Brain-Inspired Computing

脳に倣うコンピューティング

このようなノイマン型アーキテクチャの限界を越えてさらに消費電力性能を改善していくために、新たなアーキテクチャとして期待されるのが脳型コンピュータです。脳型コンピュータでは、従来の数100倍の電力性能向上を目指して脳の神経回路網をデジタル素子で実現する疑似脳型が開発されていますが、やがては脳の電気的活動をそのまま模倣するアナログ回路を用いた構成が実現され、さらに2桁から3桁の電力性能向上が実現されると考えられます。NECはこのようなアナログ回路を用いてAIの処理を効率化するブレインモルフィックAIの研究に東京大学と取り組んでいます。ブレインモルフィックAIにより、人工知能の情報処理を従来の1万倍以上高い電力効率で実現することを目指しています。このような高い電力効率を備えた知的処理専用コンピュータは小型のデバイスや端末へ搭載が可能になり、実世界でリアルタイムに動作するAIとして様々な社会ソリューションで活用が広がっていくでしょう。

また、脳の神経回路を模倣するだけでなく、脳の機能やその働きそのものを解明し、それをコンピューティングシステムとして実現していこうとする新しい取り組みも始まっています。NECは大阪大学と連携し、情報科学や計算機科学の枠を超え、脳科学や生命科学の知見も取り込んで、将来の脳型コンピュータの有り方を考えていくプロジェクトを進めています。脳科学や生命科学の研究を「脳機能の解明」、「脳の働き(ふるまい)の解明」、「脳の回路・構造の解明」の3層構造で整理し、各層の知見を情報科学とコンピュータ工学に応用することで、人間が行っているような限られた情報での知的処理を可能にする将来の脳型コンピュータの基礎を築いていきます。

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