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人事部門の変革第五章 人事部が変わるために

(2)経営/現場ニーズの把握

当セミナーの第一章において、人事部門には「経営・現場のパートナー」という位置付けが求められるということについて述べた。つまり人事部門の変革に向けての構想策定段階では、まずは経営層や現場と同じ視点に立った取組みが必須となる。具体的な作業手段としては、経営層に対するヒアリングを実施して中長期的な経営上の問題意識を把握したり、現場の中堅層や経営企画部門担当を検討プロセスに巻き込んだプロジェクトによる取組みにしたりするなど、人事部門の独りよがりの取組みにならない様にすることが重要である。

(3)目的・スコープ定義

そもそも一体何を目的に人事部門は変わらなければならないのか。我々の経験からも、変革に向けて特に経営層を中心に「人事が変わらなければ会社全体が変わらない」という危機意識が薄いことが散見され、プロジェクトが頓挫した事例を目にすることがある。人事部門変革の目的を定義して関係者間で共有し、人事部門以外の関係者と議論・協働して、人事部門の機能の見直しを進めることが必要である。
例えば、企業の競争環境の激化に伴って事業シナジーの追求のためにグループ会社を含めた組織再編や持株会社化がきっかけとなった場合、人材が流出するリスクに直面するケースがある。そうした場合、変革に伴う企業風土の融合や人事管理体制の見直し、人事機能の戦略化が重要な課題となる企業が増えている。具体的には、従業員サーベイを実施して潜在的な人材リスクを把握するとともに、グループ間での適材適所の実現、それを支える人事情報基盤の整備など幅広い人事の対応が必要になっている。このように背景を含めて目的を具体的に明確化して、関係者間で共有することが重要である。

また、前述した人事の3つの役割(「サービス部門化」「戦略企画部門化」「リスクマネジメント部門化」)について、一度に網羅的に取り組むことが必須ではない。人事部門の3つの役割のいずれかを優先的に取り組んでいくことが現実的である。その優先順位決定に当たっては、人事部門変革の目的次第で決定されるといっても過言ではない。企業を取り巻く環境変化がどのように人事部門の役割に影響を及ぼしているのか、また業界特性として、例えばどれほど「現場力の差」が企業価値に影響を及ぼすか、などを改めて考えることで、取り組むべき優先順位が決定される。

成功要因

  • 人事部門変革の目的が定義され関係者と共有されていること
  • 経営や現場のニーズを踏まえて人事部門の変革要件が洗い出されていること
  • 人事とは異なる視点を織り込めるプロジェクトチームを編成すること