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藤澤 慎介

通信インフラで世界をリード

2018.2.2

IoTデバイス研究所 主任
藤澤 慎介(ふじさわ しんすけ)

学生時代で光に関する物性物理を研究。2010年にNECへ入社以来、光通信システムの大容量化の研究に従事し、国際標準規格の策定にも貢献。研究のかたわらで趣味のロッククライミングにも取り組み、研究同様に困難を乗り越えるアプローチを楽しんでいる。

世界をまたぐ大容量光通信インフラの設計技術を研究

私は2010年に入社して以来、光通信システムの大容量化に取り組む研究に携わっています。光通信システムという言葉は馴染みがないかもしれませんが、インターネットをいつでも快適に利用するために欠かせない技術でもあるんです。みなさんは、大陸をまたぐ海洋の底に、データ通信のためのケーブルが通っていることはご存知でしょうか? NECではこうした大洋横断10,000 km級の海底ケーブル光通信インフラの通信装置製造から海底ケーブル製造までを一貫して行っています。じつは、このような会社は世界に3社しかないんです。最新の海底ケーブルの通信容量は60 Tbpsにおよびますが、世界中でよりたくさんの人々が、より快適に通信サービスを享受できるようにするためには、さらなる進化が必要です。そのために光通信システムのさらなる容量拡大をめざしていくことが、私たちが取り組み続けているテーマです。
また、最近では世界的なIT企業が自ら海底ケーブル敷設に投資するという事例が出てきました。そのなかで、海底光通信システムの各通信機器の規格をオープン化してコスト競争を図るという新たな流れが生まれています。これによって、従来は通信装置と海底ケーブルをパッケージとして導入していたものが解体され、異なる会社の通信装置と海底ケーブルとがつながるようになります。コスト競争が起こることは確かですが、オープン化した光通信システムは果たして通信品質を保証できるのかという問題も生じます。私はいまこの視点から、異なる通信装置と海底ケーブルとが接続したときでも通信品質を保証できるシステムをEnd-to-Endで設計する技術の開発に取り組んでいます。光通信システムを一気通貫で最適化できることになるので、開発した技術をベースに事業化していけば、従来に比べて格段に高品質で低コストなインフラを構築することができると期待しています。
今回のオープン化への流れのように、通信の業界は数年に一度、定期的にパラダイムシフトが起きるんです。元々の前提がある日ガラッと変わってしまう。それでも、その流れをただ否定するのではなく、柔軟に対応することが私たちの研究では重要な心構えですね。自分がこれまで培ってきた研究が新しいパラダイムにどう活用できるかと考えながら、新しい価値を提供していくことが大事だと思っています。

国際標準規格の策定に貢献

オープン化によって、国際標準規格の策定も重要になります。いままでクローズになっていた各社の規格をすりあわせた新しい規格を定義しなければなりません。じつは、私もこの国際標準規格の提案に携わらせていただきました。
国際標準機関(ITU-T)での会議となると、自分自身が日本国の代表としての立場になりますから軽はずみなことは言えません。さらに、出席者は数々の会議を経験してきたベテランの方々です。はじめは自分が本当に太刀打できるのかと不安な面もありました(笑) しかし、じつは入社して通信の研究に携わって以来、いつか国際標準規格の策定に関わる仕事がしたいと上司にも常々話をしていたんですね。こんなに大きなやりがいのある仕事はありませんから。なので、喜びと不安が両方あったというのが実際のところなんです。不安に感じていた点も、国内で関係者を集めて意思統一や流れを確認する場をITU-Tの会議前に上司が用意してくださったこともあって、解消することができました。
ITU-Tの会議に出席して興味深かったのは、国際標準会議は国際学会とはまた異なるという点です。学会では学術的な内容をベースにして一人ひとりが自身の研究の優位性や技術のロードマップを話しアピールすることが中心だと思いますが、国際標準会議では製品や技術をベースにしながら、どういった規格を通して自分たちに有利なビジネスを進めていくかという点が主眼になります。単に技術が優れているというだけではダメで、参加者に納得いただいて広く受け入れられることが重要になります。だから、仲間づくりというのも重要になりますね。これは、いつもの研究活動より難しいかもしれません(笑) でも、自分の視野を広げるとても良い経験になりました。結果としては、私が提案した災害時のネットワークの通信方式という項目が昨年一つの国際標準として合意されました。NECの提案方式を入れ込むことができ、東日本大震災での経験を踏まえた災害に強いNECの通信システムの進展へ、ビジネス的な面からも貢献できたと思っています。

成長と挑戦を全力でサポートするNEC

私の学生時代の研究分野は光に関する物性物理でした。そのおかげで光の特性については周知していましたが、光通信については経験がなく、NECに入社してから初めて取り組んだテーマでした。しかし、ここまで研究してこれたのはやはり、先輩や上司のサポートがあったのが大きいと思っています。
NECは、教育を重視している会社だと思います。私は入社当初に、まず基礎的な通信装置の送受信特性のシミュレーション解析の業務をやりました。シミュレーション結果の間違いに気付いた先輩は答えをすぐに出さずに「この時はこうだった?」「これがあったらどうなる?」というように気付きを与えて自分で考えるように誘導してくれたんです。これって、いま自分も指導する側になったのでわかるんですが、とても労力がかかることなんですよ。でも、それだけ熱心に教えていただけた。私もいま後輩の指導にあたっては同じ姿勢で取り組んでいます。
また、自分でしっかりと意志をもってやりたいことを発信していけば、必ず叶えられるのがNECだと思います。私自身もかねてから希望していた国際標準規格の策定に携わることができました。ただ、周りから認められて初めて叶えられるということも事実です。新しい業務を任せるというのは会社にとってはある意味投資ですから、学術発表や技術実証デモなどで実績を積んで信頼を勝ち取ることも重要ですよね。NECには「15%ルール」というのがあって、日々の業務の15%くらいは自分の好きな研究をやることが認められています。こういったルールを利用して上司へ発信していくのも一つの手かもしれません。自分のやりたいことを信じて続けていれば、いつか必ず実現できるのがNECの良いところだと思います。

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