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インターンシップ体験記

山口 勇太郎さん

東京大学大学院 情報理工学系研究科 数理情報学専攻
第7研究室(計算情報学) 博士課程1年 (当時)
インターンシップ期間:2013年8月~9月,2014年2月~3月(主に4ヶ月間)

山口 勇太郎さん
同研究室 博士課程3年(2015年現在)

大学での研究テーマ

私の大学での研究テーマは離散最適化に関する理論的解析です。主にグラフにおける最適化問題(最大流・最小カットや、マッチング、パスの詰め込みなど)に対する、アルゴリズムや問題の構造に関する研究をしていました。 近年、「ビッグデータ」という言葉に象徴されるように、大規模なデータをいかに効率的に扱うか、という話題が世間を騒がせていますが、そのような流れとは一線を画すような、理論的に効率的に(入力のサイズに対して多項式時間で)解けるかどうかを議論する、いわゆる「理論計算機科学」の分野に近い研究がメインでした。そんな中、機械学習の分野で離散最適化手法が脚光を浴びており、離散最適化に精通したインターン生を募集しているという話を偶然耳にしました。これまで理論的側面しか扱っていなかった離散最適化手法の実応用に関する研究をしてみるのも興味深いと思い、応募しました。

インターンシップ中の業務内容

インターンシップ中は、異種混合学習の中で用いる特徴選択に対する効率的なアルゴリズムの開発を行っていました。異種混合学習は、多種多様な関連性・規則性が混在するデータを、自動的にうまく分離して分析する手法です。これを用いることで、高精度な予測や異常検出を少ない人的手間で行うことが出来ます。また、特徴選択とは、大量の特徴量(説明変数)から、本質的に重要だと思われるものを少数選び出す作業です。これによって、過学習(既存のデータに過剰に合わせたモデルを作ることで、新たなデータに対する予測精度が落ちる現象)を防いだり、学習の効率化を図ることができます。
私は、離散最適化手法を適用することで、高速に、かつ、高い精度で特徴選択を行うアルゴリズムの開発・効率化と、その実装に取り組みました。特徴量の数が数百万というビッグデータの世界を相手にしていたので、その組合せの数はもはや天文学的というレベルすらも超越するものとなり、厳密に最適な選択をすることは非常に困難です。私は、それを実用的に運用可能なレベルで高速に、しかも、離散最適化の理論を用いることである程度の精度が保証された良い選択を求めるようなアルゴリズムを提案し、それらを実装しました。また、その他にも、既に使われていた手法を、離散最適化のテクニックを用いて何倍も高速化する、といった貢献もしました。

※本研究成果が、人口知能学会設立30周年記念論文特集の優秀賞を受賞しました。

インターンシップを終えて

NEC研究所でのインターンシップは、これまで大学や国立研究所での理論的な研究しか体験してこなかった私にとって、とても新鮮で良い経験になりました、第一に、企業の研究所における研究がどのような流れで動いているのか、実応用的な研究とはどういったものなのか、という雰囲気を身近に感じることができたことで、自分自身の研究というものに対する視野が広がったと思います。さらに、初めて複数人での開発というものに携わったことで、周囲の方々からプログラミング言語や実装に関する知識や技術をたくさん習得することができました。ここで得た開発知識・技術は、後に大学での自身の研究にも活かされることとなり、とても有益なものだったと感じています。
また、メンターの藤巻さんのお誘いで、シリコンバレーの研究所にも2ヶ月ほど滞在させていただいたことは、実務経験だけでなく生活の意味でも非常にありがたい体験でした。初めて訪れる異国の地で、自分で住環境を探すところから始め、基本的に自分の好きなように活動できる環境を与えていただいたことで、様々な経験を積むことができました。この体験により、海外生活に対するハードルが下がり、なんとかなるものだという自信も付きました。英語が苦手、海外生活なんて無理、と思っている人も、行ってみれば意外となんとかなるものだ(というか、なんとかするしかない)ということが実感できると思うので、そういった機会があれば積極的に掴みにいくと良いと思います。

最後に、インターンシップに参加したことで、同世代の、幅広い分野の、優秀な研究者たちと知り合うことができたことは、とても大きな財産になると思っています。1つの分野で研究をしていると、どうしてもそのコミュニティで閉じてしまいがちになりますが、NEC研究所のように様々な分野の研究者が(時には国境を越えて)出入りするような場所に居ると、自然とそのような繋がりを築くことができます。このような機会を手にすることができたのも、そのチャンスを逃さず掴みにいった結果だと思います。みなさんも、様々なチャンスを逃さないよう、感性と決断力を持って日々を過ごしてください。

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