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人事部門の変革第四章 リスクマネジメント部門としての人事

(2)人材流出に関するリスクへの対応

企業間の競争が激しくなる中、人材基盤の強弱が企業の競争力に与える影響が大きくなってきた。一方で、就労意識の変化や中途労働市場の充実は、人材の流動化を促進している。
このような動きは、有用な人材が流出するリスクを増大させるため、企業はそのリスクに予め備え、対策を講じる必要性が高まってきた。

1. リスク戦略方針の策定・目標の設定

人材流出に関するリスク項目に対して、戦略方針の策定及び目標の設定を行う。

図4-17 人材流出リスクに対する戦略及び目標

リスク項目 戦略 リスクマネジメント目標
ノウハウの喪失 低減 ※ノウハウカタログ制定事項については100%形式知化もしくは被引継者に伝承する。
就労環境の悪化 享受 2ヶ月以内に人員の手当を含め対策を講じるが、一時的な業務負荷の増大は受け入れる。
残存社員のモチベーションの低下 低減 定期実施する従業員サーベイのロイヤルティ関連項目の平均値を5点中3点以上とする。
リテンション力の低下 低減 勤続5年以内の中途退職率を5%以下とする。

※ 社内で保有している(あるいは保有すべき)ノウハウの項目・内容等を抽出・体系化して、常時メンテナンスの上で閲覧できる状態で保持・管理するもの。

2. リスク対策の策定

ノウハウ喪失リスクに対して具体的な対策の一例を示す。

図4-18 ノウハウ喪失リスクへの対策例

物理的対応
  • ノウハウDBを構築し、体系化・形式知化されたノウハウを一元管理する。
  • スキルDBを整備し、個人が保有しているスキルを一元管理する。
組織・業務的対応
  • ノウハウ体系・スキル体系を整備する。
  • 年1回個人のノウハウのたな卸しを評価時に行うことをルール化する。
  • ノウハウの形式知化に対する部門表彰制度を導入する。
  • マイスター制度を新設し、技能伝承者の責任とステータスを確立する。
教育的対応
  • 技能伝承塾を研修制度に新設する。
法務・財務的対応
  • 重要なノウハウについて調査を実施し、特許・実用新案を申請する。
  • 技術系社員を対象に無形資産・著作権の権利に関する覚書を締結する。