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人事部門の変革第二章 サービス部門としての人事(前編)

3. マネジメントスキルの底上げ

「マネジメントスキルが不十分」という問題に対しては、人事部門がマネージャーを育てていくという視点が必要となっている。しかしながら、従来から行われている階層別のマネジメント研修だけで十分だとは言い切れないのではないだろうか。
まず、マネージャーとして一人立ちするまでの成長段階について考えてみたい。

<図2-8>

図2-8

マネジメントスキルの向上に関する取り組みについてある会社の事例を通して見てみたい。同社では、マネージャーのスキルのバラツキなどが原因となって、部署によって若手の戦力化に時間がかかるなどの課題を抱えていた。そこで新入社員の受け入れに伴うOJTのプログラムを人事グループが主となって見直しを行った。下記が主な見直し内容である。
 
<表2-2>

  見直し内容
1.育成方針の明確化 新入社員をどのように育成するかは現場に任せきりで、人事部門は実施内容をあまり把握できていなかった。そこで人事部門が積極的に関与し、「現場と人事部門が一緒になって大切に新入社員を育てる」ことが方針として定められた。
2.責任者の任命 新入社員の教育に関する責任が現場と人事部門で明確になっていなかった。そこで新入社員が配属される部やグループごとに教育責任者を設定した。教育責任者には課長クラスか、もうすぐ課長に昇進という主任クラスが任命された。
3.ゴールとプロセスの明確化 OJTを通じでどのように教育を行っていくか部門毎に考え方が異なっていた。そこで教育責任者は新入社員それぞれが3年後に課やチーム内でどんな存在になって欲しいかといったゴールを設定し、中長期的視点から年間の育成計画を人事部門と相談しながら策定することを義務付けた。
4.フォロー体制の整備 人事部門が余り関与してこなかったため、教育責任者は独自に試行錯誤をしてマネジメントスキルを高めてきた。そこで人事部門が教育責任者をフォローするプログラムを計画的に盛り込んだ。

育成プログラムにおける新入社員および現場の取り組みについて具体的な流れを下記に示す。合わせて教育責任者(マネージャー)の成長段階を示す。

<図2-9>

図2-9

これらの取り組みにより、従来問題となっていたマネジメントスキルのバラツキの改善につながった。結果、配属した部門に関係なく新入社員を早期に戦力化できるようになっている。
また人事部門から見た場合、積極的に現場とコミュニケーションをとることにより、現場でどのような問題がおきているのか、マネージャーがそれに対してどのように考え対策を立てているのかを把握できるようになった。その結果、人事部門は現場のニーズに応じて適宜必要なサポートを行うことが可能となった。
 
段階別に人事部門がどのように関わってきたのかを整理する
 
型を作る

  • 育成方針の明確化や教育責任者の任命、OJT計画作成の義務化などのルール化を行っている。
  • OJT計画を作成するためのフォーマットを整備している。
  • 教育責任者交流会にてOJT実施後の検証およびアドバイスを行っている。

型を進める

  • 教育責任者のマネジメント方法に関する知識を深めるため、交流会により他者の事例を共有している 。
  • 交流会により部門をまたいで教育責任者同士が刺激を与える機会を設けている。

体得する

  • 個別ヒアリングによりこれまでのマネジメント実施内容を振り返り総括を行っている。またより高度なマネジメントスキルを獲得するため新たな課題の設定を行っている。

後編へ続く>