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白石 壮馬

社会で「使える」ソリューションをつくりだす

データサイエンス研究所 担当
白石 壮馬 (しらいし そうま)

大学院時代から画像認識に取り組み、2013年にNEC中央研究所へ入所。以来、物体認識を核とした小売店向けの社会ソリュ―ションを数々開発。技術研究だけでなく、現場で活用できる実践的な研究に携わっている。

人間の「理解」の本質に迫る画像認識

私はいま、NECデータサイエンス研究所の物体認識チームに所属して画像認識の研究に従事しています。画像認識は大学院に入ってからずっと取り組んできた研究テーマですが、このテーマを選んだ理由は、その技術自体に純粋な興味があったからです。人が物事を理解するという行為を機械で再現するって、おもしろい研究だと思いませんか? さらに、認識技術の進化は、世界中の人たちの生活を便利なものに変えることに、ダイレクトにつながっていきます。こんなおもしろさとやりがいが、画像認識研究の魅力だと思います。
私のチームではモノの認識を研究していますが、グループ内にはヒトの認識を研究するチームもあります。世界的にも優秀なNECの顔認証技術は、その成果の一つです。将来的には、お互いのノウハウを持ち寄って、モノとヒトの認識を融合したさらにハイレベルな認識をめざしたいねということも、最近よくチームで話しています。これまでは犬の画像を見たら「これは犬だ」、ヒトの顔を見たら「これは誰々さんだ」と判定するのが画像認識でした。しかし、これからはモノとヒトの関係性の理解にまで踏み込んでいく時代です。私たちの間では「高次の認識」ですとか「深い理解」なんていう呼び方をしているんですが、たとえば画像や映像から「人が犬をかわいがっている様子」まで判断できるようになる認識ができれば、新しい可能性が生まれます。AIやディープラーニングといった最近の研究トレンドにも深くかかわった技術ですし、私自身も今後踏み込んでいきたいテーマです。

売り方の最適化をめざす店舗ソリューション

入所以来メインで取り組んでいるのは、小売り店舗向けのソリューションです。たとえばその一つが、商品そのものを画像認識して会計できるレジですね。バーコードが不要になるのでレジの処理効率が上がるのはもちろん、青果にバーコードのシールを貼る必要がなくなるというメリットもあります。特に、海外のスーパーマーケットでは果物を包装せず裸で売ることが多いので、重要なポイントなんですね。まだ開発段階の技術ですが、ゆくゆくは無人レジといった方向性を考えることもできるシステムです。
このほかにも、店内のカメラ映像を通じたサービス開発に取り組んでいます。映像から商品の大量移動を検知して、盗難犯罪の可能性をいち早く通知するといった防犯への応用はもちろんですが、「売り方の最適化」というようなポジティブな方向でのアプローチも進めています。たとえば、お客さんが商品を見て棚から手にとってみたけれども、それを戻してしまったりですとか、そういった商品の動き一つひとつを情報として見える化する。これができれば、棚の配置を変えるなど、より効率的な売り方を検討できるはずです。人の監視というのは倫理的にも問題が生じますから、商品の移動や変化という物体認識からアプローチするというのがポイントですね。
いまは店舗での活用を中心に考えていますが、将来的には災害の検知・予知や、公共スペースでの不審物検知などへの応用も視野に入れています。これまで監視カメラというと、映像をリアルタイムで人間が目視している場合や、何かが起きてしまってから録画したものをあとで確認するくらいでしか意義がなかったと思うんです。でも、何が起こっているかを機械がリアルタイムで映像から認識して、それをきちんと人に教えてくれるということができれば、より安心・安全な社会につながります。実用化できるソリューションに向けて、研究を進めていきたいと思っています。

No.1技術をめざす研究と実用化を両立させるバランス感覚

これまでの研究のなかでいちばん実感しているのは、「実際に使えるものをつくる」ことの重要性です。まず必要とされるサービスをつくらなければ意味がありませんし、開発した技術も、机上でつくったものではやっぱりうまくいかないんですね。実際に現場にもっていくと想定外の要素は必ずありますし、安定稼働させるためにはさらなる工夫が必要です。
そうした意味でも、研究者にはバランス感覚が必要だなと思っています。研究は研究として、純粋に追究するというやり方はもちろん重要です。No.1の技術を創り出すというのは、NECの研究者における変わらないスタンスですから。しかし一方で、実問題からソリューション視点で考えていくという方法も重要です。ただ、それぞれ片方だけでは足りなくて、両方バランスよく成り立たなければ製品化はできないんですね。こんなバランス感覚を持っている人が仲間になってくれたら、とても心強いです(笑)
いまめざしているのは「課題を自分で見つける」ということですね。私たち研究者は、事業部から課題を提示されて、その解決策を考えていくという仕事のやり方が一般的なんです。それでも、課題を自分で見つけて、自分で解くということができれば、研究者として一人前になれると感じています。

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