の面でも生産性の面でも、その上下クラスの商社にはさまれて相対的に苦戦していると言わざるを得ないのです。

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