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AI技術で実現する、精度の高い需要予測

アサヒビール株式会社山本 薫
NEC蟹江 静香

アサヒビール様とNECは、AI技術やビッグデータ分析技術を活用し、より精度の高い販売予測や在庫水準の適正化に取り組んでいます。導入の経緯や現在の課題、今後どのような展開を考えているのか。プロジェクトをけん引しているデジタル戦略部の山本薫副部長と、NECの担当者が語ります。

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山本 薫山本 薫 アサヒビール株式会社 経営企画本部デジタル戦略部 担当副部長

マーケティングリサーチ、内閣府出向、経営企画など、多岐にわたる部門を経て、2014年9月より現職。主にAIやビッグデータ活用の取り組みを担当、デジタル戦略全体の計画立案にも携わる。NEC C&Cシステムユーザー会のデータアナリティクス研究会でも委員を務める。

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蟹江 静香蟹江 静香

入社以来、アサヒビール様を担当。お客さまの経営・業務課題の改善提案とNECの技術・人材とをつなぐ架け橋を目指す。将来的にはグローバルでNECの技術の事業化に貢献することが目標。
山本様との共通の趣味はネイル。

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新商品の需要予測にAI技術を導入

2014年9月から、NECのAI技術である異種混合学習技術を採用していますね。

はい。過去数年間の製品出荷・実販データ、カレンダーや気象など複数の情報をもとにした、新商品の需要予測に取り組んでいます。これまでは、その多くをベテラン担当者の経験と勘に頼ってきましたが、それは誰にでも簡単に身につくノウハウではありません。経験が浅い担当者でも予測を可能とし、意思決定を迅速に行うことで生産計画や在庫の適正化を図るため、AI技術の導入を検討しました。

アサヒビール様とNECは、基幹システムのご提供などでもともと長いお付き合いがありました。しかしNECには世界に誇れる技術や、流通小売業で活躍しているデータサイエンティストがいるので、業務側でも直接的にさまざまなお手伝いができると考えていました。

新商品需要予測のプロジェクトは、現在どのようなフェーズにありますか?

2014年9月にはじめた検証段階でも、一定の予測精度が出ていましたが、3年前に比べるとさらに高まっています。現在は現場への本格導入に向け、検証を継続しつつ運用設計を進めている段階です。

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量販チェーンに対して、より最適な販促企画の提案を目指す

さらに2014年12月からは、量販チェーン向けの需要予測/価格最適化プロジェクトもスタートしています。どのような課題があったのでしょうか?

少子高齢化や消費税増税、EC事業拡大による競争激化など、小売業を取り巻く環境は構造的不況が続いており、これまで通りの販促や施策では思うように量販チェーンの売上があがらないという課題がありました。当社としても、適切なタイミングで季節イベントやコト消費を喚起するなど、売価以外での提案力強化の必要性を感じていました。 そんな時、NECと新商品需要予測のプロジェクトに取り組むなかで得られた知見が、量販分野における課題解決に役立つのでないか、ということでご提案頂けたため、取り組みを開始しました。

NECのビッグデータ分析に基づく高い精度の予測のもと、量販チェーンに対してより説得性が高く、最適な価格販促や施策の提案を行うことが可能になります。チームでさまざまなディスカッションを重ねながら、どのように運用すれば成果につながるかを具体化していきました。

3年間、二つのプロジェクトを進めてきたなかで、ハードルを感じたことはありましたか?

NECの技術は優れているのですが、それを導入するユーザー側にもある程度のリテラシーが必要です。当時、「AI」も「ビッグデータ」も、当社できちんと理解できている人はごくわずかでした。だからこそ、まずはプロジェクトメンバーが共通言語で会話すること、足りない知恵を相互に補うことからはじめる必要がありました。

NECの技術はお客さまにも高い評価をいただいていますが、まだ完全に個々のお客さま自身の業務にフィットする形になっているわけではありません。そのため、技術を導入するだけではなく、お客さまの業務課題を理解し、それを磨き上げていくため、日々頭を悩ませています。すぐにはうまくいかないので、実際の業務部門の皆さまに活用していただくことの難しさを、私たちも身をもって感じつつ、メンバー一丸となって挑戦しています。

お互いの知見を掛け合わせて、どれだけ価値を最大化できるかが今後の鍵になると考えています。プロジェクトメンバーは20人ほどにまで増えましたが、いい意味で刺激しあいながら成長できる、とてもいいチームが構築できています。
現場では少しずつ成果につながりつつありますが、まだまだこれから大きく発展させていきたいですね。

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技術を運用するのは「人」。さらなる最適化を目指して

今後の取り組みについて聞かせてください。

技術がすべてを解決してくれると過度な期待を抱きがちですが、多くの場合、単に技術を導入するだけではなく、業務の見直しや意識改革もあわせて行わなければ最大の効果は得られないと考えています。価値を最大化していくために、NECの皆さんには、これからもチームの一員として、率直なご意見やご提案をいただきたいです。今はまだ個別最適の取り組みですが、全体最適の視点で、将来的にはAI技術の活用をグループ全体に広げていきたいと思っています。

在庫水準の適正化を目指す新商品需要予測と、量販チェーンの売上拡大への貢献を目指す需要予測/価格最適化プロジェクトが現在動いています。将来的にはその二つを連携・発展させ、NECの技術や知見をアサヒグループ様全体の事業拡大に貢献できるようになることが目標です。

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