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知っておきたい労働安全衛生法/ストレスチェックの準備 第2回
ストレスチェックの義務化・背景と対策(後編)

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2015年12月から、常時使用する労働者へのストレスチェックが事業者の義務となります。法律的な背景を知っていただくと同時に、実際のストレスチェックや個別面接の実施方法について紹介します。

石田氏、大島氏

レイズ・コンサルティング法律事務所 弁護士(東京弁護士会) 石田 達郎氏

慶應義塾大学経済学部、中央大学法科大学院卒業。
日本労働法学会所属弁護士。
経営者の側から労務問題を取り扱うことを専門分野としており、一般の労使紛争のみならず、労働災害、外国人労務問題についても造詣が深い。

産業カウンセラー/特定社会保険労務士 大島 祐美子

日本女子大学文学部卒業後に外資系メーカーに入社。参議院議員の公設秘書へと転職。
法律を学ぶ中で従業員教育などの重要性を感じ、資格を取得後に社労士として独立。
産業カウンセラーとしても中小企業の労務にかかわる。

ストレスチェックの実施と実施後の流れは次の図のようになっています。

図:ストレスチェックの実施と実施後の流れ

(厚生労働省パンフレット「労働安全衛生法が改正されます」(2014年7月)P.2)

今回は、この実施と実施後の流れについて、会社が行うべきことや注意点を具体的に見ていきたいと思います。

前回の復習になりますが、ストレスチェックの実施義務を負っているのは会社(法律での「事業者」と言いますが、ここでは分かりやすく「会社」としています)です。
実際に実施するのは会社が契約している産業医等となり、法律では「実施者」と呼ばれます。

1.ストレスチェックで調査する項目

実施者は、法律に基づいてストレスチェックを実施します。

法律に基づくストレスチェックとは、調査票を使って、①仕事のストレス要因、②心身のストレス反応、③周囲のサポートの3つの領域に関する項目により検査を行い、労働者のストレスの程度を点数化して評価し、その評価結果を踏まえて高ストレス者を選定し、医師による面接指導の要否を確認するものです。

前回お伝えしたとおり、ストレスチェックに用いる調査票は、「職業性ストレス簡易調査票」(57項目)が推奨されていますが、要件を満たしていれば、別の調査票を用いることも可能です。

より簡易な「職業性ストレス簡易調査票」(23項目)もありますし、民間サービスが提供しているシステムを使えば、受検する従業員の実施負担を軽減しながら、より詳細なストレス調査を行うこともできます。

会社にはどのようなものが適しているのかを検討して、調査票を選定しましょう。

2.面談の対象となる高ストレス者とは?

ストレスチェックの受検が終わると、次はストレスの程度の評価です。

高ストレス者に対して、医師が面接指導を行うこととされていますが、高ストレス者に該当しているかどうかは、どのように判断されるのでしょうか。

高ストレス者として選定する者は、次の①または②のいずれかの要件を満たす者と決まっています。

①「心身のストレス反応」の評価点数の合計が高い者。

②「心身のストレス反応」の評価点数の合計が一定以上であり、かつ「仕事のストレス要因」および「周囲のサポート」の評価点数の合計が著しく高いもの。

高ストレス者の割合について、厚生労働省は、事業場の対象労働者の10%程度を基準とすることが適当としており、具体的な基準点については、会社が、衛生委員会等での調査審議を踏まえて決定することになっています。

なお、このストレスの程度の評価においても、ストレスチェックをシステム化しておけば、高ストレス者を自動的に抽出することができ、煩雑な作業を単純化することできます。

3.本人への結果通知と同意の取得

ストレスチェックの結果通知は、メールや封書など本人以外が見ることができない方法によることが義務化されています。

本人に通知する内容は、次のものです。

①個人ごとのストレスの特徴や傾向を数値、図表等で示したもの

②高ストレスに該当するかどうかを示した評価結果

③面接指導の要否

繰り返しになりますが、ストレスチェックを実施するのは、実施者(産業医等)であり、会社ではありません。

ストレスチェックの結果は、上記に書いた通り、本人に知らせるものです。会社は本人の同意がなければ実施者から個人結果の提供を受けることはできません。

では、その同意はいつ得るのでしょうか?
本人の同意を得るタイミングは、「個人結果通知後」と決められています。

ストレスチェックの実施前や実施時に同意取得をすることや労働者全員など一斉にまとめて同意取得すること、労働者に対して同意を強要することは禁止されています。

4.医師による面接指導

ストレスチェックの結果、自分が面接指導の対象者であると結果通知を受けた労働者は、医師による面接指導を受けることができます。面接指導を希望する労働者は、会社に対して面接指導の申出を行います。

高ストレスと判断された労働者であっても申出がなければ面接指導は行われません。 会社は高ストレスと評価された労働者から申出があったときは遅滞なく、医師による面接指導を行わなければなりません。

医師の面接指導を経ずに、ストレスチェックの結果や医師以外の者による相談対応の結果だけで就業上の措置を講じることは禁止されています。

なお、面接指導の対象者は、労働者の面接指導の申出をもって、個人結果の会社への提供に同意がなされたものとみなされます。

5.医師からの意見聴取と就業上の措置の実施

医師による面接指導の内容も決められていますが、それは会社が行うことではないので、ここでは省略します。

医師による面接指導が実施された後には、会社は、当該医師から意見を聴取する必要があります。具体的には、会社は医師から、就業区分(通常勤務、就業制限、要休業)や職場環境の改善等について意見を聞きます。

会社は、医師の意見を勘案して、必要があると認めるときは、その労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮などの措置を講じなければなりません。

就業上の措置を決定する場合には、会社は、あらかじめ当該労働者の意見を聞き、十分な話し合いを通じて、その労働者の了解が得られるよう努めるとともに、労働者に対する不利益な取り扱いにつながらないように留意しなければなりません。

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