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人事部門の変革第五章 人事部が変わるために

4.最後に

最後に、今から10年後の人事部門はどのように変化しているか考えてみたい。思い起こせば、今から10年前は人事部門の主な仕事は成果主義人事制度の導入推進、コスト削減、リストラ推進が中心であった。しかし、今後10年経つと社内外の環境変化に伴い人事部門の仕事も全く変わったものになっているはずである。

まずは、このところ成果主義の徹底や年功制の撤廃によりモラールの低下が問われている。しかし10年後は現在とは違って、各企業では成果主義は当たり前の考え方となって浸透しているであろう。ただし、一方別の問題が噴出する懸念がある。例えば優秀な人材は、業績に応じて高額な報酬を手に入れることが出来るものの、業務はより多忙を極めて、メンタルヘルスで悩みを抱えることとなるというリスクを抱えることになるであろう。また、逆に若くして昇格機会から外されてしまった人材に対して、どのように非金銭的な報酬を与えるかが人事担当者の悩みの種になっている。たとえば、人事担当者は転職相談の窓口のようにキャリアカウンセラーのプロとなっており、キャリア開発の機会や場の提供を行うようになっているはずである。

また、向こう10年間の間での世の中の変化として、2013年には厚生年金の支給年齢は65歳となり、2015年に総人口の4人に1人は65歳以上に達すると想定されている。そうなると各企業の定年の65歳への延長や定年制自体がなくなっている企業が増えているはずだ。一方、新卒者は大企業への入社に全く見向きもせず、卒業後すぐに起業することがそれほど珍しくなくなっているであろう。大企業にとっては確保できるホワイトカラー人材の減少は不可避であり、各企業は今よりも一層優秀な人材の確保と育成、引止めがより重要になってくるであろう。一律的な層別教育はe-learning化され、コア人材に対する選抜教育や異動、個別キャリアパスの設定が最も重要な人事の課題になっているはずである。

さらに、事業環境としても今よりも厳しくなり、M&Aや組織再編が日常的になり、人事部門としても企業変革推進や企業文化の浸透・融合がより重要な業務になっているであろう。社内には異なる国籍やバックグラウンドを持つ多種多様な人材が社内に入り乱れているなど、人材のマネジメントはより難易度が高く、多岐にわたるものとなっているはずである。

このように見ていくと、10年後の人事業務の内容は遠いようでもあるが、すでにある程度現実化している部分も多いのではないか。皆さんの会社のおいては10年後に向けて、どれほどの準備と体制が整っているであろうか、これを機会に今一度考えて頂きたい。