バリュー・クリエイターに聞く [後藤 淳]

己の弱点を知る。敵の攻撃手法を読む。それがプロアクティブ対策の戦略です

最近のサイバー攻撃の傾向や、これからのサイバーセキュリティ対策における重要ポイントは何ですか

後藤 淳
NEC
サイバーセキュリティ戦略本部
シニアエキスパート
後藤 淳

特定のターゲットを狙い撃ちする標的型攻撃に加え、最近では企業のICTシステムの弱点をつかみ、そこから侵入するといった攻撃も増えています。日々、ICT技術が進んでいる昨今、ICTシステム全てを完璧に防御・武装することは通常難しく、また、妥当な解決策ではありません。むしろ、そうした攻撃に対抗するには、企業など守る側でも自社のシステムの脆弱性をしっかり把握することが重要です。情報の力で自らのICT環境全体を把握しておけば、具体的な問題が発生する前に適切な対策を行い、万一侵入されても被害を最小化するすばやい対応を図ることができます。
「己の弱点を知り、すばやい対策を図る」こうしたプロアクティブサイバーセキュリティ対策が、今後ますます重要度を増してきます。現在私は、日々巧妙化するサイバー攻撃のプロアクティブ対策に貢献する、安全で高度な商品の企画やマーケティングを担当しています。火事が起こってからあわてて火元を探したり、遠くの消火器を取りに行ったりするのではなく、火事が起こりそうな場所を予め把握して消火器を近くに準備しておく。プロアクティブ対策は、そうした安心の備えとも言えます。


プロアクティブサイバーセキュリティの商品企画で注力している点や、仕事におけるこだわりについて教えてください

次々と現れる新たな脅威に立ち向かう先進の商品を企画するには、最新の攻撃手法、セキュリティ技術の先進トレンド、さらにセキュリティに関するお客様の運用課題など、多様な情報や知見が必要です。そうした情報や知見の分析から、技術研究所、ソフトウェア開発部隊、監視サービスを実際に行っている現場の技術者、さらにパートナー企業など、社内外の密接な連携による“共創”から、新たな商品の企画が生み出されます。私が業務を行う上でつねに大切にしているのが、多様な人とのコミュニケーションです。セキュリティ機能やツールがどんなに高度であっても、お客様が煩雑な運用に頭を悩ませ、多くの手間や時間がかかるのでは、良い商品とは言えません。ですから私たちは、お客様の使いやすさも強く意識して商品企画を行っています。NECでは、自社グループ約18万台のサーバや端末で実践しているプロアクティブサイバーセキュリティの運用実績をもとに、高度なセキュリティ機能やサービス、そして実践的な運用ノウハウまでを組み込んだソリューションパッケージとしてお客様に提供しています。


サイバーセキュリティ対策の今後の展望と、商品企画担当として将来への思いを聞かせてください

2020年に向けて、日本に対するサイバー攻撃がいっそう増加すると予測されます。また、世の中のさまざまなモノがつながるIoTが進展すると、ICT環境だけでなく重要インフラなどの物理的なシステムに対する脅威も生まれ、サイバーセキュリティ対策の充実はますます重要になります。私たちNECでは、IoTの先進セキュリティ対策の研究開発を他社に先駆けて進めています。
NECは、海外拠点の開設やインターポールとの連携など、サイバーセキュリティ対策のグローバル展開を進めています。最近では日本のみならず海外のお客様の間でも、NECのサイバーセキュリティの評価や信頼度がアップしています。私としては、NECの技術研究とソリューション開発によって、より先進的なサイバーセキュリティ対策の提供を続けるとともに、世界の国々やパートナーと手を組んで、より安全・安心な社会づくりに貢献したいです。

NEC Vision Book 2017を読む

社会価値創造のビジョンや取り組みについて、より詳しい内容をご覧いただけます。是非ご一読いただければ幸いです。