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岩崎 悠真

自分のやりたい研究を追究

IoTデバイス研究所 担当
岩崎 悠真 (いわさき ゆうま)

大学時代は物理学を専攻し、NECでは機械学習の道へ進む。マテリアルズ・インフォマティクスにいち早く着目して研究を始め、本場アメリカへ留学。現在は日本におけるこの道の第一人者の一人。

AIで最適材料を探すマテリアルズ・インフォマティクス

学生時代は物理学を専攻し、表面・界面物性の研究をしていました。ただ私の場合、データサイエンスやエネルギーなど、もっと違うことも研究したいなと思っていたんです。そういう意味で、物理科学の基礎研究はもちろん、幅広い分野での研究ができるNECは魅力的でした。特に、自由応募は「何でもやる」人材を募集していたので、私には最適だったんですね。入所してみると驚いたんですが、NECは社外から想像する以上に、ずっと幅広い研究をしていますよ。
入社当初はシステムプラットフォーム研究所で、機械学習を使ったエネルギーマネジメントシステム研究を進めていました。いまは、AIによって技術の最適な材料を見つけだす「マテリアルズ・インフォマティクス」の研究をしています。AIがデータ主導で材料探索をすると、人間のように先入観や固定観念がないぶん、従来では考えつかないような提案をしてくれるんですよね。実際、ナショナル・プロジェクトであるERATO(戦略的創造研究推進事業)のスピン量子整流プロジェクトにもこの技術で参加し、スピン熱電現象をさらに効率化させる新材料の発見に貢献できました。スピン熱電は、自動車や工場の排熱から電気を取り出せるという新しい可能性をもった省エネ技術ですから、いまさらなる効率化へ向けて研究を進めているところです。
最近ではマテリアルズ・インフォマティクスに関しての研究をさらに進めていて、発表した論文 (DOI : 10.1038/s41524-017-0006-2) は雑誌「Nature Computational Materials」に掲載されました(2017/2/3)。

自分のやりたいテーマを追究できる「15%ルール」

マテリアルズ・インフォマティクスの研究は、じつは会社から指示されたものではなくて、私の自主的な研究から始まったものなんです。NECには、だいたい15%くらいであれば、勤務時間内であっても自分の好きなテーマで研究をすることが許されているんですね。みんな「15%ルール」なんて呼んでいたりします(笑)
入社して機械学習の研究を始めていたころ、ちょうどアメリカでは機械学習で材料探索するという研究が進められるようになっていました。まだマテリアルズ・インフォマティクスという言葉さえ存在していなかった時代です。でも、これはおもしろいと思って、私も15%内で研究を始めたんですね。
ただ、当時の日本ではまだぜんぜん認識されていなかった技術だったので、周囲からの反応は散々でしたよ。でも、それもわかるんです。AIはただ、答えだけを導き出します。根拠が示されずに答えだけ出るというのには、科学者だったら気持ち悪さを感じるはずです。
ただ、この研究は諦めきれませんでしたし、この技術を突き詰めたいという思いは日増しに強くなっていったので、会社の制度を利用してNIST(アメリカ国立標準技術研究所)とUMD(メリーランド大学)へ留学させてもらいました。NISTはマテリアルズ・インフォマティクスでは世界のトップを走る機関ですから、ここで学べたことは非常に大きな財産になったと思います。
留学から帰ると、日本でもだんだんとこの技術に対する認識も深まっていましたし、私自身もスピン熱電の件を含めて結果を出すことができたので、周囲からも認められるようになりました。今では大手を振ってマテリアルズ・インフォマティクスを研究テーマとして活動できるようになっています(笑)

大切なことは、自分の研究を信じて突き進む強さ

これから研究者になる皆さんにはぜひ「何を言われても負けない」ということを忘れないでほしいと思います。これは、私自身が大切にしている心構えでもあるんですけどね。
批判は来るんです、絶対。でも、それがたとえ所長であろうと誰であろうと、しっかりと意見は言いながら、自分の研究は正しいんだっていう気持ちを持つことが大切だと思っています。こう聞くと、チームのなかで角が立つじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、少なくとも、私のチームの上司たちは毎週飲むほどの仲ですし、そうした意見もきちんと受け止めてくれる環境がNECにはあると思いますよ。ただ、あまり強く言い過ぎるのはダメですけどね(笑) とにかく結果を出せば、間違いなく受け止めてくれるので、結果出すまでは我慢が大切です。
当面の目標は、マテリアルズ・インフォマティクスをきちんと製品化して世に出すことですね。そして、この分野ではバイネームで呼ばれるような研究者になっていきたいと思います。
あと、これはNISTの方がおっしゃっていたんですけど、AIでデータドリブンに材料探索していくと、やはり人間では考えつかないような答えがポンと出てくるんです。なので、もしかすると、こういった技術からノーベル賞のような発見が生まれることもあるかもしれません。ゆくゆくは、そういう発見もできたら嬉しいですね。

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