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IoTデバイス研究所の技術領域

サイバーと実世界の接点拡張

サイバーと実世界の接点拡張

量子ドットセンサ

  • 量子ドットセンサは、数10nmサイズの構造体(量子ドット)による電子の閉じ込め効果を活用した、高感度で波長選択性の高い赤外線センサです。このような高感度の赤外線センサを人工衛星に搭載することにより、宇宙空間から地球規模での水や熱、大気、植物、鉱物などの自然環境に関する情報を得ることが可能になると期待されています。
  • IoTデバイス研究所では、技術的難易度は高いものの、植生や土壌などのセンシングに適した中・遠赤外線領域をターゲットとする量子ドットセンサアレイを開発し、赤外線画像の取得に成功しています。現在では、さらなる高機能化を目指した新型赤外線センサの研究開発にもチャレンジしています。

量子ドットセンサの構造

量子ドットセンサの動作原理

量子ドットセンサアレイ

電力指紋分析

地球温暖化防止やエネルギー価格上昇への対策として、電力を無駄なく効率的に利用するためのエネルギーマネジメント技術が注目され、研究開発や実用化が活発に行われています。
エネルギーマネジメントでは、対象とする電気機器の電力消費状況をきめ細かく把握することが、生活や業務における快適性・利便性や生産性を維持しながら、エネルギーの削減や効率的な利用を推進することにつながります。
NECは、電気機器ごとの消費電力を簡便に見える化する電力指紋分析技術の研究開発を進めています。

実世界に浸透する処理プラットフォーム

昨今、IoTの普及によって、世界中のあらゆる場所での情報通信量が増加してきています。NEC中央研究所では、海底から宇宙まで、いつでも、どこでも、誰でも高度なサービスを享受できる世界をめざし、長距離・大容量の光通信の研究開発を進めています。

大容量光通信

世界的にスマートフォンや家庭での光ファイバ通信サービスなどの普及が進む中、大陸を跨いだ、より高速で大容量な通信ネットワークが不可欠になっています。NECは、光海底ケーブルベンダーのシェアで世界トップ3の一社であることに加え、デジタルコヒーレント技術の開発などを進め、光通信の更なる長距離化・大容量化に向けた研究を進めています。

100ギガビット級の超高速光伝送システムを実現するデジタルコヒーレント技術

NEC中央研究所は、NTT未来ねっと研究所および、富士通、三菱電機とともに、デジタルコヒーレント技術の実用化に取り組み、毎秒100ギガビットの光信号を受信後にデジタル信号に変換し瞬時に処理するデジタル信号処理回路(DSP)の開発に成功。100ギガビット級超高速光伝送システムの実用化を世界に先駆けて実現しました。

100ギガビット級の超高速光伝送システムを実現するデジタルコヒーレント技術

光空間通信

昨今、低価格な小型人工衛星やドローン等の小型飛翔体を活用する機会が増えています。例えば、人工衛星で撮影した画像・映像を地上でリアルタイムに分析したり、ドローンに基地局を搭載し地上のあらゆる場所でIoTデバイスをインターネットにつないだりする試みがなされています。このように、飛翔体で大容量データを扱うために不可欠なのが、上空と地上との高速通信です。NECでは、上空と地上とを無線で高速に通信する光空間通信の研究を進めています。

光ファイバ通信なみの高速データ転送を無線で実現する光空間通信技術

先進国では地表付近のマイクロ波通信用周波数資源の不足が深刻であり、例えばリモートセンシングの分野では、観測範囲の拡大、分解能や観測頻度の向上の障害となっています。NEC中央研究所では、周波数資源の制約にとらわれることなく高速データ通信が可能な光空間通信において、より技術的に難しい地表付近での通信を可能にする技術開発を進めています。

NEC独自の受信器構成

IoTの普遍化に向けた環境技術

次世代LIB

今後大きな成長が見込まれる環境対応自動車(自動運転EV、Eバス等)やIoTデバイス(ロボット、ドローン等)の利便性の向上のため、その動力源となる高性能リチウムイオン二次電池(LIB)の研究開発を行っています。ラミネート外装、Mnスピネル正極、電解液添加剤等の独自技術を用いたLIBは、既にEVを始め電動アシスト自転車、家庭用蓄電池等に活用されています。現在は更に、これらの独自技術の強みを生かして、革新的な安全技術と次世代高エネルギー密度LIBの開発に挑戦しています。

次世代LIB

1充電で500km走行が可能なEVを目指して、負極にはシリコン(Si)等の合金材料、正極にはニッケル酸リチウム(High-Ni)等の層状酸化物系材料を用いたLIB(セル)の開発を進めています。しかしながら、これらの材料を用いたセルは、万一その蓄えたエネルギーを制御できなくなってしまうと、活物質が熱暴走し、セルの部材や電解液に引火して危険な状態に陥ってしまいます。当研究所では、万一の異常事態で活物質が熱暴走を起こしても、破裂や発火を防ぐために、難燃性を付与した電解液および耐熱性を高めたセパレータを開発し、性能を維持したまま、Si系//High-Ni系セルの安全性を飛躍的に改善しました。今後は、耐久性等更なる特性改善を図り、2020年頃の実用化を目指します。

図1. サイクル特性(7Ahセル)
開発した難燃性電解液(■TEP:FEC-1M LiPF6) は従来電解液()の特性を維持

開発セル(難燃性電解液+耐熱改善セパレータ)

従来セル(従来電解液+従来セパレータ)

図2.外部短絡試験後の電池の外観(7Ahセル@55℃環境)

スピン熱電素子

棄てられている低温排熱を電力に変えて、エネルギー効率を向上

  • 新原理「スピンゼーベック効果」 による熱電変換素子
  • シンプルな素子構造で、製造工程が簡易
  • 塗布プロセスを用いて、曲面・凹凸面など様々な形状の熱源上に直接素子形成することが可能(電子機器、家の屋根や自動車など)

棄てられている低温排熱を電力に変えて、エネルギー効率を向上

スピンゼーベック熱電変換

今後爆発的に拡がる“Internet of Things(IoT)”の世界。ヒトやモノが自在に繋がり、より快適で安全な社会が到来します。そこでは、社会を支える情報機器(IoTデバイス)が、世界中で1兆個以上利用されると言われています。ところが、実は無数の機器それぞれにどのように電源を供給したらよいのか、非常に基本的な技術課題がまだ完全には解決されていません。

私たちは、IoTデバイスへの電源供給に革新を起こすため、身の回りで無駄に棄てられている熱を新しい原理で電気に変換する「スピンゼーベック熱電変換技術」を研究開発しています。工場や家庭内の熱、さらに人の体温からもIoTデバイスに十分な電力を供給できるよう、将来のIoT社会へ向けて、日々、研究開発に邁進しています。

日本発祥の物理現象「スピン流」の実用化に向けて

スピンとは電子が持っている小さな磁石の性質を意味します。物質中を電子が流れることで電流が生まれるように、物質中をスピンが流れる「スピン流」が存在することが、この10年程の間に実験的に明らかになってきました。

スピンを活用する技術には、古くは永久磁石を活用する技術から、近年ではエレクトロニクスの概念にスピンの持つ性質を追加した「スピントロニクス」技術などがあり、これらは既に実用化されています。スピン流は、さらにその先の技術分野を構築できる可能性を秘めた現象です。そしてスピンゼーベック熱電変換技術は、スピン流を活用した技術の中でも、応用に向けて最も期待されている技術です。スピンゼーベック熱電変換素子の中では、スピンが物質中の熱の動きを整流することによってスピン流が生まれ、これを電力として取り出すことができます。

現在NECは、スピン流の世界最先端の研究機関である東北大学が主導する国家プロジェクトに参加して、熱電変換効率が高く、さらに塗布などにより熱源上に直接形成できる、実用性の高い素子開発を進めています。

スピンゼーベック熱電変換素子の実用化に向けた大きな課題の一つに、新しい材料の開発があります。NECは、無限に存在する化合物の中から、スピン流の活用に適した物性を持つ新しい材料を探し出すために、材料組成の組み合わせを網羅的にかつ非常に高効率に探索するコンビナトリアル(組み合わせ)手法と呼ばれる自動化技術を活用しています。ここで得られた膨大な実験データは、物性理論計算で得られたシミュレーション結果と併せて材料ビッグデータとして扱い、NECの強みである、人工知能や機械学習などの情報処理技術を最大限に適用して解析しています。このように、研究開発の進め方にも最新の手法を取り入れながら、実用化に向けた取り組みを進めています。

関連情報

先端材料

ナノカーボン

ナノカーボンは、黒鉛(グラファイト)から形成されるナノサイズの炭素材料のことであり、電池やキャパシタ、センサ、半導体素子、吸着剤、導電材、医薬品などへの応用が期待されています。

NECは、飯島澄男特別主席研究員が1991年にカーボンナノチューブを発見、さらに1998年にはカーボンナノホーン集合体を発見するなど、この分野で先駆的な役割を果たしてきました。現在でも2016年に弓削亮太主任研究員が、導電性・吸着性・加工性に優れた新材料カーボンナノブラシを発見するなど、新材料開発およびデバイスへの応用に取り組んでいます。

ナノカーボン材料

ナノカーボン材料の応用先

カーボンナノブラシ

2016年、IoTデバイス研究所では、先端のとがったカーボンナノホーン構造が繊維状に集合した新材料を発見し、「カーボンナノブラシ」と命名しました。この材料は、カーボンナノチューブのような高い導電性を持ちながら、同時に分散性・吸着性にも優れており、エネルギーデバイスや樹脂複合材としての応用が期待できます。カーボンナノホーン集合体と同じ製造装置を用いて比較的容易に製造できることから、実用性の高いナノカーボン材料として注目を集めています。

カーボンナノブラシの構造

カーボンナノブラシを発見者した弓削主任研究員

高機能バイオプラスチック

現在、プラスチックは全世界で年間約2.3億トン(国内では約1300万トン)生産されおり、そのほとんどは石油由来の原料を高温・高圧条件下で反応させて作っているため、プラスチック生産過程で発生するCO2量や製造に要する消費エネルギーの多さが課題となっています。これに対して、再生可能であり、CO2を固定化できる植物資源を原料に使用したバイオプラスチックの開発と利用が進められています。

NECでは、植物由来で電子機器の環境調和性の向上に寄与する高機能なバイオプラスチック「NeCycle(R)」を開発しています。植物率75%以上の難燃性バイオプラスチックとバイオ塗料を開発し、これを採用したデスクトップパソコンやプロジェクタの製品化を皮切りに、POS、携帯用業務端末、決済用端末、照明器具、固定電話機、携帯電話など、幅広い製品にて使用されています。さらに、セルロースなどの非食用植物資源を利用し、高植物率と耐久性を両立させた新しいバイオプラスチックを世界で初めて開発しました。

バイオプラスチック概要

バイオプラスチック「NeCycle(R)」の耐久性を強化

NECは2014年6月、花王株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員:澤田道隆、以下 花王)と共同で、世界最高レベルの植物成分率(約75%以上)を有しながら耐久性(耐薬品性)、耐光性、表面硬度など)に格段に優れた難燃性ポリ乳酸複合材(以下 難燃性バイオプラスチック)を開発しました。
本バイオプラスチックは、NECのバイオプラスチック「NeCycle(R)」(ニューサイクル、注5)の主成分となるポリ乳酸に、水酸化アルミニウムや炭化剤等の難燃剤と他の特性改良剤を配合する独自の組成により性能を強化し、汎用石油系プラスチックを超える耐久性を初めて実現したものです。
本バイオプラスチックは、ガソリン、強アルカリ洗剤などへの耐薬品性、耐光性、寸法安定性(非膨張・収縮性)、表面硬度等に優れ、流通・交通・医療・金融等の設備に用いられる、より厳しい仕様が要求される高耐久プラスチック市場への適用が可能となります。
今回、これらの高度な耐久性を実現したことにより、薬品への耐性が必要となる、ガソリンスタンド用給油システム(NECインフロンティア製:注6)における屋外機器の内部部品(POS周辺)に適用を開始しました。

バイオプラスチック「NeCycle(R)」の耐久性を強化

非食用原料のセルロース系バイオプラスチックの製造エネルギーを1/10に削減

NECは2014年5月、非食用植物資源のセルロースを主成分に用いた高機能バイオプラスチック(以下、「セルロース系・高機能バイオプラスチック」)を、従来の1/10という低エネルギー(低CO2排出量)で合成できる新しい製造技術(以下、「2段階不均一系合成プロセス」)を開発しました。
NECが独自に開発した「セルロース系・高機能バイオプラスチック」は、木材や藁などの主成分のセルロースに、農業副産物のカシューナッツ殻に由来する油状成分のカルダノールを化学結合することで合成され、熱可塑性・耐熱性・耐水性などに優れるとともに、植物成分率が高い(約70%)という特長があり、電子機器などの耐久製品への実用化を予定しています。使用したカルダノールは、東北化工株式会社【代表取締役 柴田 寛之】との共同で、反応しやすい構造に化学的に変性したものを利用しました(以下、変性カルダノール)。

このたびNECが新たに開発した「2段階不均一系合成プロセス」は、従来のように原料のセルロースを有機溶媒に溶解(均一系)させず、ゲル状に有機溶媒で膨らませた状態(不均一系)にした上で、変性カルダノール(長鎖成分)と酢酸(短鎖成分)を2段階で結合して樹脂を合成します。このため、溶液からの沈殿分離などによって生成樹脂を容易に回収できます。本プロセスは、ほぼ常圧・中温(100℃以下)での反応条件を達成するとともに、従来の均一系プロセスで必須であった生成樹脂を分離するための溶媒が不要となるため、合成に必要な溶媒量の大幅な削減(従来プロセスの約90%減)を実現します。これらにより、従来に比べ、約1/10の製造エネルギー(CO2排出量)で、高機能なセルロース系バイオプラスチックの製造が可能になることから、将来量産を行う際には、製造コストの大幅な削減が期待されます。

伝統工芸の漆器がもつ美しさを実現した非食用植物原料のバイオプラスチック (漆ブラック・バイオプラスチック)の開発

国際的に高い評価を得ている伝統工芸の漆器(注1)がもつ独特の美しい漆黒(漆ブラック)を実現した非食用植物原料のセルロース系バイオプラスチック(注2)を開発しました(京都工芸繊維大学と著名な漆芸家の下出祐太郎氏(注3)との共同研究)。
バイオプラスチックを様ざまな耐久製品に利用するため、これまでの耐久性などの機能性に加え、このたび、装飾性(デザイン性)という新たな付加価値の実現に取り組みました。
この新しいセルロース系バイオプラスチックにおいては、着色性や光の反射性を調整する添加成分の配合技術を開発し、高級な漆器が示す深く艶のある漆ブラックと同等の光学特性(低明度や高光沢度など)を初めて実現しました。さらに、漆器の制作は、基材の表面に下地層と漆層を塗って磨く工程を何度も繰り返すため、量産は困難でしたが、本バイオプラチックは、通常のプラスチックと同様な射出成形(注4)によって、様ざまな形の製品の量産が可能です。

漆ブラック・バイオプラスチックの成形体例

  • (注1)漆器: 通常は、木製製品の表面に下地工程を施したのち、漆(天然の漆成分と着色剤の組成物)を塗布してから硬化させ、これを手作業で研磨する工程を繰り返して作製する。我が国独自の伝統工芸製品のため、小文字のjapanが蒔絵漆器を表すことがあったなど、国際的に高い評価を得ている。しかし、高級漆器になるほど製造工程に非常に手間がかかるため、工業製品としての量産は難しかった。
  • (注2)セルロース系バイオプラスチック(セルロース樹脂): 草やわら、木材の主成分であり、人間の食用にも適さないセルロースを使った樹脂。セルロースに対して、酢酸、プロピオン酸等の短鎖脂肪酸や長鎖脂肪酸などを結合させることで、加熱(200℃程度)によって溶融が可能なったもの。今回は、酢酸とプロピオン酸をセルロースに結合させた短鎖脂肪酸付加セルロース樹脂を使用。
  • (注3)漆芸家 下出祐太郎氏: 下出蒔絵司所三代目として,伊勢神宮式年遷宮御神宝平文や京都迎賓館の飾り台の蒔絵の制作、高台寺蒔絵の復元的制作などで知られる、我が国を代表する漆芸家。京都産業大学文化学部教授。大学での学術調査や後継者指導も積極的に行い,伝統的な技術を守るだけでなく,発展させる活動を行っている。特に最近は、外務省の依頼で、欧州諸国での講演や著名博物館での招待展示など、国際的にも広く活躍している。
    (*外務省HPでの紹介:http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000158375.pdf )
  • (注4)射出成形: プラスチックを熱溶融させて金型に流し込み成形する、一般的なプラスチックの成形方法。金型の構造を変えることで、様ざまな形の製品を量産することが可能。今回のバイオプラスチックでは、鏡面仕上げの金型を使用。
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