テクノロジービジョン

10年先を見据えた
社会価値創造のためのテクノロジーとは

ICTの世界では、最新のテクノロジーであっても瞬く間に私たちの社会に普及し、そしてなくてはならない存在となっていきます。NECは、10年先の世界を見据え、課題解決のためのテクノロジーを追求しています。


AIやIoTで、「コト」の理解を進化させて
データからさらなる価値を創造

 グローバル・メガトレンドで世界経済や社会の将来像を捉えるとともに、テクノロジーの進化による将来の社会への影響にも目を向ける必要があります。今、AIやIoTなどのICTの活用によって、社会構造の劇的な変革や新しいビジネスモデルを創出する「デジタル産業革命」の時代が到来しています。NECは、さらに10年先の世界を見据えたICTの進化をテクノロジービジョンとして捉え、新たな価値を創造するアクションを考えています。

 将来IoTが社会に浸透することで、さまざまなモノやヒトがネットワークにつながり、そこから集められるデータが分析されることによって、実世界(フィジカルな世界)やサイバー世界で起こる「コト」の理解が深まっていきます。このようなICTで実現される「コト」の理解が社会課題の解決に生かされていきます。例えば、街中に設置されたカメラの画像と、サイバー世界の情報を統合して分析することで、ヒトの不審な行動や動きを察知して、犯罪の未然防止に貢献することができます。NECは、このような「コト」の理解を起点として社会価値を創造していくプロセスを、実世界の本質的な課題をサイバー世界で「見える化」、解決するための手段と意思決定を支援する「分析」、実世界へサービスやソリューションとして提供する「対処」、と捉えています。そして、この社会価値創造プロセスを実現するデータサイエンスと、それを効率的かつセキュアに実行するICTプラットフォームのテクノロジーに注力していきます。

ICTが生み出す社会価値と価値増幅の源泉
ICTが生み出す社会価値と価値増幅の源泉

社会起点で考える、テクノロジーの方向性

データサイエンスの中核を担う「分析」では、NECが強みとするAIを活用していきます。NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」は社会課題の解決に求められる多様なAI技術で構成され、社会ソリューションごとに最適な機能の組み合わせを提供します。

 世の中のAIはビッグデータから学習するものが主流ですが、我々が取り組むべき社会課題においては、そもそもビッグデータが存在しない未知の事象や、過去に事例がほとんど存在しないような問題が多くあります。また、実世界の問題を解決するためにはリアルタイムな判断や制御が必要ですが、現在のAIでは処理量や消費電力の面で課題があります。

 例えば、サイバーセキュリティにおいては、日々生み出される新たなサイバー攻撃への対策が課題となっていますが、既知の攻撃手法に基づいて作成された対策や対処ルールでは、未知の攻撃パターンに対処することができません。現在、そのような未知の攻撃への対処は、高度な専門知識を備えたセキュリティ分析官の判断に頼らざるを得ません。NECはこのような未知の問題に対しても、論理的な思考によって解決手段を導き出し、人と連携して問題解決に貢献するAIの開発に取り組んでいきます。

 また、AIの学習には膨大な計算量を必要とするため、コンピュータの消費電力が、実世界へのリアルタイムな制御を実現する上での課題となっていきます。プロ棋士を相手に勝利を収めたGoogleDeepMind社のAlphaGo(アルファ碁)ではその学習処理に数百kWの電を消費したと考えられていますが、人間の脳の活動は電力消費に換算するとわずか20Wと言われています。消費電力の壁を越えるためには、人間の脳の処理に倣い、高度な知的処理を高い電力効率で実現するコンピュータの開発が必要となります。さらに、例えば自動車の運転制御など、リアルタイムな制御が求められる場合には、そのような知的処理を行うコンピュータを実世界に近いエッジデバイスに置くことも必要となります。クラウドとエッジの間で機能や処理を最適に分散し、実世界で起こる問題にリアルタイムに対処できることが求められます。
 次ページでは、このようなNECの捉える技術の進化の方向性を7つのテクノロジーの世界観として紹介します。

NEC Vision Book 2017を読む

社会価値創造のビジョンや取り組みについて、より詳しい内容をご覧いただけます。是非ご一読いただければ幸いです。