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インターンシップ体験記

大岩 秀和さん

東京大学大学院 情報理工学系研究科 数理情報学専攻
数理言語情報学研究室 博士後期課程2年 (当時)
インターンシップ期間:2013年3月~6月(4ヶ月間)

大岩 秀和
さん
大手ウェブサービス企業勤務(2015年現在)

大学での研究テーマ

私は、大学では機械学習およびその応用先としての自然言語処理の研究に従事していました。ストレージやネットワーク技術の急激な進歩に伴い大量のデータが各所で蓄積されており、これらデータの利活用への需要が高まっていました。その中でも私は、大規模データを如何にしてシンプルな方法を用いて効果的に学習するか、という点に興味がありました。そのため、データ全体を同時に扱う学習手法ではなく、一データのみを用いてパラメータの更新を反復的に行うために更新則がシンプルになりやすい、オンライン学習および確率的最適化と呼ばれる枠組みにおけるアルゴリズム開発や性能解析の研究を行ってきました。しかし、データ解析はすでにあるデータを解析する学問分野である以上、ビジネスで得られるデータの分析における企業の技術的課題や困難を知ることが、実用的な機械学習手法・アルゴリズム開発には大切であると感じる機会が多くありました。そんな折、機械学習やデータ解析の研究とその実応用の両輪を回すことを実現しているNEC中央研究所でのインターンシップの機会を聞き、本来の興味対象であるシンプルな手法の開発や理論解析を企業が抱えている問題点や課題の解決に利用するチャンスがあるのではないかと考え、応募することに決めました。

インターンシップ中の業務内容

インターンシップ中は、局所線形モデルの凸最適化問題による定式化およびアルゴリズム開発をテーマに研究を行いました。局所線形モデルとは、データ空間を複数の領域に分割し、領域毎に別々の線形予測モデルを割り当てる枠組みです。局所線形モデルは線形モデルが持つ高い解釈性を保ちつつ、より表現力の高い回帰や分類を可能にします。局所線形モデルの領域分割と各線形モデル学習を同時に効率的に実現するアルゴリズムが開発できれば、多種多様な性質を持つ混合データから、各データの性質に基づいた規則性の発見および予測が可能になります。

インターンシップを終えて

凸最適化問題による定式化を可能とするPartition-wise linear modelsと呼ばれる枠組みの開発、最適化アルゴリズムの提案、未知データに対する予測精度上限の理論解析および実験的評価を遂行し、幸いにも、インターンシップでの研究成果をまとめた論文は、機械学習系の国際会議であるNIPS2014 (Neural Information Processing Systems) に採択されました[1]。企業での問題意識を出発点に研究をスタートさせ、最終的に研究論文として成果も出す、という一連の研究としての流れを追うことが出来たのは非常に良い経験となりました。この経験は、その後研究者としてのキャリアを積む上で参考になっています。
また、企業研究の実ビジネス展開には、基礎研究・実装開発・ビジネス接続のワークフローが存在します。NECの研究グループは、ただ基礎研究に注力するのみでなくこのワークフロー全体に関わっているため、ビジネス展開までの道のりを近くで見ることが出来た点も、その後の研究活動やキャリアの選択の上で非常に参考になりました。

企業インターンシップのススメ

企業インターンシップで行う研究は、大学研究室で行う研究と異なる点が多々あります。扱えるデータの種類や研究のテーマ設定など、研究室での研究活動と比べた時に、様々なメリットやデメリットを感じる事になると思います。また、大学研究者と企業研究者の研究方針や考え方の違いに驚愕する事もあるかもしれません。
研究室とはまた違った研究の世界を見てみたい、研究で得られた成果のビジネス応用で発生するハードルやそれに向けた取り組みを近くで感じたい、ビジネス応用を視野に入れた研究の進め方を体験したい、そんなモチベーションを持った方にはNECでの企業インターンシップのような機会があれば、逃さず利用してもらいたいと思います。


[1] Oiwa, Hidekazu, and Ryohei Fujimaki. "Partition-wise linear models." Advances in Neural Information Processing Systems. 2014.
http://papers.nips.cc/paper/5605-partition-wise-linear-models.pdf

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