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甲斐 夏季

専門外の分野から国際的なネットワーク研究者をめざす

システムプラットフォーム研究所 担当
甲斐 夏季 (かい なつき)

学生時代にはSIMD演算を研究していたが、就職時にはネットワーク研究を志望。現在はモバイルネットワークを介したライブ映像配信の研究に取り組み、学会での受賞や製品化へのPoCを成し遂げるなど第一線で活躍している。

専門外のモバイルネットワーク研究へ挑戦

いま私が所属する研究チームでは、ネットワーク状態の予測を一つのミッションとしています。ネットワーク状態の予測は、アプリケーションの安定的な運用に不可欠です。予測することで先回りした制御が可能になり、運用を最適化することができます。そのなかでも、私がいま主に取り組んでいるテーマは、モバイルネットワークを介したライブ映像配信です。
でも、じつは私の学生時代の研究分野はSIMD演算という並列計算だったので、ネットワーク研究は専門外だったんです(笑) もちろん、SIMD演算にもネットワークは関連するのでまったくの無知だったというわけではないんですが、自分の研究者としてのこれからを考えたときに並列計算よりもネットワーク研究を進めていきたいと考えていたので、新しい分野にチャレンジするようなかたちで就職活動をしていました。そのなかでもNECはこうした私の考えも理解してくれたんですね。NECには、ダイバーシティを大切にしてくれる風土があります。同じ視点だけではなくて、新しい視点が研究に刺激を与えてくれるということは間違いなくありますから。実際に、私のほかにも物理学出身でネットワーク研究をしている方ですとか、いろいろなタイプの研究者が在籍しています。
ただ、やっぱり新しい分野は難しいです(笑) 特に、私がいま研究しているモバイルネットワークは、通常のネットワークとはだいぶ仕様が違うんですね。ひたすら、先輩に本を貸りたりして必死に勉強して追いついてきました。でも、研究で困っているときに、その雰囲気だけを察して「どうしたの?」と話しかけてくださる先輩方は、本当にありがたかったですね。私のまわりには、研究者としても、人間としても、尊敬できる良い人が多いです。後輩がきても、同じようにしてあげたいなと思っています。

学会で受賞できた技術の実用化・製品化へ奔走

入所2年目のときに、進めていた研究を初めて学会で発表したんですが、じつはそこでネットワーク研究賞を受賞できたんです。CPU性能が不十分なモバイル端末からでも、モバイルネットワークを通じて途切れなく映像配信できることをめざした研究で、処理能力を予測して配信映像の圧縮率を最適化する「適応映像配信技術」というものを発表しました。2年間をかけて完成させた技術で、賞というかたちでご評価までいただけたのは、本当に嬉しかったですね。いまはこの技術のPoC(概念実証)を確保して、実用化しようというステップに進んでいます。
ソリューションの一つとして提案しているのが屋外イベント警備での活用です。「ランニングポリス」って、皆さんご存じでしょうか? 大規模なマラソン大会の警備に導入されているんですが、ランナーの方々といっしょに走る、ウェアラブルカメラをつけた警備スタッフのことなんです。ウェアラブルカメラからの映像はリアルタイムに指揮室へ配信して常に連携をとるので、急病や不審物や不審者に対してすばやく的確に対応できるというシステムです。じつはこの半年間で16回デモをやらせていただいているんですが、その度にお客様からは「鮮明で途切れなく映像が確認できる」と高い評価をいただくことができました。PoCを確保することができたので、製品への落とし込みを加速させていきたいと思っています。
このほかにも、救急医療での提案も進めています。急病人を搬送する際に、患者の容体をリアルタイムで映像配信して医師の判断を仰ぎ、最適な受け入れ先を決めようというものです。お医者様は瞳孔の様子などを詳しく見る必要があり、非常に高精彩な映像配信が求められますから、私たちの技術がお役に立てるのではないかと思っています。
いま一つの目標としているのは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで導入いただくことです。そうすれば、五輪で活用した技術ということで、グローバルな展開がしやすくなりますから。全力で製品化を進めて、ご活用いただくことをめざしていきます。

海外でもバイネームで呼ばれるような国際的な研究者へ

いま私がお話ししてきたことで、わかっていただけると思いますが、NECでは研究から製品化までの一連の動きをすべて経験することができます。自分で課題を発見して、その課題を解決できる技術を開発し、論文を発表する。さらに、特許を取得して知財化したうえで、実際に運用できる製品にまで落とし込んでいく。このすべてのステップを体験できることは、得られるものが多いですし、すごく満足感が高いですよ。
それと、いまは目前の課題として適応映像配信技術の製品化に向けて全力で取り組んでいますが、将来的に実現したいと考えているのは留学です。NECには留学制度があるので、これを利用していつどこへ行こうか、いま真剣に考えているところです。じつは私が研究者になった理由って、海外に行くためなんですね(笑) 学会などで海外に行って体験する国際的なつながりを、とても楽しみにしているんです。そのためには、留学でさらに勉強する必要がありますし、国際会議で発表できるような論文を継続的に出しつづける必要があります。10年後くらいにはバイネームで呼ばれるような国際的な研究者になることをめざして、引き続き研究と留学への準備を進めていきたいと思っています。

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